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一歩の重さ  作者: burazu
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相穴熊

 ウイナビ女子予選決勝で小夜は得意の三間飛車にし、梢子は居飛車で対抗する。


 小夜は梢子の攻めをけん制しつつ玉に手を入れ囲おうとしている。


 梢子もまた下手に攻めると反動が大きいことを感じているので、玉に手を入れる。


 2八まで小夜の玉は移動しており、梢子もとりあえず3二まで移動する。


 ここで小夜は1八香とする。


 これを見た鎌田女帝が解説の一輝に話を振る。


「長谷先生、1八香としましたね」

「これは振り飛車穴熊にしますね。最近の牧野さんはこの駒組にすることも増えましたね」


 小夜にとって公式戦初の穴熊は敗戦に終わったが、その後も穴熊を採用していき、美濃囲いと使い分けているのだ。


「さあ、これを見て佐藤さんが急戦にいくのは難しくなりましたから、どういう駒組で対抗するのか見ものですね」


 とりあえず梢子は3三角とし、角を上げ、玉の囲うスペースを作る。


 小夜は1九玉とし、ここから2八銀とすれば穴熊が完成する。


 梢子は2二玉とし、玉を更に囲う。


 そして小夜は2八銀と蓋をしめ、穴熊とする。


「長谷先生、牧野女流初段は穴熊に入りましたね」

「さあ、これで佐藤さんはどうしますかね」


 梢子は1一玉とし、穴熊を目指す。


「長谷先生、佐藤アマも穴熊にするようですね」

「相穴熊戦ですか、持ち時間が30分ですが、お互いに攻め手が見つからないと秒読みになりますね」


 相穴熊は互いに玉を固めているため、中々攻めの手を作るのが難しくなってくる。


 とりあえず攻めるより先に互いに穴熊に金を寄らせ、更に穴熊を強化していく。


 互いに隙を突きたいとは思ってはいるが、中々決定打が見つからず、手渡しのような手を繰り返している。


 片方のみが穴熊なら少々の無理攻めも通りやすい場合が多いが、双方穴熊だと攻めに失敗した瞬間にカウンターをくらいやすく、駒が少しづつはがされ受け一辺倒になりやがて詰まされてしまう為、慎重だ。


 そんな状況ではあるがついに梢子が動く8六歩と小夜の歩にぶつけていく。


「長谷先生、この手は?」

「ついに佐藤さんから仕掛けますね、これには同歩か同角ですが、同歩として角交換狙いですが、どうなのでしょうか」


 そう言うと同歩、同角となり、さらに同飛車で角交換が成立する。


 ついに梢子が得意の攻めが炸裂するのか?それとも小夜がしのぎ切り、見事勝利を掴むのか?


 いよいよ勝負は中盤のねじり合いになろうとしていた。

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