94話 まくら
普段から別に寝付きが悪いとか夜中に何度も起きるという事は無いけども、やっぱり枕のおかげか快眠だった。セルフ腕枕だと寝起きは手が痺れてるし・・・。
いつもより爽快な寝起きに感動しつつ、朝からラウエルの森へ行き、スキル上げは程々に採集をメインに歩き回った。
そして、冒険者ギルドで少しだけ薬草類を買い取って貰い、歩き疲れたのもあって冒険者ギルドで昼食を済ませ。ナールさんに明日から本格的にダンジョンに潜る事になるのでしばらく来れない事を伝え、ロックスのホームへと向かった。
「これは鍋ごとお願いね」
「はい」
昨日、解散してから手分けして鍋やら皿を大量に買いに行ったらしく。俺のアイテムボックスにどんどん色んな種類の料理が収められていく。
「それにしてもスキル上げ頑張ってるわね」
「はい、現状アイテムボックスぐらいしか取り柄が無いんで。スキルぐらいはまともなレベルにしたいな。と」
「加護のおかげでドロップも増えてるじゃない」
「あぁ、それもありますね。でも、俺が何かしてる訳じゃないですからね」
「でも、ビルドアップまで覚えてるじゃない」
「あ、これはさっき覚えた所なんですよ」
「このままだと私はアッサリ抜かれそうね」
「そんな事ないと思いますよ」
「だって私もビルドアップまでしか覚えてないもの」
「え?そうなんですか?」
「うん。アスガードだとビルドアップ覚えてたらアシストのトップクラスだと思うわよ」
「あー、アスガードって初心者が多いって事ですか?」
「それもあるわね。レベルが上がったらミッドガルドとかヘルヘイムに行った方が稼げるもの」
「それもって事は他にも理由があるんですよね?」
「ここに落ち着く人の大半はレベル上げに固執してなくて、安全に楽に狩れる所に行くのよね」
「あー、なるほど。だからスキル上げは基本やらなくても問題無い。と」
「うん」
「まぁ、安全に稼げるのが1番ですよね」
「私達も昔は色々回ったのよ?」
「そうなんですか?」
「でも、トップクラスの冒険者とかを見ちゃうとね。身の程を知ったというか」
「あぁー」
「それでジョーの故郷でもあるアスガードに来たのよ。スティーブンはここに来てから組んだのよ」
「へー、皆さんアスガードの出身かと思ってました」
「ジョーとスティーブンはそうね。ジョーがアスガードから飛び出してブラッドと組むようになって、私はその後よ」
「へぇー」
「スティーブンはまだ若いし、もっと強くなりたいみたいだからいずれアスガードを出て行くでしょうね」
「ビリーさん達はアスガードに残るんですね」
「そうね、私達はここに残るわね。トリーネちゃんとスティーブンはいずれ出て行くでしょうけど」
「はい」
「ナギト君はどこまで行くか見当も付かないわね」
「いや、俺は安全第一なんで」
「ふふふ、今はそうでもいずれね。出来たわよ、これもこのままお願い」
「はい」
そう言われても、アスガードで十二分に稼げてるし高難易度のダンジョンに行ってもこれ以上レベルも上がらないだろうからなぁ。ナールさんとシフさんもアスガードに居る以上、ここを離れてもデメリットしか無い気がする。
スキル上げをして、MPが減ってきたらビリーさんと喋ったり手伝いをしながら回復を待って。と繰り返し、気付けば夕方になっていた。
「あ~、もう当分料理したくないわね・・・」
「お疲れ様です」
「私とナギト君がこんなに頑張ってるのに、あの3バカは呑み納めだとか言って出て行ったっきりだし」
あぁ、言えない・・・。俺のアイテムボックスの中には3人から渡された私物の中に酒が大量に入ってるなんて。しかも、ちょっとぐらいならバレないからと3人共別々にこっそり渡してきたなんて。
「ビリーさんお疲れ様でした。どれも美味しそうだったんで今からダンジョンが楽しみです」
「ナギト君もありがとね。拘束しちゃって申し訳ないわ」
「予定も無かったですし、興味深い話も色々聞けたんで良かったです」
「そう?ならいいんだけど」
「明日はまた朝ここに来ればいいんですよね?」
「そうね。緊張して寝れなかったからって遅刻しないようにね?」
「はい」
「って、ナギト君もトリーネちゃんもしっかりしてるから大丈夫よね。ブラッドとスティーブンは確実に寝坊するとして、明日はジョーも怪しいぐらいだからね」
「あー、ですね」
「だから明日はゆっくりでいいわよ」
「はい、分かりました」
「明日から大変だろうけどよろしくね」
「俺の方こそよろしくお願いします」
「それじゃあ、また明日ね」
「はい」
ミルフェイユに戻ってからは追加でトリーネの私物を預かったり、トリーネの作った料理もいくつかアイテムボックスに収納した。
アイテムボックスについて夕食の時にはメディン婆さんから能力の無駄遣いだの効率が悪いだの言われ、じゃあどうすれば良いのか聞くと自分で考えろと怒られる始末だった。
ただ、冒険者をやる事自体は反対していないようで快く送り出して貰えた。
俺の使い方が悪いだけなのか。でも、他にどうやって使えば効率が良いのやら・・・。
いつもお読み頂きありがとうございます。
執筆、投稿のペースが上がってます。
ということは、別作品の構想が一切浮かんでないという事でもあります((´∀`*))ヶラヶラ




