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乙女ゲーム転生

モブは観劇したい

作者: ちゃとら

こっそりの追加です。

目に留めて頂き、ありがとうございます。

こんにちは モブです。

と、言ってもただのモブでは、ありません。

なんと!前世持ち、ここが乙女ゲームの世界だとわかっているモブです。

前世持ちなら、何故モブなんかやっているのか?ですって?

それは、私も最初思いましたよ。

ここが「ジュエリーボックス」の世界だと気づいた時は

登場人物も、攻略法もわかっているのですもの。

自分が、ゲームをやっていた前世では、聞いたこともない人物だったとしても

主役に成り代われるって。

それ系のラノベも見てましたし。

悪役令嬢が、愛されヒロインに、とか。

モブなのに、溺愛されましたとか。

えぇ、夢見てたんですよ、それなりに。


でもね、それはとても甘い考えでした。

世の中の世知辛さを思い知ることになったのです。


まず、王宮に侍女として入って、騎士団長・魔術師長ルートに行く場合。

お年頃の貴族子女は、もれなく簡単に侍女になれると思ってたら大間違いでした。

仮にも王族が住んでいる場所です。

選抜された然るべき人物しか、働けないそうです。

そうです、コネが必要らしいのです。

弱小子爵家の我が家には、そんなものありませんでした。

ゲームの舞台に近づくことすら、出来ませんでした。

…諦めるしかありませんでした。


次に、魔法学校です。

これは、私も通えました。

魔力を持つ、貴族の子息・子女なら全員通えますから。

弱小でも、貴族辞典の片隅にひっそりと載ってますから。

ドライヤー代わりにもなれない、そよ風程度の威力の

風魔法のみの適正でしたが、それでも、魔法が使えるのです。

入学の許可が下りました。

そして、今、私はヒロインの居るクラスの隣のクラスに通ってます。

これ、イケる!って最初思いましたね。

間近で攻略対象者の元隣国皇子と、大人の魅力あふれる理事長を見た時には

心躍りました。

どちらかと知り合えれば、素敵なラブストーリーを自分が体験できると。


… … …。

まず、理事長。

入学式の挨拶を遠目でみたのが、最後でした。

思い出しました。

生徒会役員に入らなければ、ルートが開かれないことを。

知り合いにすら、なれないことを。

私、お勉強も、魔法実技も、苦手なことを。


転生チートなんて、ありませんでした。

神様とかにも、会っていません。

チートが無くても前世の記憶を活かして、内政だとか、料理革命だとか

教育革命とかすればいいじゃない と思いました。

でもそれも無理だったのです。


スマホや車、調味料とか、前世にあって、この世界にはないものも、いっぱいありした。

前世では、当たり前にあって、私も普通に使いこなしてました。

でもね、使い方はわかっていても、仕組みなんて知らなかったのです。

原理を知らないと、作れない。

調味料だってそうです。

原材料なんて、読んでない。

「その形であるからこそ、使えてた」

これに尽きます。

ただの一般人には実力でチートは、無理なお話でしたわ。

と、言うことで、理事長ルートにも、入ることが出来ませんでした。


残るは、特別講師の元皇子様。

授業を受けることが出来るので、目に留まる確率は高い!

出会える場所も、誰にでも出入りできる中庭です。

彼なら、前世の攻略記憶でなんとか…。


…結果は、皆さんの方が知っていると思います。

ルチア様、可愛すぎです。

なんですか、あの可愛さ!

彼女も、ゲームにはいないキャラなのに、ヒロインより可愛いってなんですか。

あれですか?よくある、普通系ヒロインとは逆の、美しすぎるライバル系キャラポジションですか?

兎に角、女子からみても、とても可愛くて

そのルチア様をみるジェード様が素敵すぎて。

そして、その二人が作り出す、空間が甘すぎて。

それについていけない、自分はやっぱりモブなんだと、心の底から思いました。

主役は違うなぁと。


だって、あれは、恥ずかしすぎる…。

あの瞬時に出す甘い空気。二人の空間。

教室で、モブとはいえ、生徒が大勢いる中、ラブシーンを演じられるなんて。

もうお互いしか見えないのではないかと思うくらい。

甘い18禁スレスレな大人の空気を醸し出すんですよ。


嬉しそうに抱き込まれる、可愛いルチア様。

愛おしそうに、キスを落としていくジェード様。

ジェード様の流し目が

それを受けて蕩ける様なルチア様の潤んだ瞳が

もうねっ けしからん!もっとやれ!! な状態なのですよ。


そんな二人の間に参戦なんて、出来ない。

ヒロインだって退場しちゃったし。

最初からわかってましたけど、私は、見ている方が性に合っているんだと。

ラノベも読む専門だったし。

ジュエリーボックスもヒロインにそんなに感情移入してなかったし。

むしろモブでいい、観劇していたい。

ハッピーエンドなお話を、ニコニコしながら眺めていたい。


ルチア様とジェード様の恋物語が

ハッピーエンドなままでいるのを、観劇させてくださいね。

モブは応援しています。


…そしていつか、モブな私が主役になれる、恋物語に出会いたいです。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

また、機会があれば、なにか追加できたら良いな。

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