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一歩の重さ  作者: burazu
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解説デビュー

いよいよここ、都市センターホテルでは間もなく大盤解説会の予定時刻である13:00を迎えようとしている。


 ホテルの会議室を使用しての大盤解説会であり、観覧希望者が続々と集まっていた。


 そして13:00を迎えると室内に女性の声でアナウンスが響き渡る。


「会場にお越しの皆さんにお知らせ致します。間もなく棋将戦第5局の大盤解説会を開始します。この時間の解説は加瀬俊哉五段、聞き手は山西紗綾女流二段です。それでは加瀬五段、山西女流二段よろしくお願いします」


 アナウンスと共に、加瀬五段、山西女流二段が用意された大盤の前に登場する。


 加瀬五段は直近で一輝を竜帝戦で破っている期待の若手の棋士の1人であり、山西紗綾女流二段は聞き手として大盤解説会や、将棋イベントへの出演が多く、配信番組の聞き手担当も多くこなしているのである。


 その山西より来場者に挨拶がされる。


「皆さん、ご来場いただきありがとうございます。この時間の解説は加瀬俊哉五段、聞き手は(わたくし)山西紗綾で進行させていただきます。加瀬五段、よろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」


 大盤解説会が始まり、一輝達も控室で解説会の様子と、実際に対局が行われている盤面を見ながら検討している。


 一輝も他の棋士との検討を意気揚々としており、小夜はその様子を遠くから眺めていた。


 そうしている内に大盤解説会はいったん休憩時間となり、いよいよ一輝の大盤解説会のデビューが近づいていた。


 会場には再度アナウンスが響き渡る。


「お待たせしました。それでは本日のサプライズ解説者の登場です。昨年9月に四段昇段を決めた長谷一輝四段のサプライズ解説をお聞きください。聞き手は牧野女流初段です。それでは長谷四段、牧野女流初段お願いします」


 大盤の前に一輝と小夜が現れ、小夜が挨拶をする。


「皆さん、こんにちは。ここからの解説は長谷一輝四段。聞き手は私、牧野小夜で進行していきます。長谷四段、よろしくお願いします」

「あ、はい、よろしくお願いします」


 一輝の緊張してそうな様子を見て早速小夜はその部分を尋ねる。


「あれ、長谷先生、もしかして緊張なさっていますか?」

「はい、人生初めての解説なもので」

「これから機会が多くなると思いますので慣れてくださいね」


 小夜の話で少し一輝の緊張がほぐれ、それを察した小夜は盤面の方の話を一輝に振る。


「先生は現局面をどのようにご覧になりますか?」

「そうですね……」


 パチっ!


 駒音が鳴り、小夜が大盤の駒を動かす。


「長谷先生、この手は?」

「これはですね……」


 一輝にとっての大盤解説とタイトル戦の勝敗の行方は?

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