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砂漠に潜む鮫


 カイトたちが砂漠に向かった後、ギドランドは雑誌を読んでいた。その雑誌には、カイトたちがゴイチ王国を救ったことが書かれていた。


「まさか、ゴイチ王国を救ったピラータ姉妹がいたとは……急いでいたから分からなかった」


「そうですね。自分が一声かけなければ分かりませんでしたね」


 と、部下の一人がこう言った。ギドランドは部下を睨むと、ため息を吐いた。


「まぁいい。それより、これから私たちも砂漠に行くぞ。ピラータ姉妹がいる。確実に翡翠は手にすることができるだろう」


「じゃあ待てばいいじゃないですか」


 部下がこう言うと、ギドランドは部下の方を見て言葉を返した。


「ピラータ姉妹がいるなら、私たちが洞窟へ向かっても安心だ。奴らが敵を倒してくれるからな。だが、奴らはゴイチ王国を救ったとはいえ、海賊だ。翡翠を独り占めする可能性がある」


「そんなことはないですよ」


「うるさい! 一応念のためだ、翡翠は私の物だ! 誰にも渡さん!」


 ギドランドはそう言って、部下に支度をするように急かした。




 カイトたちはレンタルカーショップから砂漠用の車を借り、ウイークの運転で砂漠を走っていた。


「砂煙がすごいから、ゴーグルをちゃんと付けておけよ! それと、日よけのローブもしっかり羽織っていてくれ! セアンちゃん、サディたちからの連絡があるかもしれないから、端末を持っていてくれ!」


「分かった!」


 セアンの返事を聞いた後、ウイークは助手席に座るカイトにこう聞いた。


「そっちに何かあるか?」


「何もない。一面砂だらけだ」


「そうか。だが、ちゃーんと見ておけよ、砂の中に何かがあるかもしれない。さっき怪我をした奴らみたいに砂の中からモンスターに襲われるかもしれないからな!」


「分かった。ウイークも運転頼むぜ」


「おう!」


「何かあったら、遠距離戦は私が相手になるから」


 と、ケアノスがこう言った。カイトは遠距離戦ならスナイパーライフルを持っているコスタの役目ではないかと思った。


「あれ? 遠距離はコスタの出番じゃないのか?」


「この砂煙じゃあ砂がライフルに入って壊れる。セアンもハンドガンは使っていない」


「あー。そういうことか。俺も上手く魔力を使えれば、コスタみたいに遠距離戦ができるかな……」


「できるさ! ま、気長に訓練すればいつの間にかできるってものさ!」


 ウイークが大声で笑いながらそう言うと、何かを感じて車を止めた。


「どうかしたの?」


「アディ、隠れていろ!」


 ウイークは急いで後部座席にいるアディにこう言った。その瞬間、離れた場所から大きな鮫のようなモンスターが現れた。


「さ……鮫!」


「あれは砂漠に生息する鮫のモンスター、デザートシャーク。海にいる鮫と同様、凶暴で強いから気を付けて」


 デザートシャークを見たラージュがこう言った。それに付け加えるように、ライアがこう言った。


「あいつの肉はざらざらしているけど、焼くと結構おいしいのよ。干せば非常食にもなる」


「どうするライアちゃん? あいつを倒しておくか?」


「そうだね、アイツを倒して食べちゃおう!」


「了解!」


 ライアの答えを聞いたウイークは、デザートシャークの後を追いかけるように車を走らせた。カイトは頭のローブを手で押さえながら、セアンにこう言った。


「なぁ、あの鮫をどうやって倒すか知っているか?」


「出て来た時に叩くしかないよ。そうだね……出て来た時に私の風で浮遊させて、その時に叩こう!」


 セアンがこう言った直後、右手側にデザートシャークが現れた。セアンはこのタイミングに風を発し、デザートシャークを宙に浮かせた。ウイークはカイトの方を見て、こう言った。


「デザートシャークを瞬殺するなら頭を斬れ。あいつの頭はあまり美味くない」


「えー? 私、アイツの頭の調理の方法を知っているよー。でも、倒すことを優先したいから、頭を斬って」


「ああ。ちょっと待っていてくれ」


 カイトは車から出て、刀を構えてデザートシャークの頭を一閃した。アディは頭と胴体が分かれたデザートシャークを見て動揺していたが、その時に何かの音を聞いた。


「ちょっと待って! 何か音がする!」


「まずい! 奴の仲間がいるのか! 血の臭いで誘われたか!」


「それなら、私も行くよ!」


 と言って、セアンがカトラスを持ってカイトに近付いた。それに続いてケアノスとラージュも武器を持ってカイトの元にやって来た。


「今日から鮫肉祭りだね」


「デザートシャークのフカヒレは美味として有名なの。どんな状態でも、売れば万は行くわ」


「マジか。フカヒレか……食べたことがないな」


「呑気に話をしている場合じゃないわよ。来るわ!」


 ケアノスの声の後、無数のデザートシャークが地面から現れた。カイトは最初の時と同じようにデザートシャークの頭を狙い、刀を振るった。セアンもカイトと同じようにデザートシャークの頭を狙ってカトラスを振るったが、後ろから別のデザートシャークが襲い掛かった。


「セアンを襲わせないわ!」


 と言って、レイピアを構えたケアノスがデザートシャークの口の端にレイピアを振り、そのまま一閃した。その周囲では、ラージュが大剣を振り回しながらデザートシャークを斬っていた。


「ライア。この位暴れても奴の肉質やフカヒレは大丈夫かしら?」


「うん、大丈夫! 後で私もそっちに行って奴の体を解体するから!」


 ラージュの声を聞いたライアの返事が響いた。それから、カイトたちは襲い来るデザートシャークを倒していった。




 数分後、ライアはカイトたちが倒したデザートシャークを解体していた。ウイークやコスタも手伝ったおかげで、すぐに終わった。


「ふぃー、終わった」


「後で売りに行こう。少しは食べるけど」


 ライアは解体したデザートシャークの肉やフカヒレを腐らせないようにし、リュックに入れて行った。そんな中、別の車が周囲を走っている光景を見た。


「他の人たちは洞窟を見つけていないみたいだね」


「ああ。まだのようだな」


 ウイークはそう言った後、あることを思った。


「その洞窟って本当にあるのか? 一面砂だらけだし、なんかなさそうな気がするけど」


「謎解きかな? 私、あまり苦手だからやりたくないなー」


「俺も同じだ」


 ウイークとライアはそう言って、ため息を吐いた。その後、再び車に乗って洞窟を探し回った。だが、洞窟を見つけることはできず、夕方になった。


「もう夜か。この状態で動き回るのは危険だから、今日はここでキャンプにするか」


 ウイークがこう言った後、簡易的なキャンプの準備を始めた。ライアは倒したデザートシャークの肉を焼く中、カイトとウイークは車の様子を見ていた。


「一日動き回って見つからないか……ガソリンは足りるのか?」


「ガソリン? 今の車はそんな物使わないぜ。ほとんどの車は魔力が動力で動いているぞ」


「え? そうなのか?」


「昔はあったみたいだけど、魔力の方が楽だからってそっちの切り替わったな」


「便利だな……で、車の魔力は足りるのか?」


「今日だけで二メモリ分使ったか。まぁ、大丈夫だろう」


 カイトとウイークが話をしていると、ライアが二人を呼んだ。その後、カイトたちは焼いたデザートシャークの肉を食べ始めた。


「うーん。ステーキの用に分厚い焼き魚だな……」


「デザートシャークの肉はでかいから、ステーキの肉みたいに見えるの」


 と、カイトとライアは話をしていた。ケアノスがデザートシャークの肉を食べていると、離れた所で緑色に光る物を見つけた。


「あら? あの光って何?」


「蛍じゃないの?」


 セアンはそう言ったが、気温の変化が激しい砂漠に蛍はいないと考えた。


「蛍かと思ったけど、違うね。何あれ?」


「明日、向かってみよう」


「そうだな。とにかく今は、休むことを優先するぞ」


 ウイークがこう言った後、カイトたちは緑色の光を気にしながら、休むことにした。


 今回出て来たデザートシャークのモデルと言うか、元ネタはモン〇ンのガ〇オスです。鮫をモチーフにしたモンスターは今後、出てくるかもしれません。海で出てくる危険な生き物と言えば、鮫が頭によぎるので。俺の作品では、頻繁に元ネタが分かりやすいモンスターやキャラが出てきます。分かったとしても、お口をチャックしてください。ブクマ、評価、いいね、感想質問、レビューをお願いします。次回もよろしく!

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