秋愁の白線を越える
週の半分を経過したわけです('ω')
暦通りの休日ならば4日中の2日経過、残り2日で土曜日がやってきますです><
そして活動報告で記載させていただきました通り、その日辺りまでに私も応募期限、作家風言うならば締め切りが待っております。
書籍化した場合には、更にシビアなスケジュールでの活動を求められる訳です。そして平日の夜にガリガリとライフを削りながらも涎を垂らしながらパソコンのタイピングをしている私は、恐らくシビアなスケジュールに対応出来る人種というよりも、人より体力が有り余っているのでしょう。
そこら辺が唯一持っている強さなのではないかと思いながらの新話更新になります>< よろおねです!
「よし! じゃあ各種目毎に集まって、それぞれ練習する事、散れ!」
散れ! という言い方はどうなのか? と思う。どうして体育教師という存在はこうも例外に漏れず大雑把なのだろうか? がさつとも言う。
夏は完全に過ぎ去って季節はまごう事無き秋。
体育教師の話は半分程度で俺は校庭で秋の空を堪能していた、夏の空と何が違うのかと言われたならば、雰囲気としか答えようがないけれど、纏う空気感が秋だと告げている。
体育祭に向けて体育の時間は練習時間に割り当てられている事から、生徒の考え方や出る種目によっては、実質自習であり、言い方を変えればサボれる時間である。
俺にとっても体育の時間は、日々ラノベや深夜のアニメ鑑賞で酷使している身体を休める時間にしようと考えていた。
藤木田は自身が選んだ玉入れと騎馬戦という何やら疲れそうな種目の練習へと励んでいた。黒川は鼻からやる気が無いのか俺と同じ考えで徒競走へ滑り込んでいた。
校庭の隅の方まで怠そうな足取りで移動して座り込み、意味も無く秋空を眺める。
「一人だと暇でやる事がねーな」
こう、片膝を立てながら綺麗とは言い難い大地に腰掛け、蒼天井を見て一人つぶやく。
何やらカッコイイのではないか?
……いや待て、俺はなんと言った? 一人でいるのが好きで、孤高とも自称していた俺が一人を暇と感じている?
これも変化なのだろうか? 自問自答を続けていると……。
「一人でいるのもいいけど暇に感じる時ってあるよね?」
「んお!?」
不意に声を掛けられて気持ち悪い声と反応をしてしまう。声の主は立ちながらも俺の方へ顔を近づけるように屈んでいた。
「木立くんのそういう反応見るの久々かも」
「最近気持ち悪さが足りなくて悪いな」
咄嗟に自虐ネタを披露するが、独り言を聞かれていたという事実が恥ずかしい。
「そ、それじゃあ練習しよっか?」
あっ……渾身の自虐ネタをスルーするんですね、藤木田先生直伝の陽キャ辞典から引用するなら絡みづらくてすいません。
「練習……?」
「うん、二人三脚の練習しないと本番で転んじゃったりするし」
この言い方だと笠木は二人三脚に出た経験があるのだろうか? しかし笠木が言うならばやろう。聞かなければならない事もあるし丁度いい。
そして俺は笠木が手に持っている白い紐を見て、想像力の欠如に気付く。
「その紐付けなきゃダメか?」
「え? 二人三脚だよ?」
どうやらダメみたいだ、紐を結ぶという事は俺は笠木と密着することになる。教室で笠木の手を咄嗟に握ってしまった事と先日の図書室での距離感を思い出し躊躇してしまう。
正直迷う理由なんてない、ラブコメの王道展開だ。
しかし、いざ自身にスポットライトが当てられると怯んでしまう。
「もしかして……私じゃやっぱり嫌だったかな?」
困ったように目線を逸らしながら笠木は俺のハッキリとしない態度に自身の無い返答を行ってきた。
「図書室で言ったように嫌じゃない、恥ずかしさがあるだけだ。もちろん俺が陰キャだからという理由だけどな」
「そういうところは変わらないんだね、少し安心したかも」
そういうところかは……か。客観的に見ても俺もどこか変化を遂げているらしい。どの部分かは言及する必要が無いし耐えがたい部分なら笠木は言葉で示してくるはずだ。
「んじゃ練習するか、本番で恥かくのだけは俺も避けたい。どこで練習するんだ?」
俺は重い腰を上げて、体育の時間を全うに過ごそうと周りを見渡すが、統率が取れていないのか二人三脚の参加者に関しては好き勝手練習しているようであった。
「団体競技では無いし、ここでもいいかな?」
「分かった、人混みとか嫌いだし、強めにいえばある意味人間嫌いな俺には丁度いい」
「でも綾香と人混みに消えていったけどね」
そうやって夏祭り以降、不意に俺を刺すのを止めてもらいたい。
「あれは……そのですね」
笠木は俺の反応を楽しみたかっただけなのか、クスクスと笑いだす。俺としちゃ強いブラックジョークに感じて笑えないのだが。
「ごめんね、意地悪だったかな?」
「いや、新鮮でいいけど狂メンタルを自称する俺にも人の心がある事を考慮していただきたい」
「木立くんだからいいかなって! それじゃあ早速結んじゃおっか?」
え? それどういう意味? 俺みたいな陰キャには配慮をしなくていいって事だろうか? 陽キャ風に言うとマジ凹む。
笠木は、俺に身体を密着させ紐で足首を固定するように結び始めた。今回は身構えていたから驚きはしなかったが、密着しているだけで温かいのか、相手が笠木だから温かいのかは俺には分からなかった。
「きつくない?」
「多少きつく感じるが、このくらいの方が固定する目的としては正しい加減だと思う」
「もし動いてみて痛かったら言ってね?」
笠木も変化を遂げたのは間違いないが、こういう気配りという配慮の部分に関しては変わらないのだ。
だからこそ、笠木と言う存在は俺の中で色褪せないどころか彩を増していくばかりなのだ。
「それじゃ肩に手を回して……木立くんも私の方に重ねて手をこうして」
何も分からない俺は笠木に導かれるように左手を笠木の左肩を乗せる。足を結んでいた時よりも直に温かさが伝わる、笠木も同じ感覚なのだろうか?
「それじゃあ、掛け声のイチで左足を前に出してニで右足を前にだしてね、最初だしゆっくりで大丈夫だからね?」
「掛け声とかもあるのか、分かった。それじゃ頼む」
そして、この温もりをどこまで感じられるのだろうか? その先を知りたいと思う俺は身の丈に合わない願望を抱く強欲な罪人なのだろうか?
「イチ!」
笠木から放たれた声に合わせて、結ばれた足は一歩目をぎこちないながらも、しっかりと地面を踏み込むのだった。
最後まで見ていただきありがとうございます!明日もお楽しみにしていただけると嬉しい限りでございます><><




