59話 新スキル
「ニードルってどんなスキルなんですか?」
「そんな大した事ないスキルだよ?」
「いや、もう信じない。どんな凄いスキルなんですか?」
「名前の通り針を飛ばすだけのスキルだよ」
「なるほど。いや、でもそれだけじゃないですよね?」
「疑り深いねぇ。針だからね、ダメージはほぼ無いんだけどちょっとだけ怯ませれるって感じかね」
「あぁ、なるほど」
「ニードルを上げていくと次にアイスニードルってのを覚えてね」
「まさかの発展があった」
「ニードルよりも硬直が長いね」
「なるほど。もう驚かないぞ」
「アイスニードルを上げて行くとシャドウスティッチってのを覚えるね」
「やっぱり発展しやがった。そして名前が格好良い」
「マメに突っ込むねぇ。流石はツッコミマスターだ」
「くそう・・・この人、絶対息子の事で詫びる気ないな・・・」
「悪いと思ってるから加護を与えたじゃないかい」
「まぁ、ありがたいとは思ってます・・・」
「話を戻すよ?シャドウスティッチは相手の影に向かって撃つとしばらくそこから動けなくするスキルだね」
「あぁ、シャドウスティッチって影縫いって事ですか。忍者っぽいですね」
「そうだね。アクロバット向きなスキルだけど後方支援なら使い勝手も良いはずだから上手い事使っとくれ」
「はい」
「話はそんな所かい?」
「そうですね、とりあえずは」
「あ、そうだ、思い出したよ」
「はい」
「薬草と毒消し草だけじゃなく魔力草とかも採ってきて欲しいんだよね」
「って言われてもどんなのか分からないんですよね」
「あとで図鑑見せるから適当にでいいから覚えて、見かけたらよろしく頼むよ」
「鑑定頼みなんで出来るか分からないですけど、はい」
「それじゃあ誰かに図鑑やら持って来させるから、ここで待っといとくれ」
「はい」
「あたしは仕事に戻るから何かあったら言いに来とくれ」
とナールさんが退室していった。
手持ち無沙汰になり、ニードルがどんなスキルなのか試してみたかったが屋内なので試すわけにもいかず。新たに覚えたスキル、ヒールを試してみる事にした。
「ヒール」
発動してる感じがしない。
「ヒール」
初期のクリーンのような感じで発動している体感を得られないのかもしれない。
あ、そうだ。と閃き。
「ステータスオープン」
これでMPを見ながらやれば発動してるか分かるはず。
「ヒール」
MPは300/300のまま変化がない。もしかして、と右手を自分の胸にかざし。
「ヒール」
おぉ、MPが295/300になった。と言うか普通に光ったから発動も分かった。
恐らく対象を指定しないと発動しない類のスキルなのだろう。
そこからは自分に対してヒールを掛け続け、待ち時間を潰していた。
コンコン───。
「はい、どうぞ」
「失礼します。図鑑をお持ちしました」
とリサさんが図鑑を持ってきてくれた。
「あれ?お客さんってナギトさんだったんですね」
「はい、ちょっとナールさんに話があって来たんですけど。そしたら魔力草?とかの採集を頼まれたんですよ」
「なるほど」
「あ、そうだ。無事アシストに転職する事が出来ました」
「おめでとうござます」
「リサさんの様な立派なアシストになれるよう頑張ります」
「バカにしてません?」
「してないですよ」
「胡散臭いけど・・・。とりあえず、これが図鑑です」
「あ、はい」
「転職試験をやってないんで、こっちをみっちり叩きこもうかと思います」
「うへ・・・」
その後、リサさんからみっちりと薬草について叩きこまれた。と言うと言い過ぎで、使える薬草の種類はそんなに多くなく毒草と間違えない様にとは念を押されたが、ものの10分程で終わった。
「ありがとうございました」
「お疲れ様でした」
「何か、講習みたいなのをやって貰って申し訳ないです」
「ナールさんからの採集依頼でもあるんで、これも業務の一環ですね」
「まぁ、たしかに」
「そろそろ私は戻りますけど、図鑑まだ見ます?」
「あ、もう大丈夫です」
「それじゃあ、お疲れ様でした」
「はい、ありがとうございました」
とリサさんを見送ったが、図鑑を見終われば応接室に用事もなく。俺も、と思ったが何となく気まずくてしばらく間を置いてから応接室を後にした。
そして、そのままコソっと冒険者ギルドも後にしミルフェイユに帰ってきた。
勝手口から入るとキッチンではトリーネが昼食の準備をしており、加護の事を説明しようかと思ったがその場合、誰から聞いたのかという話になりそうなので無事転職出来たと報告をした事と、ナールさんから採集の依頼をされ、リサさんから薬草についての講義を受けた事を説明する。
「それって指名依頼になるのかな?」
「指名依頼?」
「依頼を出した人からだったりギルドから個人だったりパーティだったりを指名して出る依頼の事よ」
「へー、そんなのもあるんだ」
「指名依頼の場合、報酬が多かったり貢献度が増えてたりって感じね」
「報酬が増えるのは嬉しいなぁ」
「貢献度も大事よ?」
「そうなの?」
「冒険者ランクが上がれば受けれる依頼も増えるし、同じ依頼をするにしても報酬が増える事もあるのよ」
「へー、それじゃあランクも上げていかないとなぁ」
やりたい事もやらないといけない事もいっぱいあるけど、焦っても仕方がないし、やれる事をやれるペースでやっていくしかないと思い。
朝から動きまわってたので、とりあえずはトリーネの作ってくれている昼食でこの空腹を満たさないとやれる事もやれなくなるな。と、ようやくトリーネの手伝いを始めた。
ここ数日PV数が一気に伸びており何かしたのかな?と、ビビっております( ´ー`)




