ワンダフルユートピアのディストピア
「あれはなんだ?」
この国は滅びた。
鳥と言うには機械らしい、機械と言うには鳥らしい、
そんな爆撃機の数機によってこの国は滅びた。
「おい、これで最後か?」
なんだ?
「嗚呼……これで最後だ……」
誰だ?
「おい、待て……ここにも……生きてるやついるぞ……最後か……」
「ーここはとってもワンダーユートピアー皆さん、ここではワンダーバードのワンバーくんがみんなの生活をサポートするよ!!!」
「ここは……どこだ?俺は誰だ……?」
頭が痛い。身体が痛い。
ー痛み?バグか?あー新入りか新入りはAプロットの女にしとけばいいだろー
頭に声が聞こえた。
「ここは……どこだ?俺は……誰だ……?」
鏡に映る俺がいた。腕を上げて下げてパタパタして足を上げて歩く鏡に近寄る。その一足一投手の動きが俺だった。
「これが……俺?私?」
ーピコンー
「メール?どうやって開くんだ?」
三本線のハンバーガーマークを押したらメールの文字を見た。
「空中に指を置くだけでメニューが開くのか……で?メールの内容は?」
ここはとってもワンダーユートピア!!!
あなたの生活をサポートするワンバーくんだよ!!!
ここではバーチャル世界でバーチャルなみんなと楽しく暮らすんだ!!!
あなたには30億バーチャルポイントをあげるよ!!!
その30億バーチャルポイントで楽しんでね!?
「バーチャルポイント……」
ピンポーン
「ーーー!!!ワンバーくんだよ!!!今日から使う名前を決めてね?」
「名前……AI……アイ……」
「アイだね?わかったよ?30億バーチャルポイントは中々多いね?そのポイントが無くなることは無いと思うけど無くなったら僕!!!ワンバーくんに聞いてね?」
あの……私は……
なぜ、ここに……
「ワンバーくん!!!私はなんでここに!!!」
ビビッ!!!
「ワンバー様、わかりました。もう、そのことは考えません」
ドア越しのスコープには表情が見えない鳥のロボットがいた。
なぜかワンバーくん、いや、ワンバー様には逆らえない気がした。
「ありがとう……もう、現実の記憶はいらないんだ……」
ワンバー様の、いや、ワンバーくんの顔が笑顔に戻った気がする。
「記憶を消したからもういらないかもだけど5億バーチャルポイントをあげるね?」
「ワンバーくんここのマップってメニューから見えるんだよね?」
「うん、そうだよ?」
バーチャルの姿、実際は生きてるのか死んでるのかわからない……
私は、いや、俺は……ここの世界をおかしいと思いながら過ごすことにした。




