秋愁と魔王
今日の更新です>< ブクマありがとうございます!!! たまに見ると増えているのが分かり嬉しいです>< 数字の微々たる変動でも反応できるあたりまだ余裕がある状態ですです!
私がそういった変動に反応出来なくなったら、作家としてどうかと思うし、そこまで気が回らなくなったらオワオワリだと思っております!!
これからの皆様を楽しませたいと思います!どうか末永くよろしくお願いいたします!
その後、一同余所余所しい雰囲気の中、体育の時間を終えジャージ姿のまま帰宅出来るとされていた俺は多少の身体の疲れを感じつつも今日は誘われても直帰出来ると踏んでいたが、クラス委員からの話があるとの事で一年四組の大半の生徒が教室へ残されていた。
「またクラスイベントとかやるつもりなのか?」
笠木は、俺の予想に首を横に振る、そして少々暗い表情をさせながら言葉で否定をしてくる。
「私もそういう話は聞いてないし、違うと思うかな?」
「そうなのか、陽キャはイベントが好きだからな。次はバーベキューかとイベント内容まで予想してたのに残念だ」
笠木は俺の発言に意外そうな顔を見せながら、先ほどと反面、表情を明るくさせる。
「木立くんってバーベキューとか好きなんだ、意外かも……」
「嫌いだぞ、イベント内容を予想して遊ぶゲームを一人でやってただけだ、考えてみたらバーベキューは夏か」
「あ、うん……」
さっきまで明るい表情をして距離が近かった笠木との距離が開いたのは気のせいだろうか? 俺が笠木と会話のキャッチボールをある意味一つのイベントだと思っていると教卓の前に立つ男が、教室を騒めかせる。
「聞いてくれ!」
先ほど、六時限目の体育の時間に注目を浴びた生徒。池田は教卓の前に立ち何やらクラスに向けて発信したい事があるらしい。
「放課後に集まってもらった理由だが、この際だからはっきり言っておく、俺達のクラスは体育祭で総合優勝を狙いに行く!」
総合優勝、つまりは一年にして上級生を抑えるという事になるが、正直難しい話である。そもそもクラス委員でもない池田がクラスを半軟禁状態にする権利があるのか? 早く帰りたかった俺は苛立ちを覚えていた。
「そのため、今後体育祭までの間、俺達のクラスでは放課後も練習時間に宛がう事にしようと思う!」
この池田の一言に対して、俺と同じように不満を抱いていた生徒が座りながら異議を申し立てる。
「ちょい待てって、部活とか塾がある生徒いるじゃん、どうすんの?」
「そんなの部活の顧問や塾の先生にそれぞれが事情を説明して時間を割いてもらうだけだろ」
どうやら池田の中での優先度は全ての事柄の方が、塾や部活動よりも高いらしい。どうやったらこんな脳筋ゴリラみたいな人間が育つのだろうか?
親御さんを学校に出向かせて教育論について説明していただきたい。池田の暴論に対して異議を申し立てた生徒も抵抗するように意見を述べる。
「いやいや、それおかしいでしょ。どう考えたって部活や塾の方を優先するに決まってるでしょ」
その生徒の意見を皮切りに他の生徒も池田の意見に反論を言う姿や苦言を漏らす生徒の声が増えてくる。
「池田ってあんなタイプだったの?」
俺は二国の争いを他所に笠木に尋ねてみると笠木も池田の意見に賛成とは言えないのか難しい表情で考えるように顎に手を置いていた。
「……勝彦は、普段は静かなんだけどイベント毎とかスポーツの事になるとムキになるところがあるから、私もあまりそういう部分は好きじゃないかも……」
俺は未だに苗字で呼ばれてるのに陽キャグループの男全員が下の名前で呼ばれてる事に心を痛めながら、あの笠木に「好きじゃない」と言わせられる池田って相当アレな奴なのだろう。
「自分の興味の無い事、嫌いな事には我関せずを貫いているのに、自分の好きな事に対しては周囲を巻き込む自己中心的な人間って事だな、実に悪役らしい末路を迎えそうな奴だな」
「わ、私そこまで言ってないのに!」
そこまで言ってない。という事は言葉を選びつつも内心は俺と似たような事を笠木も思っていた節があるのだろう。
「俺の勝手な解釈だ。笠木の意見とは別だから揚げ足を取ったようになって悪い」
「木立くんもやっぱり放課後の練習って嫌なの?」
「放課後の練習どころか体育自体も好きじゃないけど、体育祭まで残る事くらいは構わないな」
本日の笠木ウォッチングは成功だな、笠木の表情がコロコロと変わって飽きない、変わらなくても飽きないけど。今している意外そうな表情もレアリティ自体は高くないが、実に目の保養になる。
「木立くんって意外とこのクラスの事好きだったりする?」
「何とも思わないのが本音だけど、俺にも事情があるからな、体育祭までの期間なら問題はない」
当たり前の話で、体育祭までの練習期間という名目でなら俺が笠木ウォッチング……いやそれどころではない、笠木タッチングまで合法的に行える時間という事だ、拒む理由が無い。
何より、ケバ子と笠木の間でどんな話が行われたのかという大事な部分を聞けていない。
「そっか、私も放課後は習い事とか無いし残ること自体は出来るんだけど、それが出来ない人に対しての強制は違うかなって……」
笠木の言う通り、強制とはいかないまでも半強制なのは事実だしな、言い合いしている奴らも池田が凄みながら距離を詰めると言葉の端切れが悪くなり一人づつ潰されているのが現状だ。
俺は別に構わないが、笠木の悩みは俺の悩みで俺の悩みは笠木の悩みと言っていいだろう。池田の暴論を抜ける術があるのも事実。
いくつかの空席をに目を向ける、空席の一人であるFPS廃人は早々に状況を察して逃げたみたいだけどな、こんな面倒毎に巻き込まれるって分かっているなら声を掛けてほしいものだ。
別に今更ヒーローになれるなんて思っちゃいないし、主人公になれているとも思っちゃいないがRPGの村人だって発言を許されているんだ、俺も一言くらい問題無いだろ。
「質問なんだけど」
教室の隅っこの方にいる村人Aから、教室の中心にいる魔王に会心の一撃を喰らわせてやろうじゃないか。
最後まで見ていただきありがとうございました!!! んあ!




