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私と一緒  作者: マロ
7/12

手が届かない

冬休みに入って、彼女に会えなくなった。

何故だろう。毎年と同じように過ごしてるはずなのに、どこか満たされない。


気づけば大掃除が終わり、年越しのカウントダウンをしていた。

「翡翠…さん、今何してるんだろう。」思わず口から零れる。連絡先ぐらい交換しとけば…。まぁ後悔したって後の祭りだし…

これから機会があれば絶対交換するぞ!!

なんて考えたり。

そういえば、明日は陸と航で初詣に行くんだった。

初詣か…。翡翠さんも居るかな?

そんなことを考えながら、年越しのカウントダウンが終わり、眠りにつく。


待ち合わせ場所に行くと、陸が先に居た。

「透、明けましておめでとう。」先に言われてしまった。

「明けましておめでとう。陸早いね〜航は?」そう聞くと

「寝坊、ちょっと遅れるって。」そう言って、スマホの画面を見せてきた。

「だから、先に行っとくって送ってたところ。」と言った。

「じゃ、行こうか〜。」神社の鳥居を潜ろうとして、見覚えのある顔が2人いた。

「あれ?美咲と翡翠だ。奇遇だね、2人も初詣?」陸が聞いている。

僕としてはそんなことより翡翠さんに意識を持っていかれていた。

いつもと違う髪型、そして振袖。

好きな子が振袖ってだけでこんなに破壊力があるのか…。

面と向かって、改めて好きなのだと自覚した。

「翡翠…さん。じゃなくて、翡翠、明けましておめでとう。」

やっぱりさん付けしないとむず痒い感じがする。

「透くん、明けましておめでとう。」彼女は寒いからか顔を赤らめている。やばい、話題が…口が動かない。

聞きたいことがあったはずなのに、いざ面と向かって話すとこんなに喋れなくなるのか…なんか少し気まずいな…そんな風に考えて居ると


「陸!!透!!わり、遅れた!!」気まずさを吹き飛ばす寝坊助がやってきた。

「航、明けましておめでとう。」それにあやかって、航に言う。

「おう、今年もよろしくな!!って、あれ?美咲と翡翠もいるじゃん!!なんで?」航のこういう所に今は助けられている。

「たまたまそこで会ったんだよ。」そう陸が言う。

「2人も今年もよろしくな!!」「うん、よろしく〜」「よろしくね?」そんな会話が飛び交う。

「それで?私たちに対して何か感想は無いんですか〜」美咲さんがそう言った。

「2人とも似合ってるな!!」「うん、似合ってるね。」2人がそう言う。

「それで、透くんは?何かないの?」何故だろう、美咲さんから圧を感じる。

「2人とも似合ってると思います……よ」圧に負けてそう言った。

「みんなありがとぉ〜」美咲さんは満面の笑みでそう言い、翡翠さんに何かを言った。

翡翠さんは顔を赤らめて、美咲さんに怒ってる。

久しぶりに会ったからかな、翡翠さんがすごく可愛く映る。


境内を歩いていると、翡翠さんが歩きづらそうにしていた。

手を引こうか迷う。思い立ったが吉日とも言うし…

「翡翠さん、歩きづらくない?良かったら握って?人混みではぐれてもなんだし。」そう言って手を差し出す。

「え…?うん。ありがとう。」顔を赤らめて笑顔で言ってくる。何その反応、どっち!?

そんなこんなでお参りを済ませ、帰ろうとすると、

「腹減ったなぁ、売店でなんか買おうぜ!!」お腹を鳴らして航が言う。「良いね、まだ何も食べてないし丁度いいかも。」陸が言って、「あ、じゃあ私唐揚げ食べたい。」

美咲さんも言う「私も何か欲しい!」翡翠さんもそう言った。

「OK、じゃあ僕と航で行ってくるよ。透はここにいて?」陸がそんなふうに言うので航が「何でだ?みんなで行きゃ良いじゃん?」と言ったが「女子は2人とも草履だから待ってた方がいいでしょ?かといって2人っきりだと危ないから、透に居てもらおうって話。」航は納得したように、「そうか!じゃあ透、2人のこと頼んだぞ〜!!」


3人になると突然、「あっ、私ちょっと御手洗に行ってくるね?」美咲さんはそう言い、早足で行った。

「2人っきりだね…」最初に口を開いたのは翡翠さんだった。

「そうだね…」何もしてないけど気まずい空気が流れる。

ってあれ?今連絡先交換するチャンスじゃないか?

言おう、言おう。そう心の中で準備して、

「あの!!翡翠さん。じゃなくて、翡翠!!」突然名前を呼ばれてビクッとした翡翠さんがいた。「な、何?」驚きすぎたのか耳まで真っ赤だ。

「連絡先!交換しない…!?」翡翠さんは呆気にとられたのか、無言で動かない。

「あ、あの翡翠…?」名前を呼ばれ、我に戻ったのか、「も、勿論。交換しよっ…!!」翡翠さんはそう言った。

「ありがとう…!!」勇気出してよかった…。しみじみと思う。だけど、なんか…こんなに上手くいくと翡翠さんが俺のこと、好きなんじゃ…って勘違いしてしまう。

っていうか翡翠さんって誰が好きなんだろ?

やっぱり…陸かな?

細かい所まで見てるし、配慮もするし、俺より仲良さそうだし…。

…あまり考えないようにしよう。僕が翡翠さんを好きだってだけで、十分だ。


陸と航、続いて美咲さんも帰って来て、色々食べて、帰路についた。

家に着いて、ベッドに埋もれ、新しく増えた連絡先を見てはニヤニヤしてしまう。

気づけば冬休みが終わろうとしていた。

本当にあっという間だ。

傍目に見ると、5人の内2人がニヤけていたそう。

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