プロローグ 飛行機とか聞いてないです。
「学校に行かなくちゃ…」
そう言って今日で何日目だろうか。
俺の名前は九条隼人。18歳だ。
俺と同じ年齢の人は今頃受験勉強に勤しんでいるに違いない。
ただし、俺にそんなものは必要ない…何故かって?
一生親の脛を齧り続けて生きていくからな!
はいそこクズって言わない。
俺だって小学校の頃は勉強も運動もそこそこできて、いわゆる模範少年っていう奴だった。しかし中学校に入ってからは成績も徐々に落ちていった。地元にある適当な高校に進学していった。高校生活はまあまあのものだったがだんだんめんどうくさくなっていて気がつけば引きこもりになっていた。
そんな感じで俺は朝の11時に起きて夜遅くまで(二徹、三徹などザラにある。)ラノベ、ゲーム三昧な生活を送っていた。
悪くはない生活だったが、少し退屈だと思った。
「あーあ、異世界転移、いや転生でもできたらなー」
(これでフラグでも立ってくれるといいが。)
まあ、転生するのならどのように死ぬのだろうか。
やはり王道のトラック、いや、バスか?はたまた電車かもしれない。
だが、現実は非情である。
所詮夢は夢なのだ。
まあ、気をとりなおしてMMOでもやりますか。
「ん?」
なにやら大きな音がする。
我が家の近くには飛行場がある。その飛行機の離着陸の音で多少慣れている俺が大きな音、と言うのは極めて異常な事だ。
何が起きているのか確認しようとカーテンを開けると、
眼前に迫ったジャンボジェット機が映った。
ここで、おれの『運』について話そう。
実は、俺の運はすこぶる悪い。道を歩けば犬に噛まれ、教室に行けば必ず黒板消しが命中するほどだ。ああ、いじめなどではないぞ。だがたとえ運が悪くても。
(墜落なんて聞いてないッーーーー)
そうして俺の意識は途絶えた。
嗚呼、俺、死んだのか。
確かあの時飛行機が俺の部屋に突っ込んできたんだよな…
あーあ、不運な人生だったなー
せめて願いが一つでも叶うなら次の人生はもう少し運のいい人生を送りたいなー
そんな事を考えていると光が全身を包んだ。そして__________
《固有スキル『隠蔽』を獲得しました。》
は?
《効果
一定時間対象とする存在を別の存在に見せかける。
ただし、『鑑定』スキルを使用されると一定の確率で看破される。》
え?
《固有スキル『鑑定』を獲得しました。》
はい?
《効果
無条件で『偽装』を見破ることができる。
達成値の比べ合いに成功した場合、『隠蔽』を見破ることができる。
対象物の価値を知る為の情報を知る事ができる。
達成値の比べ合いに成功した場合、対象物のステータスを見ることができる。》
なんだよこれ。
なんだよ固有スキルって。
あれか、異世界転生する時に時々貰えるあれか?
俺は転生したのか?
《是、ですが貴方の魂は死んではおりません。貴方が肉体的に死んだ際、時空の壁が突如歪み、貴方の魂はこちらの世界に転移、その際、周囲の物質を一部吸収、エネルギー化し、この世界でエネルギーを物質化、再構築しました。》
て事は俺異世界に転生しちゃったの?
マジで異世界来ちゃったの?
《是、その通りです。》
(ヒャッハー‼︎)
どうやら俺は本当に異世界に来てしまったらしい。
発見スキル
『隠蔽』
『鑑定』
『偽装』