72話 大会参戦
「まさかそんなに時間が経ってるなんぞ思わんでの、夕飯の支度も何もしとらん」
「あー。それじゃあ、俺が何か適当に買ってきますよ」
「すまんの」
クイックを掛け直し金の稲穂亭を目指す。
「こんばんわ~」
「お、ナギトか。また晩飯を食いに来てくれたのか」
「持ち帰りって出来ます?」
「器は持ってきてるのか?」
「あ・・・持ってきてないです」
「しゃーねぇなぁ。何人前だ?」
「3人前お願いします」
「んじゃ、ちょっと待ってろ」
やっぱり詰めが甘い。考えなしに動くクセを直さないとなぁ。
「お待たせしました」
「ニーナちゃんありがとう」
「器を返すのはいつでもいいので、またゆっくり食べに来いってお父さんが言ってました」
「うん、また寄らせて貰うね」
と支払いを済ませオセロ狂いの2人が待つ家へと急いで帰る。
「ただいま帰りました」
「この時間じゃと屋台も畳んどるし、どこに買いに行ったんじゃ?」
「金の稲穂亭に買いに行ってきました」
「高くついたじゃろ、いくらじゃった?」
「いや、いいですよ。いつもお世話になってるんで」
「すまんの。それじゃあご馳走にならせて貰うとするかの」
アイテムボックスから3人分の食事を取り出し、夕食を始める。
「そういえば、クイックが3に上がってヘイストを覚えたよ」
「もうそんなにいったの?」
「うん、トリーネがオセロしてる間ずっと頑張ってたからね」
「・・・・・・」
「採集そっちのけでずっとスキル上げを頑張ってたよ」
「・・・・・・」
「え・・・いや・・・あの・・・ごめん・・・」
「ぷ」
「え?」
「心が折れるの早すぎるわよ」
「え、怒ったのかと思って」
「イジってきたから、どうゆう反応するかな~?って」
「一瞬マジで焦ったよ」
「そんなメンタルで冒険者やっていける?」
「今のは関係なくない?」
「気を使うのは大切だけど、パーティメンバーの顔色ばっか伺ってたら疲れちゃうわよ?」
「まぁ、たしかに」
「ヘイストも覚えたんだし、そろそろパーティの募集も掛けていかないとね」
「あぁ、そうか。もう、募集掛けれるボーダーには達したのか」
「早い所、冒険者ギルドで募集の申請出しておきなさいよ?」
「もしかして申請するまで食べないつもりなのかえ?」
またやらかした・・・。
夕食後、いつもならすぐに各々が部屋に戻るのだが今夜はオセロ大会が繰り広げられていた。
序盤は俺が2人を圧倒していたのだが回数を重ねるごとに2人がコツを掴んでいき最終的にはメディン婆さんが1番強くなり、俺とトリーネで2番手争いをしていたが結果トリーネに軍配が上がる事になった。
1日中やってたとはいえ、ほんの1-2日でここまで強くなるとは思ってもみなかった。
まぁ、まだ俺には将棋がある。といっても将棋も大して強くないから一瞬で抜かれるんだろうけど。
翌朝、昨晩のオセロ大会がかなり遅い時間まで開催されていた事もあり今朝は遅目の起床であった。
今日は冒険者ギルドでパーティ募集の申請と査定の結果が出ているのかを聞きに行こうと思い。店舗スペースに顔を出すと、メディン婆さんとトリーネの熱い戦いが繰り広げられていたので、触れずに回れ右をして勝手口から向かう事にした。
「おはようございます」
「おはようさん、もうこんな時間から買取かい?」
「いや、やっとヘイストも覚えたんでそろそろパーティ募集の申請をしようかと」
「パーティの募集を掛けるんなら、そろそろギルドカードの情報を更新しといた方がいいんじゃないかい?」
「更新ですか?」
「あんたのギルドカードには名前と鑑定とアイテムボックスしか情報が無いからね」
「あぁ、そういえばそうでした」
「更新するのかい?」
「はい、お願いします」
「それじゃあ、この紙に書ける部分を書いてシフの所持って行きな」
「はい」
えっと、まず。名前と職業はアシストでスキルはヒール、クイック、ヘイストっと。
鑑定とアイテムボックスを前は書いてたけどどうしようかな。書いた方が入れて貰える可能性も上がるんだろうけど・・・。
とりあえず今回は鑑定はナシにしよう。アイテムボックスは書くけどレベルも低くて容量も少ないって事で押し通せばいいし。
「おはようございますシフさん」
「おはようございます」
「ギルドカードの更新をお願いします」
「はい。更新にはしばらく時間が掛かりますので少々お待ち下さい」
「あ、あと。パーティ募集の申請ってお願いできますか?」
「はい。出来ますが、ロックスのジョー様からサカグチ様が申請を出された際は連絡をするように仰せつかっておりますので。まずはそちらとお話をされた方がいいかと思います」
「え?前にトリーネと組んでた人ですよね?」
「はい。明言はされませんでしたが勧誘されるつもりかと思います」
「はぁ」
まぁ、トリーネも1回組んだパーティだし、俺もちょっとだけ会話してるから全くの見ず知らずの人と組むよりは全然いいんだけど、なんで俺にそこまで興味を示したのかも気になる。
とりあえずは会って話を聞いてからかな。
異世界モノで大会と言えば武闘大会とかでオレTUEEEEEする感じなんですけど。
この作品だとオセロ大会が関の山という( ´ー`)
皆さんお気付きでしょうか?主人公はここまででまだ2戦(オセロじゃなくバトルという意味で)しかしておりませぬ((´∀`*))ヶラヶラ




