出会いと決意
ここが空か。
空といっても広い大地が広がってるんだな。でも、下の世界とは空気が全然違うな。おいしい。
グルルルゥ
な、なんだこいつ、竜!?
どうすりゃいいんだよ。
絵本で見たのより断然小さいのに。速過ぎる。
避けるのがやっとだ。空に飛び立ったエルフたちは帰ってこねぇじゃねぇか!いいところなんだろ!?帰りたくないほどの楽園じゃねぇのかよ!こんな危なっかしい奴らばっかりなのか?空は!!
そうだね。危なっかしいのばっかりだよ。
誰だ、助けてくれ。頼むよ。
言われなくても助けますよ? 目の前でエルフが襲われてるんですから。
空を愛する者よ、混沌を嫌う者よ、青空に一つ希望の光を与えたまえ。我に風を与え炎を与えそなたに変わり闇を打ち砕くことを我は誓う ゼファブレード
すごい炎・・・。やったのか?てか、こんなんで生きてるわけない・・・。大地にこんなバカでかい穴ができるなんて。
さてさて。エルフさん。どうします?私についてきます?私、エルフを5人殺してますけど。
なんだそれ。エルフを殺した!?なんでだよ!どうして殺したんだてめぇ。答えろよ!おい!
魔族がエルフを食べてるの、知りませんか? 魔王がエルフを恨んでることは?
・・・すこし話をしましょう。
はるか昔、この空には神と天使、悪魔と魔王。皆が共存していました。
ある日、神と悪魔はケンカを始めました。各地の魔王は軍を率いて神々を攻めました。
神は負けました。空は悪魔が占め、やがて魔王は大地を攻めました。
大地にいた神々も全滅し、大地へと悪魔が押し寄せる。
しかし、1人のエルフの少年が魔王を斬った。
そして全世界の魔力はその少年の体を侵食しました。
しばらく空には、そのエルフの少年が1人だったと言い伝えられています。
そして数百年経ち、再び神と天使、悪魔と魔王が共存する、今の姿へと戻りました。
そして今、私は恐れているのです。再び全世界が混沌に覆われることを。
エルフの方は生まれたら空を飛ぶ。それは本能だ。変えられない。そしてエルフは空を目指して度々ここへとやってくる。でも帰ろうとはせずに、皆魔王と戦うと言った。魔族に食べられる前に私は彼らをかくまった。ですが私は守り切れず、すでに5人のエルフが亡くなりました。
じゃあ、なんだよ。俺も食われるってか?ごめんだね。
大地に帰りますか?私はその方法を知っています。帰ったほうが良い。
食われるなんてごめんだ。 俺が魔王を倒す。
おい、お前、名前なんて言うんだ
メフィストフィレス
メフィ、俺に修行をつけてくれ。 どんな奴がケンカ売りに来ても、飲まれる前に飲み込んでやるから。