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3日目投稿です!


今日も暑いですけど頑張りましょう!!

 善は急げと言わんばかりに、普段はばあちゃんたちに口うるさく言われても絶対に酔いつぶれるまで片づけない酒の席を片づけ始めるじいちゃんたち。


 一体全体何事だ?

 全く話についていけない。

 話の展開が早すぎて最早置いてきぼりをくらっている。


「ほれ、ゲンそっちの鍋もかたづけろい」

「おうさ」

「!?」


 待ってくれゲンさん、話についていけていないのはこの際諦めよう。

 だがせめてその牡丹鍋を1口で良いから食べさせてくれ。

 育ち盛りの高校生は朝飯抜きはきついんだよ。


「その鍋俺が片づけるから!じいちゃんたちは他のところ片づけて!」

「お?そうか、それじゃ頼むぞユキ坊」

「任せてゲンさん10分で空にするから」


 むしゃむしゃと、酒の席を片づけているじいちゃんたちを脇目にまだまだ大量に余っていた牡丹鍋を胃の中に納めながら、よく噛んで食べているとじいちゃんたちの顔が見える。


「どうせなら他の奴も呼ぶか」

「八の野郎なら飛んできそうだな」

「ああ、久しぶりに楽しそうな話だ。ジンの野郎も呼ぶか!あいつ、この話に混ぜないと怒るだろう?」

「それならリョウも呼ぶか。あいつの頭ならもっとうまくいくだろう!」


 どんどん俺の知らない話で盛り上げっているじいちゃんたち。

 だから何なんだこの異様な盛り上がり。

 じいちゃんやゲンさんならまだしも、普段だったらストッパー役のダンさんとシゲさんまでも妙に乗り気だ。


 静かに牡丹鍋を消化するだけの存在となってしまった俺は、部屋の脇でじいちゃんたちの会話に加わらずスマホでどこかに電話しているゼンさんに目を向けると。


「おう!お前のところのトラクター貸してくれ!ああ、あの場所に行こうと思ってな!雪が邪魔だからどかそうと思ってな。あ?こんな真冬に行く場所じゃない?うっせぇ!今はそれどころじゃねぇんだよ!!」


 どうやら他のじいちゃんと電話中らしい。

 トラクターって言ってたから、多分だけど銀二さんのところかなぁ。

 あそこ大きめのトラクター3台くらい持ってたし。

 この雪道でも十分に活用できる。


「つべこべ言わずに貸さねぇとお前も混ぜてやらんぞ!!あ?例の計画だ例の計画!ガキの頃から温めていた計画をついに実行するんだよ!」


 うん、だから何の計画だよ。

 俺が持ってきた人類の滅亡に関わる話なら俺にもわかるように話してほしいよ。


「そうだ!わかったろ?時間がねぇから説明は後にすっからおまえはトラクター持ってこい!除雪用の奴をちゃんとつけて来いよ!」


 うん、いいんだ。

 俺は今おいしい牡丹鍋を食べるだけの存在なんだ。

 もうすぐ食べ終わるけど。

 肉体労働をメインにしている農業高校の健啖けんたんぶりを舐めるな、無駄に身長も高いから栄養消費が半端ないんだよ。


 ゴクンと朝飯にしては重い牡丹鍋を食べつくし、時間にして10分かからなかったくらいで鍋の中身を空っぽにする。

 腹の中身は六分目くらいでちょうどいい具合になった。

 でもちょっとこの量を10分で食べきるのはしんどかったなぁと思いつつ、じいちゃんたちはどうしているかとゼンさんからさっきまで話し合っていたじいちゃんたちの方を見てみると、今度はじいちゃんたちも電話していた。


 片付けも一通り終わっているみたいで。

 今度は一人一人が四方八方に電話を飛ばし始めている。

 そんなじいちゃんたちに俺はついて行けず、途方に暮れるしかなかった。


 どうしよう。

 暇になってしまった。


 一体全体どうしてこうなってしまったのかはなんとなく理由を察せるが詳細はわからない。

 けどじいちゃんたちが暴走しているのは確かだ。


「まぁ、いつもの事か」


 それを止めるべき、ばあちゃんたちがいない今、村全体を巻き込むような大騒ぎに発展するのは目に見えている。

 このじいちゃんたちが動いたんだ。

 このまま何事もなく終わるという結末だけはない。

 そしてお祭り騒ぎに便乗しないこの村のじいちゃんたちはいない。


 ある意味で日常的な光景だ。

 前はクリスマスということで、全力でじいちゃんたちがもみの木をデコレーションしている最中にテレビの特番の生放送で東京のとあるイルミネーションの点灯式が中継されていてそれに負けてなるものかと熱がこもった1本のもみの木を中心とした村全体がクリスマス色に染まった。


 結局1日しかライトアップしなかったが、あれは圧巻だった。

 そんな感じでノリと勢いに加えて長生きしてきた知恵と技術が加わってとんでもないことをしでかすのはいつもの事だと認識している俺は、そのまま流れに逆らわずむしろ身を任せる勢いで静観することにした。


 どうせ後で内容がわかるだろうという達観しているものある。

 なんだかんだ言ってじいちゃんたちが悪いことをしたためしはない。

 今回も俺の話した人類滅亡に対してノリと勢いであれが使えるんじゃないかって相談しているんだろうなぁ。


 となると俺にできることは。


「そう言えば、救世主の証の使い方、しっかり確認していなかったっけ」


 現状を放置し、俺にできることを探る。

 これに尽きる。


 幸いにして、手元には未知数の救世主の証という名前のスマホがある。

 最初にいじったときはガチャの所為で何やらうやむやになってしまったが、この際だからちょうどいい。


 じっくりと俺ができる可能性を吟味するとしよう。


「ええと、呼びだして、アプリをタッチしてっと」


 最初に緊張して起動したときとは違い、なんとなく大丈夫だと思えるようになった今では、スラスラと操作をしてガチャ画面で止まっていた先の光景を見る。


「おお、本当にゲームみたいなステータスだ」


 知識で知る限りこの救世主の証でできるのは簡単にまとめると自己強化だ。

 救世主の証を持っている人物をゲームのようなステータスでまとめて、それぞれの分野で強化することができる。


「えっと筋力が筋肉に関連する分野で、耐久は………免疫、骨格強度、内臓強度。うんこの2つは肉体の物理的な強さが増えるみたいだな」


 上から順番に五角形になっているステータス分布図を見れば今はまだ均等な小さな五角形になっていてそれぞれの方向性を強化すればその図形が変わる仕組みらしい。

 上から時計回りで調べていくと、最初は筋力でそれは文字通り筋肉に関する分野の強化らしい。


 ただどうやって強化するまでは書いていない。

 もし強化した途端に筋肉ゴリゴリになるのは勘弁してほしいんだけど………

 そんな不安を思いながら次に指をずらしてタップしたのは耐久と書かれた部分。

 それもどうやって強化するんだと首を傾げるような内容だったけど、詳しくはわからないのでスルーしていった方がいい。


「次は知能で、えっと記憶や理解力といった分野?これ上げたらテストで満点取れるかな」


 知能と表示されているけど説明を見る限り、記憶力とかの暗記能力とその物事を理解するための頭の回転をあげられるステータスってことかな?

 これ、もっと早くもらっていたら俺、天才少年とか言われてたかもなぁ。

 まぁいいけど。


「それで、精神はっと精神的強度、ストレスへの耐性………う~んわからん」


 次の精神という部分はイマイチふわっとした感じの説明でイマイチわからない。

 ざっと読んだ感じで、根性が上がったり精神的にタフになったりとかそんな感じのニュアンスで色々と書かれている。

 なんだろう、これ必要かな?って思うようなステータスだ。


「最後に魔力って思いっきりファンタジーっぽい内容じゃん、説明の方も魔力量及び魔力に関する耐性って書いてあるし。もしかして魔法が使えたりするっぽい?」


 パンドラから与えられた知識はあくまでこの救世主の証の使い方だけ。

 この救世主の証の中に何があるかまでは教えてはくれない。

 だからじいちゃんたちとは別の方向のベクトルで興奮し始めている俺はワクワクしながらこの救世主の証について調べる。


「ステータスを増やす方法はフィジカルポイントってのが必要みたいなんだけど0だし、どうやって手に入れるんだ?これ」


 自分がゲームみたいに強くなれるかもしれないというのは、男ならだれでも憧れるものだ。

 けど、すぐに強くなれるわけでもなく、手順というモノが必要らしい。

 救世主の証のステータス画面の五角形の左下にあるFPと書かれた項目の隣に0と表示されている。

 FP、フィジカルポイントの略称かな?

 となるとこれが多分俺の今持っているFPの数値ってことになって、お、FPのところタップしたら説明文が出てきた。


「………ジョブレベルを上げるとその合計の値が証の持ち主のレベルになり、レベルが1上昇するたびにFPは5付与されます………?ジョブ?なんだこれ」


 説明を読むとステータスを上昇させるにはフィジカルポイント略してFPと呼ばれるポイントがどうやら必要でそれを獲得するにはレベルを上げないといけないらしい。

 レベルが上がると1レベルごとに5ポイントのFP手に入るらしいのだが、次にまたゲームっぽい言葉が出てきた。


「ジョブレベルって本当にゲームみたいな機能だなぁ」


 現代に合わせた内容と形にしたってパンドラは言ってたけど、本当に説明を読んでいるとゲームキャラのステータスを操作しているような感覚に近い。

 いじっているのは俺の強さを表示されるステータスっていうのがまたすごいところだけど。


「ジョブってどこで見れるんだ?」


 段々とのめり込んでいくのがわかり、じいちゃんたちの行動が気にならなくなってきた。

 がやがやと大きな声で電話するじいちゃんたちには悪いがこっちの方に集中させてもらおう。

 このステータスを設定するにはジョブレベルを上げないといけない。

 ということはどこかにそのジョブをいじれるメニューがあるはず。


「お、これか」


 それに関する知識は流石にあった。

 ステータスの上の方にバーにステータスと一緒に並ぶようにJOBと書かれた項目があった。

 そこをタップすると画面が切り替わり、JOBという画面に変わった。


「えっと俺のジョブは救世主?」


 そこにはたった1つの職業が表示されていた。

 ぽつんと1番上に救世主と。

 多分タップすれば説明書きが出てくるだろうと思いタップしてみれば予想通り救世主の説明書きが出てくる。


「なになに、人類の滅亡に立ち向かう者………それだけ?」


 しかし、出てきた説明文はたった1行だけ。

 それ以外の説明はなかった。


「ほかにないのか?」


 さすがにこれだけじゃないだろうと、思っていると、知識の中にスキルと呼ばれる能力を確認できる機能があることを知り、JOB一覧で救世主の右側にあるアイコンをタッチすると救世主が持っているスキルを見ることができた。


「少な!?救世主なのにスキル少なくないか!?」


 上から順番にアイテムボックス、快眠、スマッシュ、ジョブマネジメント。

 たったの4つ。

 これで世界を救えとかふざけているのかと言いたくなるようなスキルの少なさ。


「アイテムボックスは………まぁ便利そうだからいいけど」


 アイテムボックスはよくゲームとかでも見かける道具とかを持ち運べる空間っぽい。

 生き物以外は全部入るみたいだけど、レベル1だと量が入らないし、時間経過も等倍、普通の時間通りになってるみたいだ。

 レベルを上げると結構な量を入れられそうだな。


「快眠って、俺不眠症じゃないんだけど」


 スキルの内容もどんな環境でも良質な睡眠を取ることができるって………え?そんなに過酷な未来が俺に待ち受けてるの?レベル×時間って、今使えるとしたら1時間だけってこと?


「次行こう次、スマッシュ。おお、なんかファンタジー漫画に出てきそうな技だな。攻撃力も上がるみたいだし」


 説明文もレベル×10%の威力向上した打撃を加えることができるって書いてあるから多分攻撃用のスキルってことだろうなぁ。

 だけど打撃を加えるって書いてあるから打撃オンリー?なんだろう。

 少し使いずらそう。


「最後は………ジョブマネジメント?なんだか難しそう」


 マネジメントなんて単語、あまり聞かないぞ?

 辞書とかで調べないとわからなかったが、持って来てた俺のスマホで調べたら組織を統制する一連の活動って意味らしい。


 日本語直訳だと、職業組織を統制する一連の活動ってことか?

 このスキルがないとジョブを操作できないってこと?


「うわ、一番重要なスキルだ」


 他のスキルと一緒でタップすれば説明文が出てくる。


 様々なジョブに関する項目を操作できる。

 救世主のレベルが10上がるたびにジョブスロットを1つ追加する。


 1番最初に出てきた文面だけでもかなり重要なスキルだというのがわかる。


「?スロット?ってことはジョブって増やせるってこと?」


 そんな感じの説明がされているということは、今ジョブが救世主1つしかない状況は普通でこれから増えるってことか。


「?まだあるな」


 そしてこのスキルだけスライドすることができるのでスライドしてみると新しい説明があった。


『ジョブマネジメント レベル1 ジョブ取得

 EXP(必要経験値を消費しジョブを取得することができる)

 ただし、レベルを下げることはできない』


 レベル1ってことはこのスキルのレベルを上げるとさらにジョブに関して操作できるってこと?

 とりあえずはジョブは取得できますよってことか。


「う~ん、使い方を知れば知るほど奥が深いなこの救世主の証」


 現状わかったことは、ジョブのレベルが上がると俺のレベルも上がって、それでステータスも振れるようになって強くなれるってこと。


「問題は、どうやってレベルを上げるかだよなぁ」


 その方法も知識が教えてくれる。

 レベルを上げる方法それは。


「………生き物を殺さないといけないのかぁ」


 高校生にはなかなかハードルの高い内容を救世主の証は突きつけてくれていた。





いかがだったでしょうか?

楽しんでいただけたのなら、評価やブックマークの方よろしくお願いします!!


同時連載中の異世界からの企業進出もよろしくお願いいたします!!

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