57話 洗礼
教会の重く大きな扉を開くと、TVとかで見た感じの教会そのままで。結婚式をする時とかに参列者が横長の椅子に座り、その真ん中を新郎と新婦さんが歩いて行くって感じだ。
そのバージンロードをトリーネと2人で歩いて行く。女の子とここを歩く日がこんなに早く来るとは。
「すいませ~ん。神父さん居ませんか~?」
台無しだ。俺のドキドキと純情を返せ。
すると、祭壇の前にある机の影から神父さんが顔を出した。
「どうされましたか?」
「あ、すいません。転職の洗礼?をお願いしたいんですけど」
と冒険者ギルドで受け取ったアシストの合格証明証を渡す。
「はい。アシストへの1次転職で宜しいですね?」
「はい、お願いします」
「それでは、準備を致しますので少々お待ち下さい」
しばらく待つと先程の神父さんが手に杯を持ち現れた。
「お待たせ致しました。それでは洗礼の儀式を始めます」
「はい」
と言うと、神父さんがもの凄い早口で何かを呟いている。もしかしたら聖書的なやつの文を言ってるのかもしれない。
「はい。それでは目を瞑り跪いて下さい」
「はい」
目を瞑り跪くと額に何か冷たい感触がある。
「はい。もう結構ですよ」
「はい」
「これで洗礼は済みました。無事転職が出来ているかご確認下さい」
「はい」「ステータスオープン」
[ステータス]
名前:ナギト・サカグチ
年齢:18歳
職業:アシスト
Lv.342
HP10/10
MP10/10
SP10/10
スキル:言語スキルLv.10 アイテムボックスLv.99 鑑定Lv.10 生活魔法Lv.3
職業スキル:ヒールLv.1
おぉ、職業がアシストになってる。
「アシストに転職出来てます。ありがとうございます」
「おめでとうございます」
「おめでとう」
神父さんはニコニコとしながらこちらを凝視している。
「え?あの、何か・・・」
神父さんはニコニコとしながらこちらを凝視している。
「ぷっ。ナギト。お布施よお布施」
「あぁ・・・先に言っといてくれよ・・・」
「私も忘れてたし、自分で払った事ないもの」
「えっと、お布施っていくらぐらい払えばいいですか?」
「お心持ちで」
「え?いくらぐらいが相場なんでしょう・・・」
「私も知らないわよ」
「お心持ちで結構ですよ」
アイテムボックスから銀貨を1枚取り出し神父さんに渡した。
「ありがとうございましたっ。失礼します」
と頭を下げ、トリーネの腕を取り逃げ出した。
「銀貨1枚渡したんだけど、どうなんだろ?」
「う~ん。私も知らないけどそんなもんじゃないの?」
「だったら良いんだけど」
「それで、どうするの?このまま冒険者ギルドに行って依頼でも受ける?」
「うーん、メディンさんにも報告しといた方がいいかな。って思うんだけど」
「おばあちゃんは後でもいいんじゃない?」
「そうかな?」
「あ、でも。まだステータス振ってなかったわよね」
「依頼受けるよりそっちが先だね」
「それじゃあ一旦帰りましょうか」
「うん」
ミルフェイユへ戻ると、店が既に開店しており今日からは通常営業のようだ。
「ただいま~」「ただいま帰りました」
「転職は済んだのかい?」
「はい。何とか無事終わりました」
「試験免除だったり余裕だったじゃない」
「えらく早いと思ったらそんなじゃったか」
キッチンに場所を移しテーブルに向かい合って座る。
「ちょっと思ったんだけど」
「うん?」
「俺ってレベルが342あってステータスポイントが1023もあるんだよね」
「うん」
「これ一気に振ったらエラい事にならない?」
「なるわね。色んな意味で確実に」
「え?色んな意味って?」
「まずそんな高レベルなんて聞いた事もないから色んなパーティの争奪戦が始まるわね」
「あぁ・・・」
「それだけじゃなく、冒険者ギルド同士の取り合いもあるだろうし」
「他の街の冒険者ギルドって事?」
「うん。それに、国が動くレベルよ?」
「うへ・・・」
「国に捕まって戦争に駆りだされて・・・惜しい人を亡くしたわ・・・」
「いやいやいや、まだ死んでないしバレてすらないからっ」
「うん、だからバレないように少しずつ振っていった方がいいかもね」
「なるほどね」
「それに、一気にステータスが上がったら身体も感覚も着いて来ないと思うしね」
「うん。じゃあ、どんな感じで振ったら良いと思う?」
「そうね。本当は人に言いたくないんだけど私のステータスの振り方言うわね」
「うん、ありがと。口外はしないと誓うよ」
「敏捷を20にして体力を30にして残りを知力に振ってるわ」
「なるほど」
「マジシャンだから本当は敏捷なんて要らないんだけど、初期値だとパーティメンバーのスピードに置いて行かれるのよ。戦闘とかじゃなく移動でね」
「なるほど」
「それで最低ラインを探した結果20あれば遅れは取らない程度になるって感じかな」
「へー」
「体力はHPとかスタミナにも影響するから多いに越した事は無いんだけど、後衛だからいざって時のためと」
「うん」
「これも移動のためね。短期間ならなんとか着いて行けても長期間のダンジョン攻略とか、長時間の移動ってなると体力が無いと厳しいわね」
「なるほどなぁ」
「ナギトの場合アシストでマジシャンよりも敵に近い位置に居る事が多いと思うから敏捷を30、体力を50、残りを知力にって感じが私の考える理想ね」
「なるほど。それを一気に振らずに少しずつって感じか」
「うん」
これでようやく真っ当な冒険者になれるという喜びと、チート無双の幕開けを期待しステータスウィンドウを開いた。
気づけば10万字を超えていて結構な長編になってる気がします。
こんな稚拙な文章にお付き合い下さる皆さまには頭が上がりません。
頭が上がらないので寝て過ごしたいと思いますヾ(:3ノシヾ)ノシ




