青春のエピローグのプロローグ
どうしてこうなった? ラノベやアニメの主人公にありがちな台詞を、脳内を通して過去の自分に向けて問いかける。
当然の如く、過去の俺からの回答は無い。黙秘権を行使しているわけでもない。
そもそも過去の俺に問いかけても無駄なのだ、何故ならこの状況を作り出したのは他でもない俺自身なのだから。
俺の目の前には二人の女子生徒が座っている。両者ともにタイプは違えど紛れもない美人である。
月と太陽の追いかけっこは終わらない、光と闇は相容れない、天と地は重ならない、そして……。
陰キャと陽キャは交わらない。
陰キャの俺にとっての常識であり、全国共通陰キャ学の必修科目である。
しかしだ、世の理や法則を無視したイベント、不慮の事故とでも形容したらいいのだろうか?
俺は今、その形容しがたい危機に直面している。
どうしてこうなったなんて考えは止めだ、自分の尻尾を追いかける猫くらい無意味な行為だ。
それよりも未来の事を考えようと俺は思う。現実の世界には都合のいいセーブやロード、選択肢なんて二次元の神が持つスキルは存在しないのだから。
――れは……
――俺は……!
俺は、青春ラブコメがしたいだけだったのに!




