プロローグ〜俺たちが失われた日〜
完全なるプロローグです。
メインストーリーは次話から始まるので「早くメインストーリーが読みたい!」という方はすっ飛ばしてもらっても構いません笑
冒険開始までそれなりにありますが彼らのことを知ってもらうためにも是非お付き合い頂ければ幸いです。
これは誰も信じてくれない、けど俺の…俺たちの真実。
異世界って…信じるか?
時は3年ほど遡る―
AM 6:30
「けんちゃん、パン焼けたよ」
「お、ありがとなジュン」
なんでもない、いつも通りの朝の風景。
父親は夜勤明けで爆睡中、母親は俺たちを起こすといつもの様に先に仕事に出かけた。
朝食はいつも2人だ。
父親は寝るために帰ってくるようなものだし、母親は職場が遠いこともあり早くに出て遅く帰ってくる。
家族揃って食卓を囲むのは日曜日くらいだ。
大抵のことはいつも2人でやっていたし、2人で何でもできると思っていた。
朝食を済ませ、いつもの道を通って学校へ向かう。
「けんちゃん、明日で卒業だね」
「ああ、そうだな」
「明日は3年生は後からくるんでしょ?一緒に登校するのも今日で最後かあ」
「まあな、でも家では一緒だろ?…ところで、もうすぐ高校生になるんだしそろそろ ちゃん はやめてくれよ」
「えー、いくつになってもけんちゃんはけんちゃんだよ。ずっとけんちゃん!」
「ハァ…」
これがあの世界での最後の記憶。
そしてジュンとの最後の会話。
その日、俺たちの"いつも"が壊れた。
いや、違うな…失われた。
さらに言えば俺たちから失われたと言うより俺たちが失われた。
次回、異世界に転移した2人を待ち受けるものとは!
ということで彼らの物語の幕開けになります。
どんな世界なのか、何が起こるのか、そもそもなぜ転移したのか?
…なんて現状では推測も出来ないと思いますのでとりあえず次話をお楽しみください!