表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/60

35話 ステータス

 昼食を済ませ、デザートと飲み物を取りながら説明の続きを聞く。当然ながら、昼食の料金は各人で払う。


「お腹も一杯になったところで、説明を続けるわね。でも、寝たらダメよ」


 若干一名、聞いてません。僕以外に見えていないから良いけどね。


「じゃあ、次は左手の魔法印について説明するわ。今は消えてると思うけど、魔法印に意識を集中させてもらえるかしら」


 言われるままに左手の甲に意識を集中すると、魔法印が浮かんだ。魔法印は二重円の中に五芒星が描かれて、複雑な文字列が記述されている。八尋と秋も同じようにして魔法印を浮き出させていた。


「うまく出来たようね。次に五芒星の中心を触ってみて」


 五芒星の中心を指で触ると、目の前に半透明のパネル画面が現れる。「あっ!」っと、急に画面が現れ驚いたが、パネル画面には筋力とか体力等の数値が表示されている。


「えっと、この画面って?」

「ウフフ。驚いた? その画面は、あなた達の能力を数値化したものよ。所謂、ステータス画面ね」


 確かに能力値の他に職業らしきものもあるので、ゲームなんかで見るステータス画面に近い。

 しかも、ステータスを見ていて気付いた事がある。美奈はやっぱり脳筋だったのかと。筋力の数値が一番高く、知力が一番低くなっている。戦士という項目が3になっていたが、何となく納得できる。


『へぇ~、私って数値で表すとこうなってるのね。あ、それから、脳筋でごめんなさいね』

『う、うん』


 口調は優しかったが、殺気がこもっていた。この件については、これから触れないことにしよう。

 ステータスで他に気になったのは、『マナ』というよく分からない項目で、能力値などと違い数値が一万以上もある。

 自分以外のはどうなっているのか気になり、八尋を見るとステータス画面を見ているようではあった。しかし、八尋のステータス画面そのものが見えない。頭に疑問符が浮かび眉間にしわが寄る。


「他の人のステータス画面が見えないのが不思議そうね」

「ええ、どうして見えないんですか?」

「ステータスって個人情報だから、他人に見えないようになっているのよ。もし、ステータスを見られた相手が敵になった場合どうなると思う?」

「……かなり不利になると思います」

「正解。見えないのはそういう理由なのよ。まあそれはともかく、ステータスについて何か聞きたい事はないのかしら?」


 何かあるでしょ? という期待した顔で魅香さんは言った。実際、聞きたいことはアレしか無い。


「ステータスにある『マナ』って何ですか?」

「ウフフ。やっぱり気になるわよね。『マナ』って言うのはこの世界の何処にでも存在している魔力の素になるものよ。美奈さんや魔物の中にもあるわ。ステータスにあるのはそれを数値化したものね」

「へぇ~そうなんですか。でも、やけに数値が高いような気がしますけど」

「それは当然ね。さっき、登録の時に注入しておいたもの」

「!?」


 にこやかに言う魅香さんに驚愕した。

 『マナ』て注入できるものなのか、副作用とか無いのとか、頭の中が疑問で一杯になる。色々考えていると、八尋と秋が、「あれかな」「あれですね」と二人だけで納得していた。


「美奈さんは分からなかったかもしれないけど、謎になっていた冒険者依頼クエストの報酬なのよ。副作用とか無いから安心して頂戴。そもそも、普通に正活していても蓄積されるわよ」

「そういうものなんですか?」

「そうよ。後は魔物を倒しても増えるわ」


 何となくは理解出来たけど、そもそも『マナ』が増えたらどうなるのが分からない。


「安全なのは分かりました。でも、『マナ』が増えたらどうなるんですか?」

「個人の総合レベルが上がるわね。これは冒険者のランクにもなっているから、受けられる依頼が増えるわ。後は、蓄積されている『マナ』を使って、能力値と職技能が上げられるくらいね」


 何かさらっと言われたけど、それってすごい事なんじゃ。自分で能力上げるとか物凄くゲームっぽい。


「すごい技術ですね」

「魔法のお陰だけどね。でも、ステータスを強制的に上げてるだけだから、すぐに強くなるわけじゃないのよ。ちゃんと鍛錬は必要なんだけど、分かってない人達が多いのが問題なのよね……」


 このパターン前にもあったような――。愚痴が始まる前に慌てて質問した。


「あ、あのステータスってどうやって上げるんですか? 画面は弄れませんよね」

「……ん? あ、ええ、色々問題があったから、組合の担当者を通して上げるようになっているわね」


 愚痴が始まるのは何とか阻止できたようだ。

 でも、ステータス上げは何か問題があったらしいが、詳しく聞いてもしょうがないから別にいいか。


「他には無いのかしら? 無かったら次の説明に入るわよ」


 他の二人も質問は無いようだ。次にいってもらおう。


「職技能については後で冊子を渡すからそれを見て頂戴。

 後は有料だけど、『携帯道具箱(アイテムボックス)』の機能が付けられるわ。荷物の負担が減るし、冒険者には必須よ」

「勿論付けます。いくらですか?」

「月に金貨一枚よ」

「それくらいなら大丈夫です」


 機能次第だが、月額一万で使えるようになるなら安いと思う。きっと、二人も付けるだろう。

 僕達は『携帯道具箱』を付けるため、休憩所を後にした。


 【十六夜 美奈】


 種族:人間

 レベル:1

 マナ:11500/17500


 筋力:18   知力:11

 体力:15   精神:12

 敏捷:16   魔力:14

 器用:13   幸運:17


 職技能:レベル

 戦士:3


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ