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第三話 航路とは。

遅筆ながら更新していきますよ〜


 過去の宇宙隊はみな仰々しく宇宙へ潜航して行ったようだったが、俺達第十三宇宙隊の潜航は誰も何も言わずに行われた。いや、正確に言うなら、誰も気にせずに潜航した。なぜなら…………


「隊長ぉ手抜かないでくださいよー」


「次は俺が隊長とやるんだからな!」


 ワーワーキャーキャー


 というような調子で稽古中に潜ったからだ。まぁ、俺が甲板で宣言的な事をしていなかったのが悪い気もする。いや、舵を取っている操縦班から、「あ、潜航したんで宇宙水に慣れてくださいねー」とか言う事後報告を受けたというのも原因の一つか。なら俺は悪くないな。


 この宇宙水というのは不思議なものだ。肺に満たせば呼吸はできるし、火薬や動力源に浸透しても効果を損なわない。おまけに口に入れる物の味や食感なども邪魔する事がない。動きに少しだけ物理的な抵抗感があるという行動的な制限や、船内で排泄物を絶対に正しい処理をしなければならないという難点を除けば、至って地上と変わらない生活ができる。


 俺達はまず定例通り宇宙隊第二本部へと向かい、宇宙で活動している数少ない同士達と合流しなければならない。しかも俺の十三隊は人数が多い方で、一人でも辿り着かなければ後続隊に恥を晒すことなるだろう。

 え、第十三宇宙隊って人数多いのに誰一人も第二本部に到達出来なかったんだプププ。なんて思われた日には、俺はそいつらの前に化け出て生皮を剥がしに行きかねない。


「ピーンポーンパーンポーン。アルバート隊長およびゼクス副隊長は至急操縦室までお越しくださーい。繰り返しまーす、アルバート隊長および………………」


 間抜けな呼び出しが入った。


「うぉりゃぁ!」


「どけェ!」


「あふん」


 勝手に向かってくる隊員(バカ)を張り倒して稽古場のドアをひねる。後ろで「逃げるな隊長ー」「もっと戦ってくだーい」などと言ってくるアナウンスの聞こえない隊員達(バカども)を無視して扉を開けると、目の前には猫背でオドオドしているゼクスの姿があった。


「俺が稽古場に行った後もずっと立ってたのか?」


 ゼクスは黙って頷く。

 何でだよキモイな。


 思わず、はぁ。とため息をついてしまったが、一緒に呼ばれていたからある意味好都合。宇宙環境では()()()()()が無いと重力の影響下のようなダッシュやジャンプが出来ない。ゆえに基本的にはスキップの容量で移動する。それか、無重力を利用して誰かにぶん投げて素早く移動したり。例えばゼクスを利用してこんなふうに――!


 ブオォンッ!


「うぉおぉおお早えぇぇぁぁああ壁にぶつかる!」


 ゴンッッッ!


 使う場所と向きには気をつけよう。

 ――――――


 


 ――――――

 ほいで、なんで呼んだのだろうか。


 特にアンノウンも出現せず穏やかな航路を歩んでいるみたいなのだが。ゴキブリが出たから退治してくれとかだったらブチのめすからな、ゼクスが。


「あぁ、ありがとうございます隊長達。ちょっと第二本部へ向かう航路での()()なのですが」


 操縦室の真ん中にデカデカと設置されている【宇宙航路図】を指さしながら操縦班の【カジ】は言う。


「最短距離で向かうと()()()()に当たるので迂回すべきなのですが、迂回するとなると日数もかかりますし、何よりアンノウンとの遭遇率もデブリ帯を抜けるより高くなると思うんです」


 確かに一理ある。デブリ帯を盾または隠れ(みの)としてアンノウンをやり過ごしながら向かうべきか、デブリ帯という障害物を迂回してアンノウンと戦いながら向かうか。どちらにもメリットとデメリットがある。


 三十名という人数を抱えている分、それぞれの班に回す人数も多くて助かっている。デブリ帯を抜ける時に必要なのは、もしものための修理班と目の前にいる腕の立つ操縦班。迂回する時に必要なのは、アンノウンと戦える戦闘班と、日数がかさむ事で消費される食料を管理する食糧班だ。


 もし仮に、迂回する選択を取った時に第二本部までかかる日数は約三十日程だろう。デブリ帯を抜けるとなると、到着までの日数はざっと十四、五日が目安になる。

 迂回してアンノウンとの戦闘をしながら到着に一ヶ月を要するのと、アンノウンとの遭遇がゼロではない危険なデブリ帯を抜けて二週間程で着くのを比べると、まぁ後者の方が時間的にも隊員の精神衛生上でも良いだろう。


「よーし、デブリ帯を抜けても抜けなくてもアンノウンと会うなら、いっその事ブロシーカーの破損覚悟で突っ切るぞ!」


 俺の言葉に操縦班のカジは表情を変えずこう言った。


「あ、隊長ならそう言うと思ってました。仮に迂回するとなってももう遅いくらいにはデブリ帯の目の前に居るので。隊長からの確認が取れて良かったです」


 カジは操縦室にあるデカデカとしたガラス窓を指さす。すると船頭やその他のライトが前方を照らし始め、目を凝らさなくても見えるくらいの宇宙に漂う()()が姿を表す。


 …………相談じゃなくて確認だったのかよ、何がなんでも早計すぎる。

 こいつに舵を握らせるのは間違いだったか………………?

第十三宇宙隊の班分けはこうだっ!


・操縦班5名

・食糧班3名

・修理班7名

・清掃班3名

・索敵班5名

・戦闘班5名

・アルバート隊長、ゼクス副隊長


以上三十名からなる部隊で、歴代宇宙隊から見たらそこそこ大所帯。こんだけ人いるなら1人くらいはたどり着きますよね?

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