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81話 トリップ

ボアファングの肉が15個残っていたので、8個をロックスのホームに置いてきた。

残りは好きにしていいと言われたので、いざという時に備えて貯蔵しようと思う。

時間停止機能があるから今回に限らず食材だったり料理も貯め込んでいってもいいかもしれない。

余裕があればだが。


トリーネはというと。フィリップさんに叱られたのがショックだったのか、その鬱憤を晴らすように家に帰るなりメディン婆さんと黙々とオセロに興じている。

2人から完全に放置され暇を持て余しているので冒険者ギルドにでも顔を出そうと思う。決して寂しいからではない。たぶん、きっと。ちょっとだけだから・・・。


という訳で冒険者ギルドに来たのだが。

薬草の買取を頼もうと思ったら、宝石類の査定が終わったらしく。

応接室でボズさんから査定結果の報告を受ける事になった。


「査定に時間が掛かり申し訳ございませんでした」

「あ、いえ。そんなに急いでないので大丈夫ですよ」

「それでは早速。査定結果ですが」

「はい」

「詳細をご希望なさいますか?」

「詳細ですか?」

「1つずつ査定額をお伝えいたしますか?」

「あ、まとめてでいいです。でも、高かったやつだけ教えて貰えれば」

「畏まりました。それでは、まず」


ゴクリ───。


生唾飲んじゃったよ・・・。


「査定の金額が高かった物はトパーズ、アクアマリン、ルビーあたりでしょうか」

「はい」

「そして、合計の金額ですが金貨8枚に銀貨3枚と銅貨5枚になります」

「ぶっ」

「どうかされましたか?」

「いや・・・想像してたのよりも遥かに高くてびっくりしました・・・」

「本来であれば、アクアマリンやルビーといった属性との親和性の高い宝石が高額になるのですが」

「はい」

「今回、お持ち頂いたトパーズのサイズがかなり大きかったのでこの金額になりました」

「なるほど」

「この金額でいかがでしょうか?」

「はい、ぜひっ」

「ありがとうございます。それでは書類の方にサインをお願いいたします」

「はい」




俺は今ミルフェイユの自室に居るのだが。どうやって帰ってきたのか、いつの間にスウェットに着替えたのかも全然覚えていない。

もしかしたら銀貨20枚ぐらいいったりしてー。とか考えていたが、まさか銀貨の上に金貨があるなんて思いもしなかったし。

たぶん、金貨8枚は銀貨80枚と一緒なんだろうけど・・・。

マックスの予想の4倍って考えるとそこまでじゃないけど、衝撃は40倍ぐらいあったな・・・。



コンコンコン───。


「はい」

「ご飯出来たよ~」

「うん、今行くー」


って、部屋真っ暗だ・・・。あれ?冒険者ギルドに行ったのって昼過ぎだったと思うんだけど。

そんな長時間トリップしてたのか・・・。俺もトリーネの事言えないなぁ。



夕食後は部屋に戻りひたすらスキル上げだ。

メディン婆さんとトリーネは相変わらずオセロ大会で盛り上がっているようだが・・・。

当面の目標として、スローヒールを1から3に、ヘイストを2から3に、アキュラシーを1から3に上げる。

スローヒールは5にしないと次のスキルは覚えられないけど、ヘイストとアキュラシーは3で次のスキルを覚える。何を覚えるのかは忘れたけど・・・。

トリーネは反対してたけど知力を5だけ上げる。流石にスキル上げのMPが足りなさすぎる。

そして、就寝までの時間をスキル上げに費やしていった。



翌朝、朝食を済ませると。まず南門へ向かい、屋台で2人分の昼食を購入し、ラウエルの森へ向かった。

スキル上げが最優先事項ではあるが後衛には必須と言われた生活魔法を維持しながらの行動。

これの練習も兼ねてライトを発動させながらのスキル上げである。


そして、ジョーさんとダンジョンに行ってみて思った事。

クイック等の補助スキルによって能力の底上げが出来るといっても、元の身体能力や反射神経が低いという事である。

これまではスキル上げ、採集、スキル上げ、採集。と交互に行っていたが。

スキル上げ、筋トレ、スキル上げ、採集。と採集の割合を半分にし筋トレを始めた。

宝石類が予想以上に高額で売れたため現状資金に困っておらず採集の優先順位が下がったためだ。

といっても、腕立て伏せを10回もすれば身体が持ち上がらなくなりスクワットをしても20回もせずにふらつく始末である。

なのでお昼になる頃には筋トレをする気配はなくなっていた。


「元が運動不足だからな・・・いや、継続が大事。毎日の積み重ねが実を結ぶんだ」


言っている事は正論で大事な事なのだが。この場合は、今日はもうやらない。という、ただの逃げだったりする。

そんな日和見をしながらも本来の目的であるスキル上げは順調に進み陽が傾きだす頃には。

スローヒールが3に上がりサークルヒーリングLv.1を習得、ヘイストがLv.3に上がりウィロウウィンドLv.1を習得。

そして、アキュラシーがLv.2に上がり生活魔法もLv.4に上がった。



生活魔法が上がった事によりスキルの同時発動も楽になり、新しいスキルを2つ覚えた事もあり確かな手応えを感じつつ意気揚々と帰途についた。




なにやらお金持ちになってきたっぽいです(´・ω・`)

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