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秋愁と歪な関係

今日の更新んです!!!よろしゃすしゃす!

「木立氏、随分浮かない顔をしておりますな……どうされましたかな?」

「いつもより更に顔色が悪いな」


 藤木田の心配はともかく、何? 俺っていつも顔色悪いみたいな言い方止めてもらえる? 悪いのは顔色じゃなくて顔だけだからね?

 しかし、言葉にして返す気力も無く、午前中の笠木との会話が俺の中で尾を引いている状態となっていた。


「また笠木女史絡みの悩みですかな?」

「やっぱりお前エスパーだろ?」


 藤木田はヤレヤレと言ったように溜息を吐く、黒川は何も言わないが藤木田の問いかけに二度頷いて同意を示していた。


「某がエスパーかどうかは置いておきまして木立氏の悩みなんてアニメやラノベの展開か笠木女史に決まってますぞ」

「俺の悩みの九割はFPSだ」


 え? エスパーの可能性あるの? いいの、ここ現実だよ?

 そしてアニメやラノベを下に見ているわけじゃないが、その二択と笠木というエンジェルをまとめないでほしい。

 黒川の残り一割の悩みはなんだよ……。


「まぁ隠してもしょうがないが当たってる、だがしかし今回に限っては俺が独断で動くわけにはいかない、本人がそれを明確とまではいかないまでも拒絶してる」


 宿泊研修の時も笠木は俺に助けを求めちゃいないが、拒否はしなかったが、今回に限りは俺が探りを入れると役目を全うすると伝えてきた、それはすなわち手助けを無用と拒否されたと同義なのだ。

 そうなると俺はどうにも身動きが取れない、笠木が心変わりしてくれれば話は早いし、どんな手を使ってでもミス北高とかいうイベントを潰す事に注力する。


「木立氏を中心に某達のクラスは変化を遂げておりますからな、笠木女史も変化を遂げる時期が来たと思うしかありませんな」


 藤木田の言い方には気になる部分がある、まるで笠木が変化を遂げていないかのような言い回しのようにも聞こえる、俺から見ると笠木は高校入学前と体育祭付近で変化を遂げているように見えるのだが、笠木とそれほど関わりが薄い藤木田は分からなくても仕方ない。


「ふっ……木立が出来ないというならそれまでだ、俺達が有意義に文化祭期間を過ごせるようにどこのネットカフェに移住するか決める会議をしよう」

「おい待て、どうしてFPS一択の方向に持ってこうとするんだよ、確かにここにいる全員役割は与えられてないが、俺は文化祭に用事があるぞ」


 俺の言葉で時が止まる、藤木田は信じられない物を見たように口を開けて、黒川は口は閉じている物の死んだような目をしている。

 確かに文化祭という陽キャの祭典に興味が無いが、俺だって別に目の敵にしているわけでもない。


「木立氏! それは某達と過ごすという事でございますな? そうですな!?」


 藤木田はどちらかと言うと友情青春物語を描こうとしているだけあって俺達三人での行動に拘る節がある。しかし残念ながら藤木田の夢を斬らせてもらう。


「い、いや、田中とだけど、多分一時間も掛からないくらいだとは思うけど先約みたいなものだし他意は無い」

「木立にその気が無くても、ケバいのはそうとも限らん」


 確かに黒川の言う通り、体育祭の一件で田中は明確に俺に好意を伝えてきてる、それに俺が応えるかは別としても認識に齟齬があるのは間違いないだろう。

 ただ、田中は色々な役目を担っているので、ゆっくり出来る立場でも無いし急展開なんて事はあるまいと踏んでいるが楽観的過ぎなのだろうか? そして、もうそこまでケバくないぞ。


「前にも話しましたが、木立氏がそこまで笠木女史に拘る理由が某には釈然としませんな」

「変わらずに顔だ、何か明確なイベントを経て好きになったとか青春ラブコメみたいなファンタジーは現実にはあり得ないんだよ」

「某にしてみれば木立氏は笠木女史よりも田中女史の方が似合っているとさえ思いますぞ、むしろ……いえ、これは言わなくていいですな」


 何だよ、気になるから言って欲しい。笠木の情報は逃さず知っておきたいんだ。

 しかし、藤木田は前にカフェで会話した時も笠木に良い印象を抱いていなかった気がする、嫌いなのだろうか? しかし藤木田の性格上あまり人を嫌わないようにも思える。


「そこは趣向の違いだろうな、木立は笠木を色眼鏡で見ているから藤木田の目線に立つ事は難しい」


 色眼鏡って……好きな女子を色眼鏡で見るのは普通だろ。しかし黒川も藤木田寄りとも取れる事を言う、二人に見えていて俺に見えていないものがあるのだろうか?

 だが、結局見れないものを見ようとするなんて大それた事は俺には出来ない。五月の呪いは過ぎ去って平穏である事に違いは無いのだ、難なく文化祭を終えればそれでいい。


「それより黒川氏、某と文化祭を回りませぬか? 木立氏はラブコメに忙しいみたいですし二人寂しく回りましょうぞ!」

「ふっ……そうだな、木立抜きで楽しい事をしよう」

「曲解して捉えられそうな言いかたを止めろ、後、そこまで言われると夏休みに俺を省いて楽しんでたのを思い出すからよせよ、行けないけど誘ってくれ」

「木立氏は我儘ですな!」


 何気なく文化祭前の昼休みは過ぎ去っていく、俺の頭の片隅にシコリを残しながらも、その重大さに気付かずに俺は歩み続けるのであった。

最後まで見ていただきありがとうございました!

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