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一歩の重さ  作者: burazu
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合致するとき

 鎌田の不調の原因をAI導入によるバランス感覚の狂いがあるのではと一輝は言うと、それに対して天馬が言葉を放つ。


「AIでバランス感覚が狂っている?だけど一輝、今の時代AIを活用しなければトップまで登りつめるのは難しいんだぞ、強くなることはあっても弱くなることがあるのか?」

「落ち着けよ天馬、なにも俺は鎌田さんが弱くなったなんて一言も言ってないぞ」

「だけど不調の原因はAI導入が原因って言ったじゃないか」


 一輝の発言が前言を翻すような発言に感じた天馬はその発言について抗議するが、それに対しても一輝はしっかりと返答をする。


「確かに不調の原因はAI導入といったが、それはなんていうか、あれだよ、成長痛みたいなものっていうか」

「一輝、もう少しちゃんとした例えで話してくれ、分かりづらいだろう」

「うるさいな、AIの話とは少し違うが、棋士の先生達には振り飛車党から居飛車党への転向、もしくはその逆のパターンの経験者がいる事は聞いたことあるよな」

「棋風改造ってやつか、それは聞いたことがあるな」


 将棋のプロ棋士には振り飛車から居飛車への転向、もしくはその逆のパターンが存在し、棋風改造とも言われる。また棋風改造は大まかな戦法の転向以外にも、同じ居飛車内でも主に活用していた戦型を変更することも含まれ、広い意味で使われる。昨今のAI導入によって戦型の変更に取り組む棋士も多くみられるようになってきたのだ。


「いろんな話を聞くと、慣れない形で戦うためか、最初は負けが込んで成績も転向前より落ちているって先生が多かったな」

「まあそうだろうな、だからか奨励会ではそのリスクを避けてプロ入り後に転向する先生が多いよな」

「それで最初は負けが込んでも合致したことで成績が上昇したという話もあるし、鎌田さんほどの人ならきっと……」

「AIに適応し、結果を残せるかもしれないか、だがそのお前の言う成長痛からいつ脱するかが問題なんだぞ」


 成長痛を脱する、それが問題だと一輝に指摘する中、一輝たちの予想通り3筋からの攻防が開始された、果たして勝者は⁉

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