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一歩の重さ  作者: burazu
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開幕!順位戦

大阪のホテルに泊まった翌朝、一輝はある場所へと向かっていた。関西将棋会館だ。


 そこで一輝はプロ入り後初の順位戦に臨む。


 この順位戦は棋士にとっては今の自身の立ち位置を決めるのに重要な対局であるのと同時に、名人へと続く棋戦でもあるのだ。


 プロ入りしたての一輝はC級2組からのスタートとなり、翌年の3月まで10局行い、その成績で昇級・残留・降級点を決めるのだ。


 昇級が決まればC級1組へと上がり、残留が決まれば来期もC2で指すこととなる。降級点とはB2~C2までに適用される制度であり、一定数の成績下位者に付き、それが3つ溜まるとフリークラスへと降級となる。


 C2、1年目の一輝に降級点がついても即フリークラスというわけではないが、1年目からはつけたくないものである。


 降級点を消す方法も昇級以外ないからなおさらだ。


 そんなことを考えながら関西将棋会館に到着する。


 到着後は対局室に入っていくが、いつもと違い多くの盤が並べられている。


 A級を除く順位戦はクラスごとで同日にすることが多く、C2は人数も多い為、2日に分けられる。


 それでも多く盤が並べられており、一輝にとっては奨励会以来の光景だ。


 一輝は自分が対局する盤を発見し、座布団に座り対局相手を待つ。


 しばらく待っていると対局相手が現れる。


 本日一輝が対局する棋士は斉木力八段といい、福岡住まいだが関西に籍を置いているため、今日の対局場が関西将棋会館になったのである。


 そして格上である斉木が駒箱から駒を取り出し、駒を並べていく。


 順位戦はリーグ戦形式である為、あらかじめ先後が決まっており、一輝の先手だ。


 そして10:00となり、記録係より対局開始の声があがる。


「それでは時間になりましたので長谷四段の先手でお願いします」

「よろしくお願いします」


 一輝にとっての初の順位戦の始まりである。順位戦の持ち時間は1日制の将棋では最長の6時間であるが一輝はすぐに2六歩と飛車先の歩を突き、居飛車宣言をする。


 後手の斉木はすこし間を置くが、比較的早めに3四歩と角道を開ける。


 ほとんど間を置かず一輝は7六歩と角道を開いて角を睨み合わせる。


 斉木は4四歩と突き、角交換を避ける為に今度は角道を閉じる。


 まだ斉木には居飛車、振り飛車どちらの可能性も残っている。


 一輝は様子見の為4八銀と銀を上げる。


 ここで斉木は3二飛車と飛車を振った。三間飛車だ。


 ベテラン棋士斉木との順位戦。一輝はどう戦うのか?そして順位戦初勝利なるか?

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