表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歯車の事象  作者: 有栖18
3/4

奏島 美鶴の過去 前編

今回は短いです。感想とか欲しいです!

私こと奏島 美鶴は1人だ。

家は父子家庭で、なおかつ父は家に帰ってこない。私の知らない女性何人かの家を寝泊まりしているらしい。

そんな父だから、私は小さいころ、母が出ていったその日から祖父母と暮らしていた。3年前に祖父母が亡くなるまでは。

私はほとんど1人になった。

幸い祖母が家事を教えてくれていたおかげで、生活に支障をきたすことはなかった。父も毎月、生活費を振り込んでくれていた。

それでも、帰っても誰もいない家は辛い。悲しい。.....寂しい。

私は1人だ。




私は孤独故に人気者の仮面を求める。その歯車に憧れる、冷たい家の辛さから逃げる。

私は居場所が欲しい。暖かい場所が。






それは1年の3学期のこと、私は今学期3回目の告白を受けていた。

学校にいくことに固執していた私は、体調が悪いなか学校に来ていた。

そして例の如く校舎裏に呼び出されていた。

「先輩ですか?私を呼び出したのは。」

「おう、そうだ。奏島さん、単刀直入に言うぜ、俺と付き合ってくれ。」

全然タイプじゃない上に面倒な感じがする。こういう人って断っても簡単にあきらめないんだよね。

「私、今は誰とも付き合う気無いので、すいません。」

こう言ったはいいが、全然あきらめてくれない。しつこいのが体調の悪さと相まって倒れそう。

でも、この人の前で倒れたら後がまずい気がする。どうしようか。





そんなときだった。





「失礼するよ。奏島さんかな?クラスの配布物が有るから職員室まで来てもらいたいんだけど、良いかな。」

彼は突然、音もたてずに私達の目の前に現れた。

「奏島さん、良いかな?」

「あ、うん。」

私は彼の後を着いていこうとした。

「おい、今大事な話の途中だ、邪魔すんな。」

「先輩は呆気なく玉砕してたではないですか?今さら何を話すんです?」

本当その通りだ。さっさとこの場から逃げたい。

「先輩がどうしても引き留めると言うのなら、先輩の小学生のときの卒業文集を朗読しますけど。良いですか?」

すると、みるみる先輩の顔が青ざめて、逃げる様に走り去った。

「逃げてしまったか、つまらないな。あぁ用事というのは嘘だ、気にしなくていい。」

彼は人当たりの良い笑顔をしたまま、私に背を向けて歩き去ろうとしていた。

私はそこで緊張の糸が切れてしまい、その場に倒れ、気を失った。






私は私で在りたいが故に私ではない。

『私』の仮面を着けているにすぎないのだと感じている。

思ったよりリアルが忙しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ