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クッキングバーサス開始!


 ヴィーナスハンド寝室、セアンは一人で改造に失敗した寝室を元に戻す作業をしていた。


「ふぇ~、誰か一人手伝ってくれたっていいじゃない」


 ケアノスから自分でやったことは自分一人でやりなさいと言われ、セアンは一人で作業をすることになってしまったのだ。カイトとアーンなことやウッフンなことをしようと考えた罰だと思ったセアンだったが、一人でやる作業は辛く、果てしなく続くと感じた。


「もう……本当に誰か手伝ってよ……」


 そう呟いた時、上に置いてあった飾りがセアンの頭に落ちてきた。その結果、嫌になったセアンは泣き叫んだ。




 一方カイトは、ライアとコスタと共に昨日倒したオオツノウシの肉の整理を行っていた。


「ごめんね、面倒なことをやらせちゃって。あとでお礼するから」


「お礼はこの肉のステーキでいい」


「俺もコスタと同じ意見で」


「了解。大会が終わったら、おいしいステーキ作るから」


 そんな話をしていると、ラージュがやって来てこう言った。


「まぁすごい量の肉。これ全部明日のクッキングバーサスで使うつもり?」


「全部は使いきれないよ。使う分はもうあそこに冷凍保存してある」


 と、ライアは冷凍保存用の箱を指さしこう言った。箱の中を見たラージュは、あらあらと呟いて驚いた。


「こりゃまたおいしそうな部位を残したこと」


「明日のクッキングバーサスには有名な料理人が出るって聞いたし、その位の食材じゃないと勝てないと思って」


「やる気満々ね。で、今は何やっているの?」


「余った肉を使って干し肉を作っているの。長期保存できるし、これから何があるか分からないでしょ?」


「そうね。これだけあれば何か月は持つわね」


 ラージュはそう言って、部屋に戻って行った。干し肉を作る作業を終えたカイトは、ライアにこう聞いた。


「こっちは準備ができたぞ。あとは干すだけ?」


「うん。この作業は私に任せて。コスタ、カイト、ありがとね」


「ああ。いいってことよ」


「また何かあったら教えて」


 そう言って、二人は去って行った。ライアは食材を見て、改めて明日開かれるクッキングバーサスに向けて、支度をしようという意欲がわいた。




 翌日、オーシムボの町の中央でクッキングバーサスが開かれていた。参加者の前には簡易的ながらも、本格なキッチンがあり、その上には事前に用意した食材がずらりと並べられていた。ライアはオオツノウシの肉やスーパーで買った新鮮な野菜の支度をしながら、周りの参加者の様子を見ていた。


「うわー、どれもこれも立派な食材なこと」


 他の参加者も、オオツノウシの肉と同じくらい貴重な食材を用意してきたのだ。ライアが驚いている中、司会者の声が響いた。


「皆さん! お待たせしました! 全国の名のある料理人や、己の腕を試すべくやって来た名の無き料理人など、様々な料理人が集まりました。今から行われるのは、料理対決。そう、この中で誰が一番美味な料理を作るか競うイベントです! ただそれだけ、いたって単純! 多数いる料理人の中で、勝者はただ一人! 勝利とゴクラクバードの卵をかけたこのクッキングバーサスの幕が! 今! すぐに! 開こうとしています!」


「長い話だなー」


 長すぎる司会者の挨拶を聞き流しながら、ライアは欠伸をしていた。関係者席にいるカイトたちも、挨拶に飽きたのか欠伸をしたり、寝ていたりしていた。


「いつになったら始まるのやら……」


「本当にそうだね」


 と、ケアノスとカイトは会話をしていたが、カイトの横にいるセアンが昨日の掃除の疲れが残っているのか、カイトの肩に寄りかかって爆睡していた。


「セアン、ちょっと……バランスが……」


「ぐへへへへへ……カイト~」


 セアンはいやらしい声と笑顔を見せながら、寝言を発していた。それを見たコスタは、呆れてこう言った。


「一体どんな夢を見ているのよ……」


「さぁ! 始まります! クッキングバーサス! 参加者は私の合図で料理を始めてください!」


 司会者の言葉を聞き、カイトたちはライアの方を向いた。ライアはカイトたちが一斉にこっちを見たことを察し、笑顔を返した。


「クッキングバーサス……レディ……ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」


 司会者の合図とともに、料理人たちは調理を始めた。ライアはすぐにステーキの調理に取り掛かり、コショウや塩、隠し味の用意を始めた。支度をする中、他の料理人がどんな料理を作っているか確認した。


「料理は焼きが基本! 何でもかんでも焼いたら食えるのじゃ!」


 と、叫びながらフライパンの中のご飯や卵、チャーシュー、玉ねぎなどの食材を炒めているのは焼き料理を作らせば一人前、それ以外は微妙かそれ以下と呼ばれている料理人、ホット・コウチャ。その横には、不気味な笑い声で包丁を研いでいる女料理人がいた。


「ウフフフフフフフフ……待っていてね、今からこの鋭い包丁で……あなたを料理してあげるからね……ゆっくりと愛情をかけて……ねっぷりと、たっぷりと……」


 恐ろしいことを言っているのは、若干病んでいる女料理人、ナイスボウト・スクイズ。その姿を見た参加者の一部が、話を始めた。


「ナイスボウトがいるぞ……浮気性の彼を捕まえて拷問したって噂があるが……」


「いや……俺は浮気性の彼と相手の女を殺して今現在逃走中って噂を聞いたが」


「それが本当だったらここに来ねーよ」


 その話を聞き、ライアはアホかと思った。それ以外にも、個性が強すぎる料理人がたくさんいるため、ライアは絶対に勝ってやると改めて思った。


 人生で船に乗ったのは一度だけです。乗ったのは、修学旅行で沖縄に行ったとき。だけど、その時に乗ったのはマンガやアニメ、海賊映画で見るような船じゃなかった。まぁ、技術が進んだ今の船と昔の船じゃあいろいろと違うよね。


 この話が面白いと思ったら、高評価、いいね、ブクマ、感想質問、レビューをお願いします。ツイッターなどでも宣伝していると思うので、見てください!

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