少し好きになりました
体育はバレー。
体育館で、男女別れて行う。
バレーは、得意だ。
「バレーだね。翡翠にいいとこ見せれるから良かったじゃん。」そう陸が言う
「うん。ってなんで翡翠さん?そりゃ可愛いけどさ…」
「だって透、今日ずっと翡翠のこと見てるもん」
「…へ?」言われるまで自分でも気づかなかった。
僕は今朝から彼女のことを見てしまっていたのか。
「やば…怖がらせてないかな。」そう不安がるけど、
「大丈夫。さ、試合だよ」そう陸が言った。
「さすが、バレーだとこっちの分が悪いな!!」さっき戦った航が言う。
「いや、みんなよく動いてくれるし、トスも上手いから…」
そう言っていると、
翡翠さんにボールが行くのが見えた。
「ーーー危ない!!!!」
知らないうちに足が動き、叫んでいた。
何とかボールを返したものの、ネットカーテンに足を取られてしまった。「いてて…大丈夫?翡翠さん」
彼女にそう聞く。怪我は…なさそうで良かった。
「え...まぁ、うん。お陰様で。それより!!透くんこそ大丈夫…?」心配と不安が混じったような…そんな声だった。
言い終わったタイミングで「翡翠ーーー!!透ーーー!!大丈夫かーーー!?」航が体育館中に響く声で言ってきた。
「私は大丈夫だよ。透くんのお陰で、」良かった。僕が当たってもないみたいだ「よく取れたね、あんなボール」そう陸が言う。
「派手に転んでたなぁ」そう言う航の手をとる。
「いやあほんとね、ネットカーテンで滑っちゃって。」高揚してるのか、笑いながら言った。
「翡翠さんもありがとう。ぜんぜん大丈夫だよ」そう言った後の彼女の顔は、少しずつ赤くなっていて、それがとても、可愛かった。
「よくやったね、さすが。一日中見てるだけある」そう陸が言った
「や、やめろよ。陸らしくもない…」そんな会話をして、少し落ち着いた。
さっきは彼女を助けれて高揚してる自分と、彼女の目の前でコケて恥ずかしく思ってる自分がいたのに、今は彼女のことで頭がいっぱいだ。
「名前…初めて呼ばれたな」さっきのことを噛み締めるように言うが「そうだね。…確かに初めて見たかも」何か間があった気がしなくもないが、きっと気のせいだろう。
「…って居たのか陸。」
「うん。『名前…初めて呼ばれたな』ってところから」
「全部じゃないか!!このいじわるが!!」陸はたしかに大人しい。だけど偶にこういう時がある。
「良かったね。意識されちゃうんじゃない?」
「よせやい 」そう言いつつ、心の中では少し期待してるのかもしれない。
今日は翡翠さんを助けることができた。
それから、バレーで活躍もした。
なんだか今日は、憂鬱な体育が、楽しかった気がする。
彼女のお陰だ。
って、関係ないだろ。
早く寝よう…
次の日、何故かクマをつけた透の姿があったそう。




