生徒会長の事情 前編
細かく区切ったので話数多くなりそうです。できればお付き合い頂きたく思います。
『君も社会を動かす立派な歯車になりなさい。』
何度こういう言葉を聞いただろうか。こういう事を話す先達はたくさんいる。自分の思想を立派だと思わせるためにだ。少なくとも僕はそう思っている。しかし、本当にそうなのだろうか。確かに歯車はたくさんの種類があり、全て必要とされているのかもしれない。でも、歯車に個性はもとめられてはいない。ということは、全て量産することができ、取りかえることができる。つまり、代わりはいくらでもあるのだ、そしてそこに個人の個性や人格は必要ないし求められていないのだ。ただ、働くだけの歯車によって機能する社会。
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そんなものに意味はあるのだろうか?
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僕はよく物を達観して見る癖がある。高校生のガキが何をいきっているのかとよくゆわれているが、実際に物事に熱が入らないのは確かだ。かなりひねくれている自覚はある。現に今も政治家の選挙演説、何が『命をかける。』だ。第1に貴様の命にそこまでの価値はあるのだろうか。確かに個人の命を価値などという低俗な言葉ではかるというのは間違っている。しかし、そう簡単に命を懸けられても安っぽいものにしか見えない。今日も1日この調子なのだろうと思うと自分の事ながらへどがでる。毎日に生き甲斐を見つける事は僕には難しいらしい。僕の1日はこうして始まっていく。
僕はこういう人となりだが、学校では生徒会長している...いや、演じている。やる気は無かったのだけれども先生方の信頼を得てしまっているので、仕方なくだ。はぁ、めんどくさい。
「会長、おはよう♪」
「あぁ、おはよう。」
今声をかけてくれたのは副会長の奏島 美鶴さんだ。男女問わず人気があり、先生方の信頼もあつい、本当は彼女に生徒会長をしてもらいたかったんだが、彼女が僕を推薦したらしい。失礼だが、ありがた迷惑でもある。
「会長、また、難しいこと考えてるの?」
「いや、別にそうというわけではない。ただ、僕と君が一緒に登校して君対して変な噂でもながされてしまったら申し訳ないなと思ってね。」
「会長そんなこと考えてたのw別に大丈夫だよ。...会長とのなら寧ろ嬉しいし....」
「ん?何て言ったのかもう一回お願い。」
「やだよ、バーカ!」
僕はバカとは何だ、と言い返しつつ、彼女と登校していく。また、同じような1日がはじまる。
なんとか続けられたらなぁと思います。