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すみません!!予約投降していたと思ってたらできていませんでした(汗


投稿19日目投稿いたします!!

「うう~寒!!」


 やっぱり5月に海で泳ぐなんて馬鹿らしいことはしないのが正解だった。

 危ない誘拐犯から逃げおおせると思わなかったら絶対に実行しなかった。

 後悔は先に立たないとはよく言うよ。


「すまないな、千翔君」

「まさか、提案しておいて理沙さん泳げなかったんですね」


 一生懸命、夜間水泳。

 こんなこと、そもそもの話一緒に泳ぐ相方が泳げないと理解してたら実行しなかった。

 理沙さんが監禁されていた倉庫からの脱走劇。


 どうにか監禁場所から理沙さんを連れて逃げおおせることができたからよかったけど、問題はその後。

 倉庫街で追っ手を振り切る手段を考えないといけなかった。


 そのためにどうすればいいかと考えていたら理沙さんから泳いで逃げれば良いんじゃないかとの提案。

 隠れていた場所ももうすぐ見つかる。

 だったら見つかる前に実行しなければとあの時の俺は焦っていた。


「君は、結構泳ぎ達者なんだな」

「いや、俺も人1人背負って泳げるとは思ってなかったよ」


 だから対岸まで泳ぐなんて無謀をその時はできると思ってたんだ。

 暗いし底に足はつかないけど何とかなるだろうって。


 だけどその結果はこれだ。

 ふにょんと何やら柔らかいものが背中に当たる。

 それも俺は今上半身裸だ。

 もっと正確に言えば、ズボンとパンツ以外着ていない。


 今から海に入ると言うのに着衣水泳ではおぼれてしまうと思いアイテムボックスに衣類を入れられるだけ入れた。

 当然、これは理沙さんにも適応される。

 結果、かなり薄着になった理沙さんと海に入り、こんな夜に東京湾を泳ぐ羽目となっている。


 だけどあの時は焦った。

 服を脱いで腰まで海に浸かり、さて泳ぐぞと言うタイミングで。


『すまない、千翔君』

『はい?どうかしました?』

『私は泳げなかった』

『え?』


 とんでもない暴露をしてくれた。

 誘拐犯の仲間たちがすぐそこに来ていると言うのに、その暴露もう海に浸って後戻りまでできない状況だと言うのに、このタイミングでそれを言うか!?


『ど、どうしよう?』

『どうしようか?』


 2人で夜の海に浸り小首をかしげるなんて場違いなことをしてしまったが。


『どこ行きやがった!』

『探せ探せ!!』


 結構近くから声が聞こえ、ヤバいと思ってしまった俺は。


『俺に捕まれ!!何とかする!』


 何も考えず理沙さんを背負って東京湾に泳ぎ出たのだった。

 冷静に思い返してみたらかなり無茶なことをしたと思う。


 だけど。


「結構岸壁から離れたけど、向こうの方はどんな感じ?」

「かなり慌てているみたいだね。さっきよりも倉庫街が明るくなってるし、車も集まってる。あの人数相手に街中で逃げるのは無理があっただろうね」


 ふにょんとまた背中に柔らかいものが当たる。

 これを味わえるくらいならこの寒さもまた耐えられる。


 オイッチニサンシと必死とまではいかないが、頑張って対岸につくために平泳ぎで進みながら、振り返って出発した岸壁を理沙さんに見てもらうとかなり大変なことになっているようだ。


 俺たちが見つからないことが誘拐犯からしたらかなりヤバいことらしい。

 理沙さんって結構いいところのお嬢さんだったりするのだろうか?


「だったら、こうやって泳いで逃げるっていう理沙さんの考えは間違ってなかったんだろうね」

「そうだな」


 夜のおかげで海水はどんどんと冷たくなってるけど、この柔らかさのためであるのなら後10キロは泳げる。

 スイスイと泳ぎながら目指すは対岸の明かり。


 どんどんと近づいてはいるが、やはり人力だからそこまでの速さは出ない。

 結構時間がかかりそうだな。


 俺は平気だけど、体を動かさない理沙さんはまずいかも。

 さっきからギュッと俺の体に抱き着く力が強くなってる気がする。


 やっぱり寒いんだろうか?


「あとどれくらいで着きそうだ?」

「最初見た目視距離で、2キロもないと思うから大体1時間かからないくらいじゃないかな」


 こうやって時間の聞くってことは思ったよりも体温の低下が早いのかも。


「少しスピードを上げるからしっかりとつかまってて」

「わかった」


 ならもう少し体を酷使してでも早く水から上がらないと。

 筋肉に力を込めて、グッと泳ぐスピードを速める。

 幸いにして今日は天気も良くて風もないから波は穏やかだ。


 沖に流される心配もないからこのままいけば頑張って30分くらいで着くはず。

 このまま体力が持てばの話だけど。


 首に回っている理沙さんの力が段々弱くなっているような気もする。

 急げ急げと泳ぎ続けて、対岸が見えてきた。


「もう少しだ!頑張れ!」

「あ、ああ。少し寒いがまだ大丈夫だ」


 マズイ、少し意識が飛んでいるのか?

 体もぶるぶると震えている低体温症かもしれない。


 泳いでいる俺が応援すると言う状況になり、どうにか階段状になっている場所まで泳ぎ着きそのままザっと水を滴らせながら一気に陸へと上がる。


 辺りを見回すが対岸まで泳いで逃げたということには思いつかなかったようで追っ手はいなさそうだ。

 ブルリとさすがの俺も5月の海で泳ぐのは少し無理があった。

 少し、寒い体を使ってぐったりとしている理沙さんの体を支える。


 どこかで温まれる場所はないか。

 タクシーを呼ぶと言う方法も考えたけど、もし万が一を考えるとあまり人目につくのはまずいような気がする。


 水に濡れた2人を乗せることも拒否されることを考えれば。


「あそこに入ろう」

「え?」


 どこか建物の中がいいとは思っていて、そこも視界には入っていたが、さすがに無理だと思っていた。

 だけど、理沙さんは迷うことなくその看板を指さして、ゆっくりとだが俺の手を引いて歩き出した。


「あそこなら温まることもできる」

「いや、だけど」

「今は体を温めた方がいい。このままだと命に係わる」

「はい」


 その先にあったのは所謂大人の休憩所と呼ばれる場所だ。

 怪しげなネオンの看板。

 そこに男女2人で入ることの意味を理沙さんは理解しているのだろうか?


 いや、これは緊急手段だ。

 急いで体温を温めないといけないと言う緊急時に対応した結果だ。


 俺だけ少し体温が上がったような気がしたけど、そんなことはどうでもよかった。

 人生初の大人の休憩所。

 無人の受付カウンターで金を払い。

 キーを受け取り部屋まで移動。


 そしていよいよ部屋に入る。


「思ったより、普通なんだな」


 部屋に入るとそこは大きなベッドがあって、テレビもある。

 冷蔵庫もあって俺がこっちで泊まっているホテルよりも少し部屋が広いなと思う程度。


「こっちだ」

「え?ちょっと!?」


 部屋の風景に肩透かしを食らって、たち呆けているといきなり腕を引っ張られそのまま風呂場へと連れて行かれた。


 服を着たままとはいえ一緒にふろ場に連れてこられてしまえばこの後どうなるかなんて予想できる。


「君も体を温めた方がいい。私よりも体が大きいからと言ってこのままでは風邪をひく」


 後で入りますと言えるような雰囲気ではなく、別に裸になるわけではないのだから大丈夫だろうと言う安易な言葉も言えない。


 シャワーから出てくる湯気なんて気休めにもならない。

 むしろ海水で張り付いた服が余計にボディーラインを強調してまずい状況に陥っているような気がする!!


 ドキドキと緊張する俺とは違って理沙さんが緊張している様子はない。

 むしろ、この状況で他人から見ればどんなことをしているかを想像している俺の方がおかしいと言わんばかりに、体を温める準備をしている。


「入るぞ」

「え?いや、やっぱり俺は後で」

「そんな事を言っている場合か、こんなに手を冷やして、君も温まるべきだ」


 湯船に着々とお湯が溜まるのを待たず、2人して湯船に入る。

 いや、強引に湯船につかるように引っ張り込まれた。


「ここの浴槽が大きくて助かったな」

「はい、そうですね」

「?どうした、そんなに離れて、それでは窮屈ではないか?」


 これは医療行為、これは医療行為なんだ。

 人工呼吸で欲情したら馬鹿にされるのと一緒で、こうやって一緒に理沙さんと入浴することになっているのも医療行為の一環なんだ!!

 そう言い聞かせないと、美女の理沙さんと一緒にふろに入っている現実で俺の頭はパニックを起こしそうだ。


 さっきからお湯が出しっぱなしになる蛇口の音に耳をすませろ。

 タイルの枚数を数えろ。

 それできっとこの時間は過ぎ去るはず!!


 もったいない?

 女性に対して免疫のないチェリーボーイにはこの状況は刺激が強すぎるんだよ!!


「そ、そろそろ体も温まったので俺は上がるから!」

「待て、まだ早いしっかりと肩までつかって100秒は浸かれ」


 ドキドキとする心臓を抑えながら上がろうとするが、ばあちゃんみたいな事を言わないで欲しい。

 例え服を着た状態であっても、いや、逆に服を着た状態で入っていると言う状況が色々とまずい光景になっているんだ。


「いや、本当に大丈夫だから」

「もしかして、私と一緒にいるのが嫌なのか?」


 主に俺の息子が起動しそうになっている事実がバレそうになっているのがまずい。

 なんとか誤魔化そうと、浴室から脱出しようと試みるが、最初の気の強そうな言葉とは打って変わって、今度は悲しげな声で言われ、冷静になった俺はついそっちの方を見てしまった。


 最初にシャワーを浴びて、しっとりとぬれた黒髪に、頬が上気した理沙さんの顔を艶やかで色気を感じさせたが、どこか悲し気に見える表情がその色気を打ち消していた。


「いや、嫌とかじゃないんだけど、ほら、恋人でもない男と女が一緒に風呂に入ると言うのはその」

「私は気にしないが」

「気にして、大いに気にして、それとももしかして………」


 だから冷静になれたから、この状況が世間的にかなりまずい状況であることを伝えてみるも、堂々と気にしないと言われてしまえば俺の方が間違っているのではと思いそうになる。


「言っておくが、私はだれかれ構わず異性と一緒に入浴するわけではないぞ」

「そうだよな」


 もしかして、遊び慣れている?

 とも思ったがそれも違うようで安心した。


「ただ」

「ただ?」


 そうなればなぜ、理沙さんは俺と一緒にいたがる?

 普通なら一緒に入浴しようなんて考えない。

 言い淀んでいる彼女の言葉を待つが、一向に何か言う様子はない。

 どうしたんだと、首を傾げた時、ふと理沙さんの手が震えていることに気づく。


 風呂に入っているから寒いと言う理由ではないのは確か。

 ではなんだ?と考えた時。


「………あ」


 ふと思いつく。

 そう言えば、理沙さんって誘拐されて、知らない男に襲われてたんだ。

 怒涛の勢いで助けて、逃げ出して、東京湾泳いでと色々と展開が早すぎて忘れかけていたが、女子からしたら今日の出来事はトラウマになってもおかしくない話だ。


 見たところ、スマホも財布も貴重品全てを奪われてこのまま俺に見捨てられたら彼女は1人になってしまう。

 心細いのではないか?


 そう思うと色々と合点がいく。

 吊り橋効果で俺のことを頼りにしているのではないか?と結論が俺の中でストンと落ちてくる。


 なんだ、そう言うことか。

 確かに、そうだよな。


 あんな怖い目にあって、あの後どうなるかわからないような状況で助けが入ったんだ。

 1人は怖いよな。


 車の中でも何されてかわからないしな。

 なんだか、俺がこうやって一緒に風呂に入ることを恥ずかしがってたのが、恥ずかしい。


「言いたくないなら、言わなくていい。もう少し浸かるから」

「そうか、ありがとう」


 だから俺にできることはもう少し体を温めると言う理由で湯船に肩まで浸かるってことだけ。

 理沙さんの顔がホッとしたように見えたということは正解なのだろう。


 ただこの後なにを話せばいいんだ?

 再び静かになってしまった浴室。


「………」

「………」


 お互いに沈黙してしまって、話のきっかけがない。

 自己紹介だけはしたし、泳いでいる間は泳ぐことに必死だったから会話する余裕なんてなかった。


 今日初めて会っただけの人同士で何を話せばいいんだ?

 大変でしたねってさっきのことを慰めるのは………何か違う気がするし。


 これからのことを話すのもタイミング的にさっきのやり取りがあったから難しい。

 なにか、世間話でも振った方がいいのか?


「………君は、何で私を助けてくれたんだ?」

「え?」

「私はこれでも人の名前と顔を覚えるのは得意な方だ。君と、私は今日あったばかりだろう?そんな君がなぜ誘拐されたとしても、初対面の私を助けてくれたんだ?」


 そんなことを考えていたが、理沙さんの口からこぼれたなぜという疑問に面をくらう。

 きっと間抜け面を晒しているんだろうな。

 今更それを聞くって?顔に書いてあると思う。


 クスっと俺の顔を見て笑った理沙さんは忘れたのかと言い。


「君が言ったんじゃないか、助けた理由はあとで教えるって」

「ああ、そう言えば」


 逃げることを考えていた時、理沙さんを通りすがりの俺が助けた理由を逃げ切ったら言うと約束した。


「その答えがずっと気になってたんだ。君はなぜ私をあんな危ないことまでしてまで助けてくれたのかって」

「なぜって………」


 教えて欲しいと、じっと俺を見る理沙さんに俺は満点の解答を用意できるか?

 いや、どういう答えを求めているかって考えた答えを彼女は求めているんじゃない。

 本当に俺がどう思って行動したかを理沙さんは求めているんだ。


「なんとなく、理沙さんが助けてって言ったような気がしたから助けようと思った。それだけ」

「それだけって、本当に?」

「ああ、助けたいって思ったから助けたそれだけ」


 だから何も考えずに助けようと思ったことを素直に暴露した。

 ジッと俺が嘘をついていないか確認するように見つめる理沙さんに嘘じゃないと見つめ返すと。


「そうか、なんとなくか」

「何か悪かったな。こんな行き当たりばったりな理由で」

「いや、逆に腑に落ちた。そんな理由なら仕方ないって」


 本当に安心したと言うように理沙さんはフッと優しく笑った。

 そう言えば、理沙さんが笑うのってこれが初めてだな。





いかがだったでしょうか?


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同時連載中の異世界からの企業進出もよろしくお願いいたします!!

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