2話〜赤い扉の中で〜
筋骨隆々の男…教官の話は続く。
「いいかァ?まずオメーらは急にここに連れて来られてワケが分かんねェと思う!まずはそれについて説明してやろう!」
確かに、気付いたらここにいて何がなんだか分からない。
「まずここァ何処かって話だが、簡単に言ッちまえば異世界だ!そんで、ここに来たヤツらは基本的に兵士になる!」
兵…士…?
「ちなみにオメーらが感じた重圧、ブッ倒れてた奴らもいたがあれはただの重力でこの世界じゃ普通だ!俺ァそんなに頭良くねーから詳しくは教えらんねェが、オメーらの元いた地球?だっけか?よりこの世界は2倍デケェから重力も2倍なんだとよ!」
…納得は出来ないがとりあえず話をまとめよう。
ここは異世界で、地球よりも大きい世界。
そして兵士ということは戦争なり何かしらの争いが起きている場所へ集められた。
「…ふむ。すみません、教官」
「オウ!トイレなら話が終わってからにしてくれ!」
「いえ、質問してもよろしいでしょうか?」
「積極的だな!いいぞ!最初に名を名乗ってから質問をしろ!」
「ケンと言います。異世界に兵士として集められたという経緯は分かりましたが、集められた対象の条件は何なんでしょう?」
「うむ、飲み込みが早いな!ケン、何故そのような質問を?」
…誤魔化す必要もないか。
「見たところ、同年代かそれ以下の子供たちが集められてます。ですが、一緒にいた弟の姿が見当たらないので…弟は元の世界で無事なんでしょうか?」
「なるほど…答えよう!今回の大規模転移は地球のある一定のエリア内で、16歳以下を対象に行われたものだ!"一緒にいた"というならばこちらへ来ている可能性が高く、こちらへ来ているならまだ無事だろう!他に質問のある者はいるか?」
…まだ無事?どういうことだろう。
しかし、質問を一度切り上げられてしまった。
とりあえず地球にいる可能性もあるし、こちらに来ていてもまだ無事だというなら改めて合流の方法を考えよう。
今のままじゃ情報が少な過ぎて何も出来ない…。