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カイト&セアンVSヴロミコ その2


 ヴロミコとの戦いはすぐに終わらないだろうとカイトは思った。セアンと共に本気を出してヴロミコに接近し、攻撃を仕掛けた。カイトは刀を振るって、セアンは飛び上がってヴロミコに発砲した。


「斬撃と銃撃、同時の攻撃か。しかーし! そんな攻撃は通用しない!」


 ヴロミコは魔力を開放し、ブレイドアーマーを光らせた。光を浴びたカイトは吹き飛び、セアンが放った弾丸は弾かれた。


「グッ! かっこいいって思っていたけど、厄介な鎧だな」


「攻撃も防御もできる。奴の動きも鈍っていない。万能な装備だね。こっちが欲しいくらい」


 カイトとセアンが話をする中、ヴロミコが二人に向かって走ってきた。


「今度はこっちから行くぞ!」


 ヴロミコはカイトに向かって右手の裏拳で攻撃し、後ろの柱に叩きつけた。それからセアンに向かって回し蹴りを放って攻撃した。


「ウアッ!」


「ふふふ……流石のピラータ姉妹も俺の本気には耐えられまいか」


 攻撃を受けた際、後ろの柱に背中をぶつけたセアンはその場に座って、痛みが消えるのを待っていた。しかし、ヴロミコはそれを待つことはしなかった。


「まずは、お前から始末してやる!」


「そうはさせるかよ!」


 声を上げながらカイトはヴロミコの背中から刀を突き刺そうとした。だが、刀はブレイドアーマーを貫くことはできなかった。


「やっぱり、防御はあるのか」


「当然だ! 鎧だからな!」


 ヴロミコは後ろにいるカイトを蹴り飛ばし、セアンにとどめを刺そうとしたが、セアンの姿は消えていた。


「なっ! いつの間に!」


「カイトが少しだけ時間を稼いでくれたからね!」


 セアンは柱の陰に隠れ、ヴロミコに向かって発砲した。ヴロミコは飛んでくる弾丸に対し、ブレイドアーマーを使って跳ね返したが、セアンが放った弾丸の中には、魔力で作った弾丸があり、セアンが動かしてヴロミコの右腕の関節を狙った。


「しまった!」


 弾丸の動きを見たヴロミコは焦り、急いで魔力の弾丸をかき消した。それを見たセアンはにやりと笑い、カイトに向かって叫んだ。


「カイト! 鎧の関節部分を狙って! ブレイドアーマーの弱点は関節部分だよ!」


「オッケー! ありがとうセアン!」


 カイトはセアンにこう言うと、ヴロミコの周りに大量の氷の道を作った。それを見たヴロミコは歯ぎしりしながら叫んだ。


「こんな氷、俺の手刀で壊してやる!」


 ヴロミコは手刀で氷の道を破壊し始めたが、すでにカイトとセアンは行動を始めていた。滑って動くため、二人の速度は普通に走るより早かった。そのため、ヴロミコは二人の動きを見切ることはできなかった。


「このまま攻撃してやる!」


「覚悟してね!」


 素早く動く二人はヴロミコに攻撃を続けていたが、攻撃を受け続けたヴロミコは魔力を開放し、攻撃しようとした二人を吹き飛ばした。吹き飛んだ二人は態勢を整え、別の道を使って行動を再開した。


「面倒な手を使う……む? そうか」


 あることを考えたヴロミコは、自分も氷の道を使い、移動を始めた。それを見たカイトはまずいと思い、セアンの方を向いた。


「あいつが氷の道を使いやがった! すぐに道を消す!」


「うん! お願い!」


 セアンはそう言うと、高く飛び上がった。カイトも飛び上がって氷の道を消し、ヴロミコを下に落とそうとした。だが、ヴロミコは上手く着地をし、カイトに向かって右手を向けた。


「ふざけた真似をしやがって! 受けろ、フルスロットルレイ!」


 ヴロミコが叫んだ後、右手から光が発し、ドリルのようにうねりながらカイトに向かって飛んで行った。カイトは魔力のバリアを張って防御したが、フルスロットルレイはカイトのバリアを破壊し、カイトの体を貫いた。


「うわああああああ!」


「カイト!」


 セアンはダメージを受けて悲鳴を上げるカイトに接近しようとしたが、ヴロミコがセアンに接近した。


「愛しの彼に近付くつもりか? そんなことはさせないぜ」


「どけよ、ブサイク面!」


 セアンはカトラスを振るってヴロミコに攻撃したが、ブレイドアーマーに傷はつかなかった。


「チッ!」


「まだまだ青いなぁ。そんな力で俺を倒そうと思うなよ、三流が!」


 ヴロミコは左の拳でセアンを殴り、遠くへ殴り飛ばした。飛ばされたセアンは柱に激突し、その場で気を失った。


「フン! やっと倒れたか。さーて、次は小僧だな」


 セアンが倒れたと察し、ヴロミコはダメージを受けたカイトに近付いた。しかし、カイトは受けた傷を治し、刀を構えて立ち上がった。


「ほう。その傷を受けてまだ立ち上がるか」


「当たり前だ。こんな傷を受けて倒れていられるか」


 ヴロミコの言葉にこう返し、カイトは口の中の血を吐いた。ヴロミコは格闘技のような構えをし、カイトに向かって行った。


「粋がるのもこれくらいにしろよ、小僧! この一撃であの世へ送ってやる!」


 そう言って、ヴロミコは魔力を開放して右の拳でカイトに殴りかかった。だが、カイトはヴロミコの動きを見て、動きに合わせて刀を振るった。


「何!」


 素早く動く刀を見て、ヴロミコは拳を引こうとした。しかし、勢いを付けて放った拳は簡単に引くことはできなかった。その結果、カイトの刀はヴロミコの右手を一閃した。


「ガハァッ! 痛い……まさか」


 痛みを感じたヴロミコは、急いで右手を見た。頑丈なブレイドアーマーを身に着けたが、それでも傷を受けてしまった。そのことを察したヴロミコはセアンよりもカイトが厄介かもしれないと思った。


「俺に一撃を与えるとは。まず、お前から殺してやる」


 ヴロミコの殺気が自分に向いたことに気付いたカイトだったが、さっきの攻撃を放った際に傷が広がってしまった。そのせいで、カイトは少しふらついていた。


 まずい。頭がボーっとする。


 ヴロミコが迫っているのに、頭が動かない。まずい。やられるとカイトは思った。だがその時、後ろから弾丸が飛んで来た。その弾丸を受けたヴロミコは反動で後ろに吹き飛んだ。


「え……」


「セアン! カイト! 援護に来たわよ!」


 後ろからケアノスの声が聞こえた。ケアノスの姿を見たカイトは、苦しい中でも笑顔を見せた。




 援護に駆け付けたケアノスはふらついているカイトに近付き、様子を見た。


「酷い傷。カイト、私の声が聞こえる?」


「な……なん……とか……」


 返事はできるが、カイトは大きなダメージを受けていることをケアノスは理解し、後ろにいるコスタにこう言った。


「カイトの回復をお願い。多分、前で倒れているセアンも気を失っていると思う」


「分かった。気を付けてケアノス。カイトとセアンが倒れているから、奴は相当強いと思う」


 コスタの声を聞き、ケアノスはレイピアを手にして前に歩いた。


「チッ、援護が来たか」


 吹き飛んだヴロミコは舌打ちをして立ち上がった。これ以上ピラータ姉妹が来ると状況が不利になると考えたヴロミコは、目的の消しゴムを早く探そうと考えた。しかし、ケアノスが猛スピードでヴロミコに接近した。


「グッ! 最初から飛ばす奴だな」


「よくもセアンとカイトを傷つけたわね。そんな奴を相手にして冷静でいられないわよ」


「確かにそうだ。俺もお前らのせいで多くの仲間を失ったからな!」


 と言って、ヴロミコはケアノスを蹴り飛ばした。宙で回転しながらケアノスは床に着地し、ヴロミコを睨んだ。


「多くの仲間を失った? あんたの仲間は倒された仲間を役立たずと言って殺していたわよ!」


「そんなことは知るか! さて……お喋りはここで終わりにするぞ。援護に来た以上、俺に殺されることを覚悟しろよ!」


 と言って、ヴロミコはケアノスに殴りかかった。だが、ケアノスは高く飛んでヴロミコの拳をかわし、倒れているセアンの元へ着地した。


「仲間を助けるつもりか」


「ええそうよ。世界で一番大事な姉妹ですもの」


 ケアノスはそう返事をし、セアンの治療を始めた。


 気付いている人がいるでしょうが、サブタイがかなりシンプルになりました。続き物であれば、その2みたいに数字が付いています。シンプルにした理由は、サブタイを考えるのが面倒になったからです。ロガンのじーさんとの戦いの時、サブタイを考えるだけで結構時間を使ったので。はい。今日の裏話はここでおしまい。評価、ブクマ、いいね、感想質問、お待ちしています。これからも応援お願いねー!

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