変夏と監視者
お話の続きです>< 夏休みのニコニコプール編は次で最後です><
次はドキドキ夏休みのキモオタ編になります!
主人公のように意気込んでみたはいいが、情報量が少なすぎる。また昼過ぎで人数の増えてきたプールから視線の犯人を捜すのは実質無理だろう。
プールサイドで俺は佇みながら考えていると朝同様に顔に水が跳んでくる。
「アンタ、今日考え事多いよ、何かあったん?」
「元々陰キャは人より考え事をする時間が多いのがデフォだ、教室にいきなりテロリストが窓から侵入してくる妄想をしたり、今ならこのプールに突如として人食いサメが出現して俺がワンパンで倒す妄想をしているところだ」
「アンタ授業中もそんなん考えてんのね、授業くらい真面目に受けなよ……」
勉強してなさそうな外見のケバ子に言われてしまうなんて、ちょっとショックだ。
だが、これ以上追及はしてこなさそうな雰囲気だ、無理に巻き込みたくは無いしな。
「んじゃアタシ、ウォータースライダー行くんだけどアンタは?」
遠回しについてくるなって言われてない? いや行かないけどさ……。
「遠慮する、さっきの事を考えると動悸が激しくなる、間違いなくアレルギーだな」
「やっぱ苦手だったんじゃん、まぁアタシもこれラストだし、撮っといてよ」
そう言ってケバ子は首からぶら下げていたスマホを俺に投げて渡してくる。
というか、人にスマホ渡すことに抵抗無いのがスゲェよ、俺は嫌だね。
理由は、思春期と画像フォルダのコンボだ。
「防水とはいえ、焦るからちゃんと渡しに来いよ」
「ビビると思って投げたに決まってるじゃん! 操作くらい分かるっしょ?」
「あぁ、写真撮りゃいいのか?」
「ムービー! スライダーの出口の正面に立って、アタシがバーンって出てくるの撮ってくれてればいいから」
「あぁ」
俺の返事を聞くとケバ子は地獄の階段で嬉しそうに並んでいた、時折俺の方を向いては手を振っているが、周りの視線も増えるし、なにやら恥ずかしいから止めてもらいたい、慣れてないんだよ……。
俺の父親は言っていた。
指示を待っているだけじゃ社会人としては三流だと、自分で考えて行動出来てからが、ようやく二流であると。
社会人になる気なんぞ無いし、指示もされていないが、俺に手を振るケバ子の写真を勝手にスマホに収めておくことにした、さっきの仕返しという事で相殺されてくれ。
そして、この間で一つ気付いた事がある。俺の稚拙な考えなので外れてほしい要素ではあるが、ケバ子がウォータースライダーを滑り切らなければ確定付けられない。
ウォータースライダーの出口で俺は色んな客が出てくるの横目にプール全体を見渡すと違和感の二つ目を見つけたが、俺の考えが当たっているなら視線どころの問題では無い。
俺の考えがまとまり切らない中、ようやくケバ子の順番が回ってきていたようだった。
俺はケバ子の要望通りスライダーの出口でスマホを構えて待機していると、ケバ子が勢いよく水に乗って飛び出してくる。
「おぁっ!」
距離が近すぎたのかスマホを構えていた俺に身体毎突っ込んできたらしい。
「どぉ? ビックリしたっしょ?」
ドヤ顔を向けるケバ子の表情は本当に楽しそうで、正直プールに来る前は乗り気じゃなかった俺も少しだけ楽しさを感じている事は誤魔化しようのない事実であった。
「そりゃ驚きもする、まさか突っ込んでくるなんて予想してない」
「いやいや、あんだけ近いのはアンタのせいだし、まぁムービーもいい感じになったっしょ?」
ケバ子の言う、いい感じの意味は分からないが、本人が満足しているならそれでいいのだろう。
満足気なケバ子を他所に、外れて欲しかった要素は俺の中で確定付けられた。
「田中、悪いんだけどちょっと休憩しててくれ、あのパラソル辺りにいてくれると助かる」
「は? どういう事? さっきまで休憩してたじゃん」
「後から事情は説明する、言葉足らずで悪いが急ぎなもんでな」
「よく分かんないけど、アンタ今日一番イイ顔してんじゃん、いいよ待っとく」
ケバ子の言う、イイ顔が俺にはよく分からないが今から俺のやろうとしている事は悪い事ではないだろう。
最後まで見ていただきありがとうございました!;w;
明日も更新ありまぁす!;w;




