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運 -さだめ-   作者: 碧生
7/8

「あっちぃ!!!」

空に向かって叫んでみた。

今日の最高気温は38度。……馬鹿げてる。


午前中は部活だった。


汗が流れる。

日向は立っているだけで熱中症になりそうだったのでオレは日陰へと逃げ込んだ。


ボーっと暑さに耐えていると後ろから声がした。


『ごめん、遅くなって…』

振り返ると一昨日からオレの彼女になった万里奈がいた。

「だいじょーぶ。」

今日は付き合い始めてから初めてのデート。……しかし何も予定は決めていない。


「今日、どうする?」

『えっ……どうって…どうする?』

「万里奈は何かしてぇことあんの??」

『あたし?!あたしは……あおちゃんと一緒に居れればいいよ。』

「……なにマンガみたいなこと言ってんだよっ!照れるやろうが……。」

『ごめんって!ちょっと言ってみたかっただけ。』「…。」

『もうあおちゃん!!謝りよんやんかぁ…』

「…。」

どっちが彼氏かわかんなくなってきたな…


「じゃあ…散歩するか。」『…なんで散歩なん!』

「え…だってすることねぇじゃん。」


オレらは歩きだした。

(適当にあった棒を真っすぐ立てて手を離してどの方角に行くか、という何とも原始的な感じで方角を決めた。)


5分くらい歩いていたら女バスの東 千珠 先輩と草野 有莉奈 先輩が前からやって来た。


[あっ万里奈やん!!]

【えっ彼氏みたいな?】

『こんにちは…あっ彼氏……です…。』

この会話の最中、オレは正直めっちゃ気まずかった。

[え〜万里奈彼氏いたのかよ!]

『あっ…一昨日からです…。』

万里奈がどうにかしてというような視線をこっちに向けてくる。


【しかも誰かと思ったら小神君やん!】

「あっ…ちわす…。」

[なんか二人とも反応が同じなんやけど〜!!やっぱカレカノやなぁ。]

「そうスかねぇ…」

オレは万里奈を見る。

万里奈は恥ずかしそうにしていた。

早くこの場を脱出せねば。

「じゃぁオレら行きます。失礼します…。」

[あっゴメン、じゃあね〜万里奈。]

【あたしらも行こう。】


『……あっさよなら…』

万里奈は1テンポ遅れた。

「万里奈…行こう。」


その日は涼しかった。

「今日はアイス食ったら寒みぃよな。」

『うん。寒いよ。』

オレらは花丸デパートに行った。


『ねぇあおちゃん…プリクラとろうよ。』

「はぁ?プリクラなんて…オレとったことねぇんだけど。」

『いいのっ!!あたしの言う通りにしてればいいから!!』

「う…わかったよ」


『じゃあピースねっ!』

「わかったよ…」


出来たプリクラは万里奈が落書き(?)したもので{初プリ!}とか書いてある。


まぁ…万里奈が可愛く写ってるからいいか……


そんな感じでプリクラを見ていると

『たいやき食べたい。』

と急に万里奈がオレの腕を握ってきた。

こうなるとオレは断れない。

「…どれがいいんか?」

『えっと…カスタード2つ!!』


今オレの隣を歩きながらオレの彼女はたいやきをほお張っている。


……幸せそうだな。

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