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カイトVSジッダーリス


 カイトの刀を利用し、ジッダーリスは強烈な電撃をカイトに流した。感電したカイトは悲鳴を上げながら刀から手を放し、その場に倒れてしまった。落ちた刀を見て、ジッダーリスは深呼吸をしていた。


「ふぅ。強い相手だと思ったが、俺の予想とは違ったようだな」


 と言って、倒れたカイトに近付いてとどめを刺そうとした。しかし、近付いた瞬間カイトは魔力を開放し、氷の刃を使ってジッダーリスに攻撃を仕掛けた。カイトが突如目を覚まし、動くことをジッダーリスは予測していなかった。動揺したジッダーリスは後ろに下がったが、刃の先端がジッダーリスに命中した。


「グウッ!」


 少量の血を流しつつも、ジッダーリスは立ち上がったカイトを睨んだ。カイトは落ちていた刀を拾い、両手で握った。


「ふぅ、さっきの雷はきつかったぜ。だけど、まだ倒れるわけにはいかない」


「俺の雷を流しても倒れないか。いいぞ、まだ戦いは終わらないようで俺は嬉しいぞ」


 ジッダーリスは血を拭い、構えを取った。カイトは刀を上に上げ、ジッダーリスを睨んだ。


「俺は、睨み合いは苦手だからね……こうやって前に行く方が性に合う!」


 と言って、ジッダーリスはカイトに接近した。カイトはすぐに刀を振り下ろし、攻撃を仕掛けた。だが、ジッダーリスは左手の手の甲を使ってカイトの攻撃を防御し、右手の拳でカイトの腹に攻撃をした。


「グフッ!」


 攻撃を受けたカイトは悲鳴を上げながら後ろに吹き飛んだ。壁や床に激突しながら吹き飛んだため、体中に傷を受けた。


「クソッ、イッテェ!」


 カイトは立ち上がって迫って来るジッダーリスを睨み、刀を振るった。


「また斬撃か」


 ジッダーリスは再び刀による攻撃が来ると予想し、後ろに下がって攻撃をかわそうとした。しかし、カイトは刀の刃の周りに水の魔力を発して凍らせ、刃を長くしていた。


「なっ!」


 この行為を予想できなかったジッダーリスは、氷の刃の攻撃を受けてしまった。切れ味のいい氷がジッダーリスの腕に命中し、深い傷を与えた。


「グウウッ! 予想外の動きだ……」


 攻撃を受けたジッダーリスは、後ろに下がってうつむいていたが、しばらくして大声で笑い始めた。


「フハハハハハハハ! 面白い男だ! ことごとく俺の予想を超える動きをする! それでこそ、戦いがいがあるというものだ!」


「アホみたいなことを言うなよ。こっちはそんな場合じゃないのに!」


 カイトはそう言って刀を振るい、刃に纏っていた氷の刃をジッダーリスに向けて飛ばした。飛んで来た氷の刃を殴って壊し、ジッダーリスは魔力を開放した。


「さて、もう少しギアを上げて戦おう」


 と言って、ジッダーリスは魔力を開放した。その直後に姿を消し、カイトの背後に回った。


「後ろか!」


 カイトはジッダーリスが背後に回ったことを察し、すぐに刀を構えて後ろを振り向きつつ刀を振るった。ジッダーリスはこの攻撃をしゃがんでかわし、カイトのあごにアッパーを入れた。


「グウアアッ!」


「これで終わりじゃないぞ」


 アッパーを受けて隙だらけのカイトに対し、ジッダーリスはカイトの腹を何度も殴った。フィニッシュで強烈なパンチをカイトに与え、再びカイトは後ろに吹き飛んだ。いくつもの壁を破壊しながら吹き飛んだカイトだったが、途中の壁に激突して勢いが落ちた。


「まずい……本気出さないと負けるかな」


 カイトは崩れた壁から抜け出し、迫って来るジッダーリスを睨んだ。


「お前の遊びに付き合っている暇はない! 俺たちは先に進む!」


 そう言って、カイトは魔力を開放した。カイトに接近したジッダーリスはカイトの魔力を感じ、動揺した。


「強い魔力だ。まさか、ここまで強い魔力を持っていたとは」


「次の戦いがあるからとっておいただけだ。お前みたいな奴相手に、使いたくなかったけど!」


 カイトはジッダーリスに接近し、素早く刀を三回振るった。三回の斬撃はジッダーリスに命中し、深い傷を与えた。


「グオッ!」


「悪いが、まだ攻撃は続くぜ」


 と言って、カイトは刀を突きの構えにしてジッダーリスに突き刺した。刺した場所はへその近く。大きなダメージを受けたジッダーリスは吐血した。


「グフッ! 急所を狙ったか……」


「戦いを楽しむ余裕はない」


 カイトは残念そうに呟くジッダーリスに向けてこう言うと、刀を引き抜いてジッダーリスを蹴り倒した。地面に倒れたジッダーリスが動かないことを察すると、カイトは魔力を抑えた。


「ふぅ……やっと倒した」


 カイトはジッダーリスを倒し、荒い呼吸を整えていると、マゾルオを倒したセアンがやって来た。


「カイト、大丈夫? 殴られた跡が多いけど」


「何とか大丈夫。早くライアの元に急ごう」


「だね。それより、下にいるコスタたちは大丈夫かな?」


 セアンはそう言って、下にいるコスタたちのことを考えた。




 最上段にいるヴロミコは、ゴイチ城の歴史の本を読んでいた。そんな中、ホタイは本を読んでくすっと笑っていた。それが気になったサマオはホタイに話しかけた。


「何を読んでいる?」


「強烈! デンジャーババアってギャグマンガだ。子供向けのマンガだが、結構面白いぞ。お前も読むか?」


「時間があればな」


 そんな話をしていると、下から感じるマゾルオやジッダーリスの魔力が急に弱くなったことを感じた。


「あいつらがやられたみたいだ」


「後は誰がいる?」


「ナイパーとソビアークだ。あいつらはもっと下にいるが、魔力は感じる。だけど、やられるのも時間の問題だ」


 二人はそう話をした後、ヴロミコに近付いてこう言った。


「船長、下に行って戦って来ます」


「おう。気を付けろよ」


 ヴロミコは手を振ってこう言った。ホタイとサマオは手を上げて返事をし、階段へ向かった。出ようとする二人を見て、縛られて放置されているロベリーは叫んだ。


「このバカ野郎! お前らはセアンたちにやられてしまえ!」


「はいはい。ここに戻ったら、あいつらの首を見せてやるよ」


 ロベリーに対し、ホタイは欠伸をしながらこう言った。


 二人が去って行った後、ロベリーは相変わらずカイトたちが早く助けに来てくれるように願っていた。しかし、その願いは叶うことはなかった。


「あった! こいつか、こいつのことか!」


 と、ヴロミコの歓喜する声が聞こえた。それからすぐにヴロミコは無理矢理ロベリーを立ち上がらせた。


「おい! 倉庫はどこにある!」


「誰が教えるかバカ!」


 反抗的なロベリーの態度を見て、ヴロミコは苛立ってロベリーの腹を蹴った。蹴り飛ばされたロベリーは後ろに吹き飛び、後ろの壁に激突した。その場に倒れたロベリーに近付き、ヴロミコはロベリーの髪を引き上げてもう一度こう言った。


「倉庫はどこにある? 次に舐めたことを言うとお前の腕を切り落とすぞ!」


「ぐ……最上階……ここのどこかにある……」


「どこか? 場所はどこだ?」


「私も……場所は分からない。分かったとしても……多分、頑丈な扉があるから開かないぞ……」


「チッ、役立たずが!」


 ヴロミコはロベリーを床に叩きつけ、部屋から去って行った。何度も暴行を受けたロベリーは何もできない自身の無力を嘆き、怒り、涙を流し始めた。


「皆ぁ……早く……早く助けに来て……」


 誰もいなくなった部屋の中では、ロベリーの泣き声が空しく響いていた。そんな中、部屋の上に飾ってあった初代国王の肖像画がずれ、バランスを失って床に落ちた。


「何だ、今の音は!」


 肖像画の落下音を聞き、慌てながらヴロミコが部屋に入ってきた。上の肖像画が落ちただけだと理解したヴロミコは安堵の息を吐いていたが、肖像画の後ろに隠し通路があったことを知り、にやりと笑った。


 今回のボス、ヴロミコは前に書いていた作品に出ていた敵キャラみたいにクズ野郎です。そんなクズ野郎の今後はどうなるか? ヴロミコの今後も注目してください。評価、ブクマ、いいね、感想質問お願いします! 応援してねー!

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