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3-2

久しぶりの会話メイン回。そして短い。

「兄上、それはどういうことでですか?」


「ふと、思ったんだよね。そろそろステファンも婚約者を決める頃かなって。」


兄王子は両肘を膝の上にのせててを組みました。


「まぁ、そうですね。」


「んで、今、婚約するとしたらアナベル嬢か、カトレア嬢なんだろう?」


「そうなります。」


「今のところ、どちらも婚約するのに問題はない。だったら、何故、ステファンはさっさと許嫁と婚約しないのかなって。」


「クラルティ公爵とバレーヌ公爵は仲が悪いですから。」


「でも、あれは個人間の問題でしょ?あの二人もそんなに頭悪くはないから、どっちかと結婚しても、そんなにバランスは崩れないでしょ。だったら、手っ取り早く許嫁のアナベル嬢でいいじゃないの。ステファンは彼女のこと、嫌いじゃないでしょ?」


「そうですけど。」


「じゃあ、それでいいじゃん。元から許嫁なら、カトレア嬢より変に噂がたちにくいし。」


「あぁー。正直に言ってもいいですか?」


「何?」


「兄上は私が婚約したらこれ幸いと王位継承権を破棄して、臣籍に下る気でしょう?」


「ありゃ、バレてたか。えっ、じゃあ何?ステファンも王位継承権破棄したいの?」


「そういう訳ではないのですが…。まぁ、棄てられるものなら棄てたいですが。問題は、そうすると、私の婚約者は王族に加わることになるという所なんですよ。そして、兄上がいないから、もう、臣籍には戻れない。」


「その通りだね。」


「クラルティ公爵家には嫡男がいないんです。婿養子をとる必要があるのに、僕が奪うわけにはいきませんから。」


「親戚から養子を取ればいいじゃないか。」


「親戚に丁度良いやつがいないそうです。まぁ、そういうわけで、簡単にアナベルとは婚約出来ません。兄上が王位を継ぐと約束してくださったら、別ですが。」


「わかった。可愛い弟の為だ。検討しておこう。」


「いいんですか?別に、他の令嬢と婚約してもいいんですけど。」


兄王子はクククッと小さく笑いました。


「本当にそれでいいの?」


「はい?」


「知っているように、うちの国は恋愛結婚を増やしたいからね。仲良くないと、長続きしないから。」


「兄上は私に恋愛結婚してほしい、と。」


「そうだね。幸せになって欲しいからね。」


「それではまるで私がアナベルのことが好きだと言っているようですが。」


「違うの?」


「……………。」


「沈黙は肯定だよ?」


「わかりません。」


「じゃあ、じっくり考えておいてね。あんまり焦る必要はないけど、婚期を逃すようなことは駄目だからね?」


「わかっています。」


「よしよし、それでいいから。今度はいつ、公爵家に遊びに行くの?」


「明後日です。」


「気を付けて行ってらっしゃい。」


「はい、そういえば、兄上、本当にそれだけの理由で私の婚約者の話をしたのですか?」


「さぁ、どうだろうねー。」


今日も王宮の夜は更けていきます。

いつも、誤字報告ありがとうございます。

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