61話 ホクホク
「悪いね待たせちまって」
「ヒールの練習しながら待ってたんで全然大丈夫ですよ」
「相変わらずあんたはマメだねぇ。まぁ、査定だけどね」
「はい」
「本当はそんな気なかったんだけど、一応指名依頼になるっぽいからね大分期待していいよ」
「おぉー」
「買取代金と依頼料を合わせて銀貨5枚と銅貨5枚だね」
「おぉー、本当に結構いきましたね」
「それとギルドカードも返しとくよ」
「はい」
「今回のを指名依頼扱いにしといたから貢献度も上がっててね、もうじきランクEに上がるよ」
「おぉー、ありがとうございます」
「こちらこそだよ。次からは指名依頼じゃなくなるからもうちょっと安くなるだろうけど、これからも頼むよ」
「はい。それじゃあ、ありがとうございました」
買取額が跳ね上がりホクホクでミルフェイユへ帰る。
アイテムボックス内の貯金額も増えてきたので、そろそろ本格的に装備の購入を視野に入れないといけないのだが、よくよく考えてみればアシストに必要な装備がどんな物なのかも全く知らないので、またトリーネにでも聞かなくてはならない。
ミルフェイユに戻り、トリーネに装備の事を早速聞こうと思ったのだがメディン婆さんに捕まった。
「オセロはもう放っといても勝手に進むんじゃが、ショーギがイマイチ要領を得んらしくての」
「はぁ」
「明日、工房に行って形やら材質やら指示してやってくれんかの」
「あ、はい。分かりました」
「それからマヨネーズじゃったか?」
「はい」
「以外にも作れそうな料理はあるのかの?」
「いくつか浮かんでるのはあるんですけど、問題があるんですよ」
「なんじゃ?」
「俺この世界に来て、金の稲穂亭と冒険者ギルドとここでしかご飯食べてないんですよ」
「食文化が分からんから何が受けるか分からんという事か」
「あ、それもあるんですけど、どんな料理があって食材もどんな物があるのかも知らないんですよね」
「なるほどの」
「料理のレシピとかも商業ギルドで売れるなら食べ歩きでもして勉強していこうと思うんですけどね」
「その前にまずはこの街だけでも回って元居った世界との違いを学ぶのが先じゃな」
「あぁ、たしかに」
「1日で全部は回れんじゃろうから、とりあえずは南門まで行ってみい」
「はい」
「まだ行っとらんのじゃろ?」
「はい。北門から金の稲穂亭までの大通りと商業ギルドと工房ぐらいしか行った事ないですね。あ、あと教会もか」
「はぁ~。とりあえずは南門まで行って適当に散策でもすれば大体の事は分かるじゃろうて」
「はい、分かりました」
「明日は朝一で工房に行って、その後は散策じゃな」
「はい」
「一応、昨日と今日の分の給料は渡しとくが、正直毎日渡すのが面倒くさくなってきての」
「まぁ、たしかに。ゴタゴタしてると忘れますよね」
「昨日と今日の分じゃから銅貨8枚じゃ」
「ありがとうございます」
「明日からの分は帳簿につけとくから、ある程度貯まるかお前さんの手持ちが寂しくなってきたら渡すように変えようと思うんじゃがどうじゃ?」
「あ、はい。それでお願いします」
「と言うても、採集で稼いどるみたいじゃから足りなくなる事はないんじゃろ?」
「んー、そろそろ装備を買いたいと思ってるんでどうなるか分からないですけどね」
「それは追々でいいじゃろ」
「そうですか?」
「トリーネにでも相談してみるといい」
「はい」
「それじゃあ、そろそろ店仕舞いじゃな」
「あ、はい。手伝います」
「儂は夕飯の支度を始めるから店の方はよろしくの」
「はい」
店仕舞いを済ませ、キッチンに向かうとトリーネが先に作り始めてたようで夕飯の準備は既に終わっていたので、早速3人でテーブルを囲み夕食にする。
「あ、そうだ。明日、南門の方に行くんだけどトリーネも一緒に行かない?」
「南門に何しに行くの?」
「んー、社会勉強かな?南門周辺を散策しようかと」
「引率しろって事ね」
「まぁ、そうとも言う」
「用事もないから別にいいわよ」
「本当?それじゃあ、どうしよっか」
「何時ぐらいから行くの?」
「んー、朝一に工房に行く予定があるから、それが終わってからになるんだけどいいかな?」
「あ、オセロってやつ?」
「明日は将棋ってのを教えに行くんだけどね」
「気になるから私も行っていい?」
「俺は別にいいけど、どうなんですか?」
「別にかまわんじゃろ」
「いいみたいだね」
「やった~。オセロって言うのが気になってたのよ」
「あぁ、なるほどね」
「それじゃあ明日、朝ご飯食べたらすぐに工房に行きましょ」
「それじゃあ明日は朝ご飯食べたら工房に行って、終わったら南門周辺を散策して」
「うん」
「お昼はその辺で食べようと思ってるから、どこか良い所教えてよ」
「南門辺りなら適当に屋台で食べればいいんじゃない?」
「へー、南門の方にはそうゆうのがあるんだ」
「何も知らないで行くのね。やっぱり私も一緒に行って正解だったわ」
「頼りにしてます」
「お喋りはその辺でいいじゃろ。さっさと食べとくれ」
「はい」「は~い」
食事を終え、各々が部屋に戻り。凪斗は布団に寝転がり考える。
西の方は商業ギルドと教会があるので2度程行ったが、東は工房で1度だけ。
ミルフェイユも中央から見れば気持ち東にあるがほぼ中央にあるので東とは言いがたい。
結局、ミルフェイユから冒険者ギルドへ行き、そして北門を抜けてラウエルの森に行く。このルート以外ほとんど知らないのが実情だ。
明日は1度も行った事の無い南門のエリアに行くが屋台があるという情報しかない。
まだ見ぬエリアに思いを馳せ・・・いや、まだ見ぬ屋台に思いを馳せ、何を食べ歩きしようか考えながら眠りに落ちていった。
自分で言うのもなんですが、話の進みが遅いですね(´・ω・`)
60話を超えてもまだ住んでる街がどんな所か分からないとか( ・ิω・ิ)




