99話 はんにゃ~
「あのー・・・そろそろ寝ませんか?」
「あぁ、後もう1回やってからな」
「ビリーさん」
「・・・・・・」
「ビリーさんっ」
「ん?何?」
「そろそろ寝なくて大丈夫ですか?」
「う~ん。もうちょっとやってから寝るわ」
「布団出しておくんで適当に切り上げて寝て下さいね」
「「・・・・・・・」」
「4人共ハマりすぎよ。あんなんで明日から大丈夫かしら?」
「トリーネが言う?」
「なによ」
「いや、うん・・・トリーネのハマりっぷりもあんな感じだったよ?」
「私はあそこまでじゃないわよ」
「え・・・うん・・・まぁ、寝よっか」
大人なんだし、しかも2人共ベテランの冒険者だから睡眠の重要性は理解してるだろう。俺なんかよりもよっぽど。
と、信じて寝るしかない。ぶっちゃけ全く信用出来ないけどそう思わないと俺まで寝れなくなってしまう。
なので考えないようにして俺は布団に入り目を瞑った。
朝、かどうかはダンジョン内なので分からないが目が覚めると目を疑うような光景だった。
隣にはトリーネが寝ていて反対側にはビリーさんが寝ている。
その隣では、なぜかスティーブンさんが寝ていてブラッドさんとジョーさんはオセロをやっていた。
「おはようございます」
「「・・・・・・・」」
オセロをしてる時、声を掛けられても無視するのはこの世界の常識だと学びました。
なので明るめにライトを灯し朝の身支度をしていると。
「おはよう」
「あ、トリーネおはよう」
「あの2人まだやってるのね」
「みたいだね。なぜかジョーさんじゃなくスティーブンさんが寝てるけど」
「たぶん、ビリーさんが先に寝て。相手が居なくなったから無理矢理スティーブンさんと交代してブラッドさんとジョーさんが対戦して」
「うん」
「ジョーさんが代わってくれなくてスティーブンさんは不貞寝したって所じゃない?」
「見てたかの様に言うね。たぶん、その通りだと思うけど」
しばらくトリーネと喋って過ごしているとビリーさんも起きてきたので現状を説明すると無言で歩いていき。
スパーン───。
「いってぇ」
「さっさと寝ろ」
「いや、もうちょい・・・」
「寝ろ」
「はい・・・」
「ブラッド」
「お、おう・・・」
「お前もさっさと寝ろ」
「はい」
「はぁ~~~~~」
ビリーさんちょー怖ぇ・・・。
こっからは後ろ姿しか見えないけど確実に般若とかそうゆう系のを背負ってるよ・・・。
「朝ご飯にしましょっか」
「「はいっ!」」
あ、やっぱトリーネもビビってる。
ってか、あれの後で振り返ったら笑顔だったのが更に怖いんだけど・・・。
「はぁ。完全に予定が狂っちゃったわね」
「すいません」
「ナギト君が何で謝るのよ。悪いのはあのバカ2人でしょ」
「いや、俺がオセロを渡したせいでもあるかと」
「自制出来ないあのバカ2人が悪いのよ」
「えっと、朝ご飯ですけど何出しましょう?」
「そうね。スープとパンぐらいでいいんじゃないかしら」
「はい」
「ちょっと顔を洗ったりしてくるからお願いね」
「はい」
トリーネの側に行き小声で話しかける。
「ビリーさんって怖かったんだな」
「みたいね。前に潜った時は普通だったからビックリしたわ」
「怒らせないようにしないとだな」
「うん」
「さっさと準備しよう」
「うん」
俺、トリーネ、ビリーさんの布団をアイテムボックスに収納し、俺が使ってたすのこをテーブル代わりにして皿とコップを並べる。
「ナギト君、出して欲しいのがいくつかあるんだけど良い?」
「はい、何でも言って下さい」
化粧水やらスキンケア用品が御入用だったようで、昨晩はサボってしまったから念入りにやるそうです。
「ちょっと時間掛かるから先に食べてていいわよ」
「はい。スティーブンさんって起こした方がいいですか?」
「寝かせといていいわよ」
「はい」
ビリーさんが戻ってきたのは俺達が食べ終わってからだった。女の人って大変ですね。
「正直に言ってね、私達これからする事が無いのよ」
「え?そうなんですか?」
「もしスティーブンが起きたとしても全員後衛なのよ」
「あ・・・」
「もっと上の階層ならそれでも余裕だと思うけど、ここまで来ると前衛が居ないと厳しいわね」
「じゃあ、どうしましょう?」
「あのバカ2人を起こして狩りをするか、起きるのを待つかどっちかね」
「あー・・・待ちますか」
トリーネとビリーさんにはオセロをして過ごして貰い。俺はスキル上げをする事にした。
「これ良かったらどうぞ。トリーネも」
「ん?ありがとう、ナギト君気が利くわね」
「ありがと」
MPの自然回復待ちで暇だったからジュースの差し入れをしておいた。
何かやらかしてしまった時のためにも細かくポイントを稼いでおこうという小賢しい考えからだけど誰も損してないから良いよね。
「それにしても誰も起きないですね」
「バカ2人はともかくスティーブンっていつ寝たのかしらね」
「スティーブンさんは元々朝弱い人ですからねぇ」
「ナギト君はあの3バカみたいになっちゃダメよ?」
「はい・・・」
本格的にダンジョンに潜りだして初日は何の問題も無く終わったが、こんな落とし穴があるとは思わなかった。
やっぱり俺の所為かなぁ・・・。
いつもお読み頂きありがとうございます。
別連載の構想を練ってたつもりが短編が浮かびました・・・。
たぶん今月中に書くと思うのでよろしくお願いします┏◯




