昔今物語3
(へぇ~僕も食べたいな〜)
味の想像でもしているのだろう、口からヨダレが垂れている。そのままだとちょっとよろしくないので、火の魔法で蒸発させた。「熱っ!!」って聞こえた気がしたけど、垂らしてる方が悪い。
ん?…喋れてるじゃん。話せることも確認できたしまあいいや。一石二鳥だ
「さて、この辺でお話のモノローグが終わったわけだけど、この先も聞くかい?犯人は魔人だったんだけど、そいつが面白いやつでね」
実際面白いやつだった。面白いというか……狂人?それしか表す方法がないな。しいて例えるなら、傍から見ていたいヤツだろうか。巻き込まれるのは2度と勘弁だけど
(ふっふーん、僕も魔人が犯人だって分かってたよ!瞬間移動は魔人しか使えないからね!!)
私が教えた事だけど、ちゃんと覚えてたのか。物覚えのいいやつ
私なんて仲良くなるやつら全員から「そろそろ痴呆症か?」などとからかい半分でよく言われた。というか今も言われる
理由は、会う度にそいつらの名前を忘れるから。どうにも名前を覚えるのは苦手だ
……だからこの子にも名前をつけてなかったりする
そんな話は、脇においておくとしよう。大事だけど今は必要ない
ギュルル
む、お腹が空いてしまったね。私がお腹すいたからご飯食べようか?と訪ねるのもいいけど、子供手前にプライドがなぁ……
「よく覚えてたね、……丁度いい時間だからお昼を食べようか。お腹空いただろ?」
(空いた!!)
うんうん、ウチの子は素直で可愛い子だ
……やっぱ素直にしすぎたかなぁ
そんな事を考えながら、異次元に格納してある食料を取り出し、食べ始めた。やっぱ真っ黒白菜ハンバーグ美味いわ
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いつも通りおかあさんが持ってきたご飯を食べて(今日は何かのお肉だった)話の続きを聞いた。
いつもなら早く寝なさいと言われるのだけれど、その日は特別な日だったのか、早く寝なさいと言われなかった。
僕達の種族には睡眠欲と呼ばれるものがないらしく、よっぽど疲れている時以外は寝ても寝なくても正直変わらない。
だから、この日はおかあさんとずっとお話できると思って、とても嬉しかった。
数日後、おかあさんが僕の前から突然消えるまで、僕の中での最良の日は続いた。
行間を減らしてみました。どちらが読みやすいでしょうか?