オオツノウシを討伐しろ!
カイトたちがオオツノウシと遭遇し、戦いを始めることとなった。カイトは少し不安だったが、セアンとライアはすでに武器を構えていて、オオツノウシに向かって突っ込んでいった。
「おい二人とも! あんなデカブツに突っ込んだらやばいって! あの角が体に突き刺さったら、絶対に死ぬぞ!」
「大丈夫! そんなへまはしないよ! 私たちは単細胞にやられるほど弱くはないわよ!」
「確かにあれはデカブツだけど、闘争心があるだけであんまり頭はよくないから簡単に倒せるよ! おっかないのは見た目だけだよ、見た目だけ!」
と、二人はカイトに答えた。仕方ないと思いつつ、カイトは刀を持って向かってくるオオツノウシを睨んだ。そんな中、セアンはハンドガンを構えていた。
「奴の動きを止めるためには足を攻撃!」
セアンはオオツノウシの足元に目がけ、左手の銃で発砲した。だが、ライアは不機嫌そうにこう言った。
「ちょっとー、あんまり傷つけないでね。イベントの食材で使ってこと、忘れないでよ! 少しでも傷ついたら味が変わるんだから」
「ごめん。じゃーどうすればいいの?」
「魔力をあいつに流し込んで、体内の臓器にダメージを与える! 肉は食用で使えるけど、あいつの臓器類は他の牛型モンスターとは違って食用にできないの! だから、中に魔力を注いで攻撃すれば楽に倒せる!」
「中からダメージを与えるってことね。了解!」
セアンはカイトの横に立ち、オオツノウシに向かって変顔を見せた。突如変顔をしたセアンを見て、カイトはこう言った。
「何やってんだ? そんな顔をして。あの牛とにらめっこでもしてるのか?」
「挑発。あの牛、頭悪いけどバカにしたら怒るかなーって」
「その前に挑発しているって分かるのか? さっき、あの牛頭がよくないって言っていたけど……」
カイトがこう言った直後、オオツノウシは顔を真っ赤にし、大声を開けて叫んだ。それを見て、カイトはバカにされていると理解しているのかと思った。オオツノウシが大きな口を開けたタイミングを見計らい、ライアは二本のナイフに魔力を込めて強く振り下ろし、オオツノウシの口の中に向かって風を放った。飛んでくる風を見て、驚いたオオツノウシは思わずその風を飲み込んでしまった。
「さーて、攻撃の下準備はおしまい! これで終わるかなー?」
ライアは地面に降り立ち、指を鳴らした。それはオオツノウシの体内に入った風を破裂させる合図であり、その直後にオオツノウシの体内に入った風は破裂し、オオツノウシの臓器を傷つけた。この攻撃を察したカイトは、ライアにこう聞いた。
「うまく操らないと、アイツの肉を傷つけるんじゃないのか?」
「大丈夫だよ。心配性だね、カイトって。あいつはでかいでしょ? その分臓器がある箇所まで距離があるから、肉のとこまで風は届かないよ。
ライアの説明の後、オオツノウシの動きが急に止まり、口から血が混じった泡を吐きながら大きく横に動いて倒れた。大きな地響きが発生したためか、カイトはバランスを崩してライアの方に倒れた。
「おわっと!」
「キャア!」
カイトの頭はライアの胸に当たっており、二人がそれを理解するには少しの時間がかかった。すぐに我に戻ったカイトはすぐに離れようとしたのだが、ライアはカイトを抱きしめて放さなかった。
「やっぱり男の子っておっぱいが好きだよね~。カイトってやっぱりドスケベ?」
「いや……これはわざとじゃないけど……恥ずかしいから離れてくれ……つーか抱かくなよ」
「わざとじゃないのは知っているよ~。知っているからこうやってハグしているじゃない~。私のワガママに付き合ってくれたお礼って思ってよ~」
ライアはそう言ったが、セアンが近付いて何をやっていると怒りのオーラを発した。
「ラ~イ~ア~、何をやっているのかな~?」
「このままカイトを誘惑してセアンから寝取ろうと思って……」
「変なことを考えたらぶっ飛ばすわよ~?」
「あはははは、ごめんなさ~い」
と、ライアは笑いながらカイトから離れた。ギャーギャーと騒ぐカイトたちを見て、他の参加者は茫然と立っていた。
「流石ピラータ姉妹海賊団……あのデカブツを倒しやがった。しかも、無傷で」
「あのオオツノウシ、いろんな連中を病院送りにしたのに……」
「俺たちだけで勝てなかったオオツノウシをあっさり倒しやがった」
「しかも料理のために体を傷つけなかった。こりゃーまずいかも」
「今の隙にオオツノウシを奪おうとしても……ダメだな、この考えは。人として、料理人として」
「あれ以上の食材を探さなければ! 負けていられるか! よし、行くぞ!」
しばらく立っていたが、料理人たちは負けてたまるかと思ったためかやる気を出し、すぐに食材を求めて去って行った。そんな料理人を無視し、カイトたちはオーシムボへ戻るための支度をしていた。
大きなオオツノウシを連れて戻って来たカイトたちを見たオーシムボの町の人たちは、大騒ぎとなった。
「あららー、あそこの大ボスをやっつけたのかい」
「こりゃいいステーキができそうだ。楽しみだ!」
「イベントでどんな料理ができるかな?」
「すごく……大きいです」
「おいあんた、どこを見つめてるんだよ」
と、興味を持った町の人たちが現れて、オオツノウシを見に来ていた。ライアは自分が倒したと言わんばかりにどや顔をし、仁王立ちで立っていた。セアンはライアに近付き、こう言った。
「じゃあ約束通り船の修理を手伝ってほしいなー。ライアさーん」
「今から? 今じゃないとダメ? 魔力を使ってちょっと疲れたんだけど」
「そりゃそうだよ。早くしないとケアノスにばれちゃう。ケアノスの説教、かなり長いからさ」
「何がばれちゃうの? セアン?」
後ろからケアノスの低い声が聞こえた。カイトはその声を聞き、ケアノスの怒りが大爆発していると察し、後ろに引いた。
「ケ……ケケケケケケケケケケケアノス? い……一体何の話かなー? 私、分からないなー。何かのショックで忘れちゃったー」
「ごまかすんじゃないわよ。船の掃除をしていたら……びっくりしたわ……寝室がエッチなホテルっぽくなっているわ、所々改造に失敗してガタが起きているわ、道具は出しっぱなしで掃除が大変だったのよ。ラージュやコスタに聞いたら、セアンが寝室を改造したと言っていたわよ」
「改造? はて、何の話やら? さっきも言ったけど、忘れたから何も分からなーい」
「ごまかしても無駄よ。これから掃除の続きをやるから、セアンも今すぐ来て。それと、来月から半年お小遣いなしだから」
「ええ……お小遣いなしは勘弁」
「ええ……じゃないわよ、セアン! 改造するためにどれだけお金を使ったのよ! 無駄遣いは厳禁って言ったじゃない! ただでさえ貧乏航海で苦しいのに、これ以上苦しくさせるつもり! もう、あと何回賞金を稼げばいいか分からないわ……はぁ」
「ごめんなさい! でも、勘弁してください!」
と言ってセアンは逃げようとしたが、ケアノスは風を使ってセアンを引き戻し、そのままセアンを引きずってヴィーナスハンドへ戻って行った。戻って行く二人を見て、カイトはライアと顔を合わせた。
「どうする?」
「私はオオツノウシの処理をしておくから、カイトはヴィーナスハンドに戻ってて」
「あのデカブツを一人で処理をするのか? 大丈夫か?」
「大丈夫だよ。クッキングバーサスの人が手伝ってくれるし。カイトは疲れただろうから先に戻って休んでて」
「分かったけど……休めるかな?」
「だね」
寝室が改造されたとケアノスの言葉を思い出し、カイトは船で休めるのかと思った。
小説や話には、よくその時の作者の好きな物が反映されると聞きます。俺は剣、戦い、肉料理が好きなので、食事シーンと言えば肉が多いし、剣が好きなので主人公はが使う武器は主に剣を使っています。それで、ジャンルも今はやりの異世界恋愛ではなく、バトルが多いです。
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