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投稿するのは昨日だったはずなのに、遅れてしまいました。すみません。余裕を持った行動が大切ですね。そして私史上、一位二位を争う短さです。ネタにゆとりを持つことが大切ですね。
「そっかー。うふふ、おほほ、あはは。」
アナベルのぶつぶつは笑いに変わりました。
「お嬢様?大丈夫ですの?なんか変なモノ嗅ぎましたか?」
「あっ、シュゼット。これは間違いなく私の物よ。大丈夫だから。」
「そうですか…。」
「ええ、見た目は悪いけど、確かに私の大事なものね。届けてくれてありがとうね。」
「左様ですか。それでは用が済んだようなので、私、下がっていいでしょうか?実はまだ仕事が残っていて、早く戻りたいのですわ!」
「いいわよ、さっさと仕事を片付けなさい。メアリー、送ってあげて。」
「かしこまりました。」
「お嬢様!また来ますわね!!」
「ええ、またね。」
メアリーを連れてシュゼットは足早に去って行きました。
ふーっと長いため息をついて、アナベルは枯れきった花輪を手に取りました。そしてドレッサーの前に座ると、それを自分の頭の上に乗せました。花輪は小さくて、アナベルにつりあっていません。
アナベルは鏡に映った自分を見ると、満足したように、
「思い出した、思い出せた。これでモヤモヤがすっきりした…。」
そう呟きました。長く息を吐いて、アナベルはそっと目を閉じました。
……あれは王宮だったっけ?
アナベルが思い出しているのは、シロツメクサが咲き誇る原っぱ。
……懐かしいわー。
アナベルはゆっくり瞼を上げると、もう一度鏡の自分を見てから花輪を頭の上からおろしました。シュゼットが置いていった鞄にそれをしまいなおすと、ドレッサーの脇にある引き出しにしまいました。
……今度、ステファンが来たら、これを覚えているか聞いてみよう。あー、本当にすっきりした。
アナベルは一人で微笑んでいました。
やがて、シュゼットを送っていたメアリーがアナベルの部屋に戻って来ました。
「お嬢様。」
「どうしたの?アンナ?」
「使用人である私がこんなこと言うのは差し出がましいのですが…。」
「何?」
「…そんなにあの花輪が大切だったのですか?」
「…そんなこと?まぁ気になって当然よね。あれは貴族の令嬢が大事にするような見た目してないもの。」
「いえ、お嬢様に似合わないとかそういうつもりはございません!でも、やっぱり少し意外だったもので。」
「あれはね、思い出よ。」
「思い出ですか?」
「そう、思い出。例え他人にとっては価値がなくても、思い出の物は大切にしてしまうでしょう?だからあれは私の宝物。」
「なるほど、わかりました。」
アンナは自分の主人がなんだかご機嫌であることを感じました。だけど深く探るのは良くないと思ったのでさっさと頭の中を明日の仕事のことに切り替えました。
公爵邸は今日も平和でした。
前回、回想回的なことを言っていたのに、回想が欠片でしか入れられませんでした。すみません。それもこれも直前で脳内のストーリー展開が変わったから。計画性が大切ですね。入れるつもりだった思い出は別のところに入れるつもりです。あくまで予定ですが。