自分が小説書こうと思ったきっかけ
今日も憂鬱だ。
やることも特になくて、ただ学校の行って、勉強して、友達と話して、部活をして、帰って、ご飯食べて、寝て、起きての繰り返し。
別に、虐められているわけではないので悪しからず。
では何で憂鬱かって?
それは、いつも同じことの繰り返しだから。
「はあ、つまんないな」
「どうしたんだよ?」
隣の席に座っている俺の友達が気にかけてくる。
「いや、ただつまんないなーって思っただけ」
友達は、首を傾げて黒板の方に向き直った。
今日の天気は、予報だと雲一つない晴天らしいけど、外を見るかぎりそうではなくて太陽の光が薄い。
つまり曇りだ。
何か俺の心だな。
授業後、近くの本屋によって今日発売である俺お気に入りのラノベを買った。
家に帰り、その本を読もうとしたけれど何故か読む気になれずその日は寝てしまった。
次の日、朝起きると身体が火照って怠かった。
どうやら風邪を引いてしまったらしい。
「母さん、風邪引いたから学校休むわ」
と伝え、布団に潜って二度寝する。
起きると正午過ぎ。
暇だな、そういや、買った本読んでないな。
読むか。
ペラペラとページをめくり文字を読む。
そして、読むごとに感情の中を何かが渦巻いていた。
ページが半分にまでになった時だった。
目頭が熱くなるのを感じた。
何だろうこの感じは……あ、さっき感じた感情は感動だったのか。
そう、思った瞬間、感情を抑えていたダムが一気に決壊する。
「うっ」
あれ?
頬を触ると濡れている、そして濡れているところを辿ってゆくと目に行き着く。
泣いて、いるのか?
それをお構いなしに本を読んでゆくとさらに感動とか、感情移入しすぎて登場人物と完全に同期して悔しさが込み上げてくる。
「う、あっ………ひぐっ………」
声だけは出すまいと堪えているのにどうしても漏れてしまう。
そして、何もできない悔しさに。
「な、何で……何で‼……な、んで死ななきゃいけなかったんだよ……っ‼」
と言ってしまった。
それからは、ずっと布団の中で声を出して泣く。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……‼い、やだ……よ……死なないでよぉぉ‼」
あまりの感情に何も抑えることができず、涙は流れっぱなし、鼻水は布団を濡らすまでに垂れている。
そして、泣き止んだころ。
ふと、ある感情が生まれた。
ラノベはこんなにも感動できるものだったのか。
ああ、もう涙なんで出ないと思っていたのにな。
俺も人に感動できるような、泣けるような、話が書けるのかな。
ふふ、何か楽しいな。
そうだ、趣味なんて何もなかったけれどこれを期に小説、まあラノベだけれど、書くことを趣味にしようかな。
うん、そうしよう。
すると、一つの記憶が蘇ってきた。
「ねぇねぇ‼見て見て‼ぼくねお話書いたの‼」
「ん、どれどれ。……面白いよ!この話が君が考えたの⁉ねぇ!もっと書いてよ‼」
短い記憶だけれど。
ああ、忘れてたのか、こんな嬉しくてワクワクする気持ちを、こんな大切な記憶を。
はは、ダメだな俺。
こんな気持ちを知っておいて、今日も憂鬱だとか、つまらないとか、言ってたのか。
なんて贅沢なやつなんだ。
気づくと自分の勉強机に座って、ペンを持ち、紙を置いていた。
今の気持ちを言葉に出してみる、そうすればなんとなくだけどさ、そう、本当になんとなくだけどもう一つ上の段階に俺という存在が上がれる気がするんだ。
「さあ、始めようか!」
あなたの小説書こうと思ったきっかけはなんですか?
久しぶりに思い出してみてはいかがでしょうか