2-3 年下は可愛いと決まっている-1
閲覧ありがとうございます。
今日はこの後続けて投げます。
「―――って感じで、ここの数値はこれをこうして引っ張ってくるんですよ。」
「うーん、なるほど……忘れちゃいそう…」
「また聞いてくれれば教えますって!
オレが教えられることがあるうちはいくらでも頼ってくださいよ。」
ニパーッと効果音がつきそうな笑顔で言うのは、ニコラス・キャンベル・ディレイニー。
さらさらとした銀に近い灰色の髪と紺碧の目をした彼は、王立学園を中等部で卒業し先に王宮入りした、シルヴィアの「年下の先輩」である。
「ありがとうございます、お仕事中すみませんでした。」
「質問するのも仕事だってオレも散々言われましたよ。クライ先輩が捕まらない時は気にせずきいてください。
…それより、オレの方が年下ですし、敬語じゃなくていいっすよ。」
クライヴも基本笑顔だが、ニコラスの方が邪気的なものが薄い気がするのは気のせいなのか。
「でも、ニコルさん先輩ですし。」
「それ言ったら学園ではシルさんの方が先輩だったじゃないですかー。
…あ、じゃあ、オレもタメ語で話すんで!それでいいですか?」
「え」
人懐っこい笑顔で交渉してくるのは絶対にこの面子から何かしらの影響を受けている。
いや、確実に邪気は薄いんだが。
「もしかして嫌でした?」
「いえ、そういう訳じゃ…」
「ペースは人それぞれですから。
オレがしたいなーってことをみんながしたいわけじゃないのは当たり前のことですよ。」
ニコラスが言っているのは至極当然のことだ。
だが、言われて初めて、
シルヴィアがその至極当然を全くできていないことに気づく。
「…そうだね。だけど私、ニコルくんと仲良くなりたいし。
許してくれるなら、お言葉に甘えようかな。」
「よかった、オレだけじゃなくて。
ここではステファン様が許してくれてるから、いいんだよ。」
ひとしきりふたりで笑い合ったところで、ふと視線を上げたニコラスの表情がニヤニヤ笑いにシフトする。
「やだー、ダグさん顔怖いよぉ。オレはさん付けで呼んでるからセーフでしょ。」
「あっ…もしかしてニコルさんって呼ばないとまずい?」
「そいつがいいって言ってるならそのままでいいだろ。
それよりニコル、お前……クライに似てきたな?」
「何のことー?…まぁ、わざとですけどね!!」
言うが早いか立ち上がったニコラスはそのままダッシュで出口に向かう。
「じゃあオレ、この書類出してくるんでー!!」
「あっ、お前―――…やっぱりか!!」
一瞬追う素振りを見せたダグラスだったが、ニコラスが扉を開くのを見て諦めたようだ。
お外ではきちんとしなさい。
第二王子の絶対ルール。
逆に、おウチでのやんちゃはOKということなので、何の諍いか知らないが次にニコラスが扉を開けたら最後だ。