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変夏における陰キャは主人公しがち

今日もゆったりと更新になります>、<

お忙しい中、みていただきありがとうございます!

 ケバ子と笠木の勘違いの話が頭から離れないが、一旦その話は置いておくしかない。今俺が考えるべき事は、全て一つに繋がる事にはなるが、小分けするといくつかある。


 一つは、俺が感じる視線が本物かどうか? これに限っては俺の勘違いという可能性も否めないが確証を得る事は難しい。

 次は、仮に勘違いじゃないと想定した場合、俺を監視する理由が不明だ。俺は他人に恨みを買うような生き方をしてきたわけでもないし、そもそもの交友関係が多くないから必然的に恨まれる覚えが無い。

 三つ目は、誰が監視しているか? 俺は先ほどの藤木田からのメッセージを受け取るまでは暇人の奴らが俺を尾行してきたと思っていたがそれは誤った認識だった。


 しかし、現時点で確定付けられる情報が少なすぎる。とりあえずの目標は関係の無いケバ子をこの問題に巻き込まない事。

 別に解決はしなくていい、無事に終わらせる事さえ出来れば当面の問題は無い。

 ただ、警戒だけは怠らないようにする、それだけだ。


俺は既にほとんど乾いてしまった髪を触りながら、更衣室を出てケバ子と合流した。


「ここさーレストランは宿泊客しか使えないみたいなんだよね~」

「んじゃ、何処で食うんだ?」


 この展開はディスプレイ越しに見た事がある。俺のライフワークであるラブコメで間違いない。

 ラブコメなら間違いなくヒロインが作ってきたお弁当を広々としたスペースに座りながら仲良く食べて好感度を上げるイベントであるはずだ。

 しかし、数々の青春ジェットコースターに振り落とされた俺には後ろが透けて見える、そんなイベントは間違いなく存在しない。

 ケバ子はバカでかい財布しか手に持っていないのだ、ここでお弁当なんか出てきてみろ、どこのタヌキ型ロボットだよ。


 俺が頭で陰キャ特有の考察ごっこを楽しんでいる中、ケバ子は館内案内図を調べていた。


「ココで食べるならカフェスペースしかないみたいね、外に出るとしても立地悪すぎだし時間かかり過ぎっしょ」

「なら、カフェスペースでいいだろ、大量に食べる事も無いし丁度いい」

「はいよ、んじゃいくよ」


 そう言いながらケバ子はいつも通りに先導して歩き始める。正直行き先を決めて動いてくれるから有難い、俺が楽を出来るからな。


「そういや、アンタはアレ行かないの?」

「アレってなんだよ?」

「アタシらのクラスのイベント、前のボーリングみたいな感じ」


 それ以前に誘われてないんだよなぁ。

 誘われたと勘違いしたのが今日のプールにすり替わっていた状況で藤木田と黒川からも誘われてない。

 悲しいから言わないけど……。


「行かん、人数が多いと嘔吐する病気だからな、多人数アレルギーだ」

「はいはい、んで夏休み何してたの?」

「ほとんど家にいたぞ」


 分かっていたが、ケバ子は案の定信じられない生き物を見たような顔をしている。普通の学生にとっては夏休みとか休む暇も無く遊ぶために存在しているからな、仕方ない。

 だが、夏休みは他の生徒に勉学で差を付ける大事な期間だと、半分タレント化した塾講師が言っていたからな、遊ぶなんて本来間違っているのだ、勉強する気もないけど。


「そういう田中は何してたんだよ?」

「ん? アタシは結構フルでバイト入れてた、セールとかもあるしインセンティブも入るし」


 俺は心の中でケバ子に土下座をする、遊んでるなんて思っていてスマン。

 社畜になる気は毛頭無いが、働いている人間を蔑むなんて事はしたくないからな。


「ほぉ、田中は見た目よりシッカリしてるな」

「どーも、アンタは見た目は真面目そうには見えるんだけどねぇ……話すと残念な部分が露見するから悪い意味で意外だわ」


 息を吐くように俺をディスるのは止めてもらいたい。俺だって真面目に深夜アニメの考察したりしている、心外だ。


「期待値が低いに越したことは無い、大抵の事を許される免罪符になるからな。社会にでたら簡単にはクビにならない自信がある、社会に出る気はないけどな」

「口はよく回るのに陰キャっぽい性格がマイナスの要素マジでデカすぎっしょ」


 俺とケバ子は歩きながら喋っていると、ケバ子がプールでも肌身離さず首からぶら下げているスマホが気になった。


「田中はそれ防水なのか?」


 そういえば、ケバ子はプールでも肌身離さずにスマホを首からストラップでぶら下げていた。


「まぁね、イ〇スタとかに写真上げたりするし必須アイテムっしょ?」


 そう言いながら、ケバ子はスマホを手にもってプラプラ振ってアピールしてくる。


「プールなんかで何を取るんだよ……」

「えー、ウォータースライダーの時とかムービー撮ったりしてたけど、普通っしょ?」


 その感覚が分からないが、陽キャでは常識なのだろうか? 帰ったら藤木田先生に聞いてみよう。

 そんな他愛の無い会話をしながら俺とケバ子はカフェで手軽に昼食を取り、再度プールへと向かう。


 そしてプールへ移動して俺は一つだけ確定付けられる事があった。俺を見ている視線はプールの中でしか感じられないのだ。

 カフェ、更衣室では一切視線を感じられなかった。

 たったそれだけの事だが、大事な要素ではある事は間違いがない。

 

 再度、言わせてもらう。俺は被害が無ければ犯人などどうでもいいのだ。

 しかしだ、俺が被害に遭う可能性があるとするならば……その時は徹底的に俺はそのリスクを潰してやろうではないか。

最後まで見ていただきありがとうございました!


様々な変化が多く忙しい四月でありながらもお時間をいただき本当に感謝してます><


ありがとうございました!

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