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ワンダフルユートピアのディストピア

作者: 井上 みかん
掲載日:2026/03/07


「あれはなんだ?」

この国は滅びた。


鳥と言うには機械らしい、機械と言うには鳥らしい、

そんな爆撃機の数機によってこの国は滅びた。


「おい、これで最後か?」

なんだ?

「嗚呼……これで最後だ……」

誰だ?


「おい、待て……ここにも……生きてるやついるぞ……最後か……」



「ーここはとってもワンダーユートピアー皆さん、ここではワンダーバードのワンバーくんがみんなの生活をサポートするよ!!!」


「ここは……どこだ?俺は誰だ……?」

頭が痛い。身体が痛い。


ー痛み?バグか?あー新入りか新入りはAプロットの女にしとけばいいだろー

頭に声が聞こえた。


「ここは……どこだ?俺は……誰だ……?」

鏡に映る俺がいた。腕を上げて下げてパタパタして足を上げて歩く鏡に近寄る。その一足一投手の動きが俺だった。


「これが……俺?私?」


ーピコンー


「メール?どうやって開くんだ?」

三本線のハンバーガーマークを押したらメールの文字を見た。


「空中に指を置くだけでメニューが開くのか……で?メールの内容は?」


ここはとってもワンダーユートピア!!!

あなたの生活をサポートするワンバーくんだよ!!!

ここではバーチャル世界でバーチャルなみんなと楽しく暮らすんだ!!!

あなたには30億バーチャルポイントをあげるよ!!!

その30億バーチャルポイントで楽しんでね!?


「バーチャルポイント……」


ピンポーン


「ーーー!!!ワンバーくんだよ!!!今日から使う名前を決めてね?」


「名前……AI……アイ……」


「アイだね?わかったよ?30億バーチャルポイントは中々多いね?そのポイントが無くなることは無いと思うけど無くなったら僕!!!ワンバーくんに聞いてね?」


あの……私は……

なぜ、ここに……


「ワンバーくん!!!私はなんでここに!!!」


ビビッ!!!


「ワンバー様、わかりました。もう、そのことは考えません」


ドア越しのスコープには表情が見えない鳥のロボットがいた。

なぜかワンバーくん、いや、ワンバー様には逆らえない気がした。


「ありがとう……もう、現実(あのころ)の記憶はいらないんだ……」

ワンバー様の、いや、ワンバーくんの顔が笑顔に戻った気がする。


「記憶を消したからもういらないかもだけど5億バーチャルポイントをあげるね?」


「ワンバーくんここのマップってメニューから見えるんだよね?」


「うん、そうだよ?」


バーチャルの姿、実際は生きてるのか死んでるのかわからない……


私は、いや、俺は……ここの世界をおかしいと思いながら過ごすことにした。

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