離したくない
-冬休みに入って、しばらくして-
もうすぐ年が開ける…初詣は振袖を着るって約束したし、明日は早くなるから、今日は準備したら早く寝ないと…!
明日は、財布とスマホと…
準備を終わらせて、布団に入った。
明日、楽しみだな。透くん…誘えばよかったかも…
でも、はしゃいじゃうと恥ずかしいし…
そんなことを考えながらまぶたを閉じる。
朝の3時と少し。
目が覚めたから、用意したものを持って、忘れ物がないか確認して美咲の家に行く。
美咲の家に、振袖を借りることになっていて、美咲のおばあちゃんとお母さんが着付けてくれるみたい。
チャイムを鳴らして応答を待つ。
「いらっしゃ〜い」この人は美咲のお母さん。すっごい若くて細かいとこにも気が利いて、でも優しい人。
「よぉ来たねぇ…美咲ちゃんの友達やろ?」この人は美咲のおばあちゃん。温かみのある人だ。
「はい、今日はよろしくお願いします。」深々とお辞儀をして、着付けてもらった。
美咲もやって来た。「わぁ…美咲の振袖姿初めて見た。綺麗だね」そう言うと、「私より可愛い翡翠が言うか!!このこの〜」そんな風に言ってきた。
「どっちも可愛ええの〜好きな子でもおるんけ?」おばあちゃんがそんな風に聞いてきた。
「えぇ!?好きな人だなんてそんな…」「おばあちゃん、この子ね、好きな人いるんだよ。透くんって言うんだけど。」隠そうとしたら美咲がバラす。
「もう、なんで言っちゃうの!!」恥ずかしがってると
「まぁまぁ、好きな子が居るってことはええことやよ。美咲ちゃんはそんな話欠片もせんから、なんか嬉しいわぁ。」
おばあちゃんがそう言う。
「んで、その透くんって子はどんな子なんだい?」
「透くんは…優しくて、少し抜けたところがあるけど、そこも可愛くて。美咲のおばあちゃんみたいに温かい人」そう言うと
「そうかい。なら、安心だねぇ」優しい笑顔でそう言った。
胸の中からじーんと温かいものが広がる。
軽くメイクして、朝6時くらいになり、
「ありがとうございました。」美咲のおばあちゃんとお母さんに言って、家を出た。
「翡翠、こっち向いて。」
「なぁーに?」そう言うとパシャっと音が響いた。
「ちょっと!撮るなら言ってよ!!」私がそう言うと、
「大丈夫。ほら、可愛い。」
「ありがとう。じゃなくて、なんで撮ったの!?」
「そりゃあ…まぁ良いじゃん。」「透くんに見せるだけだし(小声)」何か小声で言った要な気がするけど、
「…まぁ良いや。私に写真共有しといてね?」
そんな会話をしてると、聞き覚えある声が聞こえてきた。
「あれ?美咲と翡翠だ。奇遇だね、2人も初詣?」陸だ。
なんかテンション高い…?
って、隣にいるの…透くん!?
会いたいとは思ってたけど、まさか会えるなんて…
普段は見ることがない私服。なんだか新鮮。
でも同じところもあって。
なんだろう…やっぱり綺麗な髪だなぁ。そんなことを思っていると、
「翡翠..さん。じゃなくて、翡翠、明けましておめでとう。」慣れてない感じがなんか可愛い。
それに…話しかけてくれた///って、私も返さないと
「透くん、明けましておめでとう。」やば、他に聞きたいことあったんだけどな…顔だけが熱いや。
なんか目線が会う…?
「陸!!透!!わり、遅れた!!」聞き馴染みのある声がもう1人やって来た。
「航、明けましておめでとう。」私から目線を離して透くんが航に言う。
「おう、今年もよろしくな!!って、あれ?美咲と翡翠もいるじゃん!!なんで?」まだ6時ちょいなのに元気だなぁ…
素直にすごいと思う。
「たまたまそこで会ったんだよ。」陸が言う。
「2人も今年もよろしくな!!」「うん、よろしく~」「よろしくね?」私達にも言ってきたからそう返す。
「それで?私たちに対して何か感想は無いんですか〜」美咲が急に言った。
「2人とも似合ってるな!!」「うん、似合ってるね。」陸と航がそう言う。
「それで、透くんは?何かないの?」美咲、ちょっと!!
内心そう思いつつ彼の言葉を待つ。
「2人とも似合ってると思います.....よ」なんだか怯えてるような感じだけど、寒いのかな…?耳も赤いし。
それより似合ってるってどういう意味なんだろう。
そのまま受け取って良いのかな?可愛いってこと?
どっちの意味合いが強いの?
「みんなありがとお~」美咲が満面の笑みでそう言い、私に向かって小声で「透くんから可愛いって言われちゃったね〜」私も小声で返す。「別に似合ってるって言われただけだし!!可愛いって思ってるかどうかは別の話じゃん!!」
そう言い返す。
振袖って結構歩きづらいんだなぁ…。なんか置いていかれそう。
「翡翠さん、歩きづらくない?良かったら握って?人混みではぐれてもなんだし。」そう言って透くんが手を差し出してきた。「え....?うん。ありがとう。」
なんで?なんで気づいてくれるの?こんなことされたら…私もっと好きになっちゃうよ!?
って言うか手が……触れちゃう。
透くんの手…大きくて…それに、温かいなぁ…。
ドキドキしすぎて…透くんに聞こえてないよね?
透くんの手は優しくしっかりと握って引っ張ってくれる。
お陰でみんなに置いていかれずにお参りできた。
先に私と透くんが終わったから境内で、手を繋ごうとして、
「あっ、手はもういいよね。もうそこまで混んでないし…」
「うん…」その通りなんだけど…まだ、繋いでたかったな…
皆も参拝して、帰ろうとするけど…
私はまだ帰りたくないな…
そう思っていると、「腹減ったなぁ、売店でなんか買おうぜ!!」お腹を鳴らして航が言う。「良いね、まだ何も食べてないし丁度いいかも。」陸が言って、「あ、じゃあ私唐揚げ食べたい。」美咲も言った。私も食べてないからお腹すいてるし…「私も何か欲しい!」
「OK、じゃあ僕と航で行ってくるよ。透はここにいて?」陸がそんなふうに言うので航が「何でだ?みんなで行きゃ良いじゃん?」と言ったけど、
「女子は2人とも草履だから待ってた方がいいでしょ?
かといって2人っきりだと危ないから、透に居てもらおうって話。」航は納得したように、「そうか!じゃあ透、2人のこと頼んだぞ〜!!」
そんな会話を経て、何か察したかのように美咲が口を開く。
「あっ、私ちょっと御手洗に行ってくるね?」
やばい、透くんと2人っきりになっちゃった…。
「2人っきりだね…」思わずこぼしてしまう。
「そうだね…」透くんはちょっと顔を赤らめてそう言う。
言わなきゃ、『連絡先交換しない?』って。でも…言えない
静かな空気が流れていた。沈黙を破ったのは透くんだった。
「あの!!翡翠さん。じゃなくて、翡翠!!」突然名前を呼ばれてビックリした。どうしたんだろう?
急に名前で呼ばれて「な、何?」としか言えなかった。
「連絡先!交換しない...!?」透くんの言葉に少しフリーズする。
あれ?先越されちゃった。って言うか、あんなに大きな声で翡翠って呼ばれちゃうと…ドキドキしすぎて笑みがこぼれちゃいそう。
「あ、あの翡翠...?」透くんの困惑混じりの声にハッとして、「も、勿論。交換しよっ...!!」そう返した。
「ありがとう...!!」とっても喜んでそうな声色で、満面の笑みで透くんが言った。
あれ!?何その笑み!?好きなの!?私の事!!
ヤバい、好きが止められない。
……私、彼の事こんなに好きだったっけ?
動揺してる間に陸と航が唐揚げとたこ焼き持って帰って来た。
透くんって好きな食べ物なんなんだろう?
後で聞いてみようかな。
美咲も帰って来たから、皆で食べて、それぞれの帰路についた。
私は振袖返さなきゃだから美咲と一緒に帰る。
「美咲のおばあちゃん、お母さん、ありがとうございました。」みさきのお母さんはこくりと頷いて、おばあちゃんは「いいんだよぉ。来年は受験だろうけど、またいつでもおいで〜。その時は彼でも連れてねぇ」おばあちゃんの言葉に顔を赤らめる。
「で、でも透くんが初詣で着る服はないでしょ?おばあちゃん。」
私がそう言うと、今度は美咲のお母さんが、「大丈夫、心配しなくてもお父さんの羽織袴があるから。ね?」「わ、分かりました。勇気が出れば、誘ってきます。」なんか、美咲のキャラが濃いバージョンって感じだ。
予想以上にグイグイ来る。
でもそこには優しさしかない。美咲と同じだな〜なんて考えて、「改めて、ありがとうございました!」そう言って家にに帰った。
今日は…透くんと連絡先交換して、手も繋いじゃった。
透くんの手、大きくて温かかったな…
あの感触はさっきのことのように思い出せる。
「今日は先越されちゃったけど、次は負けないからね。」
連絡先を開いて透くんの3文字を見ながら言う。
恥ずかしくなったから画面を閉じてすぐに寝た。
一気に3話解放はやりすぎましたね。
癒しになってくれたら幸いです。
次は三学期からかな?お楽しみに




