60話 検証
昼食を済ませた俺は早々にラウエルの森にある河原に来ていた。
新スキルを試すのとナールさんから頼まれている魔力草の採集をするために。
当然、トリーネも一緒に来ている。
ニードルを試すのに呼ばなかったらバレた時に五月蝿いだろうし。
そして、ステータスを振ってから身体を動かすのが初めてだから1人でMP枯渇を起こして倒れたりするのが怖いって言うのが本音だったりもする。
ただ、ニードルについて突っ込まれた場合どうやって誤魔化すかは考えてない。
「どれぐらいの威力か分からないから川に向かって撃ってみるね」
「うん」
「いくよ?」「ニードル」
「うん、地味ね」
「そうだね・・・」
縫い針サイズの針が飛んでいったが、たしかにあれではダメージを期待出来ない。
ダメージどころか硬直させたり怯ませるのも無理な気がする。まぁ、まだレベル1だろうから仕方ない。レベルが上がればもうちょっとマシになるだろう。と期待するしかないな・・・。
「まぁ、レベルが上がれば使えるようになると思うんだ」
「そうね。でも、こんなスキル見た事も無いからやっぱり加護って凄いのね」
「やっぱり神様の加護だからね」
「うん。試しに木に撃ってみてくれない?刺さった後どうなるのか見てみたいの」
「うん、いいよ」
「それじゃあ、この木にお願い」
「いくよ」「ニードル」
カーン───。
「結構、威力あるみたいよ?」
「何か音は凄かったけどね」
「もう消えちゃったけど結構深くまで刺さってたわよ」
「そうなんだ、小さいから離れて撃つと見えないんだよね」
「地味だけど使えそうね。ダメージはそこまで期待出来ないけど隙を作るのに良さそう」
「速度もあったと思うから、良いスキル貰えたっぽいね」
「それじゃあ、次はもう少し離れて撃ってみて」
「うん」「ニードル」
と言う感じでトリーネの検証を延々とやらされた。まぁ、俺もニードルが使えるのか使えないのか分からない状態だから助かるんだけど延々と同じ事をやるのに俺は向いてないのかもしれない。
「うん、良いスキルね。MP消費も少なくて射出速度も速いし、命中精度も高くて連射もある程度出来るし、使い勝手良すぎじゃない?」
「同時に複数出せればもっと便利なんだろうけどなぁ」
「それは欲を出しすぎよ」
「まぁね。それじゃあ、ニードルも頑張って上げていかないとな」
「でも、支援なんだからまずヒールからよ?」
「うん、分かってるよ。ヒールを上げて次のスキルも覚えないとだしね」
「クイックとヘイストを覚えればパーティ募集をすればどこかは入れてくれると思うわよ」
「そっかぁ。って事はしばらくはスキル上げの日々かぁ・・・」
「スキル上げと採集の日々じゃないの?薬草スレイヤー(笑)だし」
「くっそう・・・。まぁ、採集で稼いで装備も整えないとだしなぁ」
「何とかってゲームのお金入ってくるんじゃないの?」
「オセロ?」
「そう、それ」
「まだまだ先みたいだよ。売れたとしてもお金が入ってくるのは」
「だったら採集を頑張るしかないわね」
「だなぁ」
「ニードルの検証も大体済んだし、これから採集するの?」
「うん。そのつもりだけど、トリーネはどうする?」
「ダンジョンから戻って荷物の整理もしてないから私は先に帰るわね」
「うん、夕方ぐらいには帰ると思うから」
「わかった。採集とスキル上げ頑張ってね」
「ありがと、それじゃあまた後で」
トリーネと別れてからは採集をして休憩中にスキル練習、ヒールを主に練習するけど飽きるからニードルも挟みつつだ。生活魔法はとりあえず置いといてヒールを重点的に上げる。
そして、吃驚したと言うか何となくで分かってた事だったけど鑑定はやっぱり知識か認識による所が多いスキルみたいで、今まで草としか表示されていなかった物が魔力草だったり解熱草や毒草と表示されるようになっていた。
使い道があるかは分からないけど毒草も一応アイテムボックスに収納している。
アイテムボックスに入れっぱなしにしておけば時間停止の機能があるかも分かるし、枯れたとしても毒草なら気にならない。
休憩がてらステータスをチェックしたらヒールがレベル2に上がっていて時間的にもさっき鐘が2つ鳴ったから4時を少し過ぎたぐらいなので今日の採集を切り上げる事にした。
行きには居なかったのだが北門の所の守衛さんがいつもの人だったので挨拶がてらアシストに転職した事やお金も貯まってきてるので近い内に装備を整えれそうだから木剣もそろそろ返せるといった話をし、冒険者ギルドに買取をして貰いに向かった。
「あ、ナールさん。早速、採集してきましたよ」
「本当かい?今日の今日で反応が良くて助かるよ」
「あ、結構種類あるんで多い目に籠を用意して貰えます?」
「あいよ、ちょいと誰か籠いくつか持ってきとくれ」
「あ、そうだ。毒草って買取は出来ないですよね?」
「ん?毒草も買い取れるよ」
「あ、そうなんですね。毒草も一応採集してきたんでそれもお願いします」
職員さんから受け取った籠を買取カウンターの上にずらっと並べ、そこに薬草や毒草を分けて入れていく。そして最後にギルドカードを提出し。
「それじゃあ査定するからしばらく待っといとくれ」
「はい、お願いします」
種類が増えたのと、今回のが指名依頼だとすれば買取金額も大幅に上がってる可能性もあるので、期待に胸を膨らませながらも待ち時間を利用してのヒールの練習に余念の無い凪斗であった。
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