56話 転職試験
ステータスの称号・賞罰の表記を少しだけ変更しました。
横に連なってたのが気に入らなくなってしまい・・・過去の投稿もお直ししていきます(´・ω・`)
翌朝、まだ薄暗い時間に目が覚めた。屋内は明かりが無いと手探りでないと動けない程暗いのでライトを使い1階へ下りる。
キッチンではメディン婆さんが既に朝食の準備をしており、朝の挨拶をしてから顔を洗ったり諸々を済ませる。
キッチンへ戻ると丁度トリーネが2階から下りてきた所だった。
「おはよう」
「ん、おはよう」
身支度を済ませたトリーネが。
「今日、冒険者ギルドで転職試験の申請するんでしょ?」
「うん、そのつもり」
「じゃあ、おばあちゃん。朝ご飯食べたらナギト、冒険者ギルドに連れてってくるね」
「仕方ないの」
「一緒に行ってくれるの?」
「うん、アシストの試験はどんなのか知らないけど、どこかに採集に行ったりする感じだったら1人じゃ無理でしょ?」
「試験ってそんな感じなんだ」
「知らなかったの?」
「だって、成人前には大抵済ませるって聞いてたし、楽勝だろうと思って内容を聞いてなかった」
「まぁ、そうね。子供でも出来るようなのが多いけど、試験官によって内容も違うし難しいのだと大人でも無理だったりするわよ」
「うーん、甘く見過ぎてたかぁ」
「冒険者ギルドの誰かが試験官になると思うし、ナギトって気に入られてるっぽいから大丈夫じゃない?」
「え?そんな緩い感じなの?」
「まぁ、運かも?」
「なるほど・・・」
「気になるならさっさと食べてさっさと行けばよかろう」
「あ、いただきます」「いただきま~す」
朝食を取り、お互い一旦部屋に戻って身支度を済ませ冒険者ギルドへ向かう。
「トリーネが1次転職する時の試験ってどんなだったの?」
「私の時は、生活魔法をいくつか見せて、トーチとかライトのサイズ調整をして魔力操作を見せて終わり。って感じだったわね」
「へー、人によって得手不得手が出そうな試験だね」
「でも、マジシャンになりたいって人だったら余裕じゃない?」
「たしかに、そうかも」
そんな話をしていると冒険者ギルドに着いた。俺も簡単な試験だといいけど・・・。
「ナールさんおはようございます」
「おはようさん。早速、転職試験の申請に来たのかい?」
「はい」
「う~~~ん。どうしたもんかねぇ」
「え?何か問題あるんですか?」
「いやね・・・マーシナリーの試験官はマーシナリーに、アシストの試験官はアシストにって感じで任せてたんだけどね、リサに試験内容聞いたら薬草の採集だって言うんだよ」
「あぁ、なるほど」
「ナギト良かったね、楽勝じゃない」
「とりあえず試験官やって貰うリサを呼んでくるよ」
「はい」
「と言う訳でね、最近ウチで薬草に余裕が出てきてるのはナギトが大量に持ってきてくれてるからなんだよ」
「はい、そうですね・・・」
「試験内容は試験官に一任してるからリサが決めてくれていいんだよ」
「そうですね、ヒールの重要性を理解して貰うために薬草の採集を試験にしてたんですがナギトさんの場合普段から採集されてると言う事なんで・・・」
「うん、どうする?」
「もう合格でもいいんじゃないですか?」
「ぶっ。いいんですか?」
「試験官が良いって言てるんだから良いんじゃないかい?」
「そんな緩いんですか・・・」
「ナギトさんが望むならめちゃくちゃしんどい試験にしてもいいですよ」
「いえ、ありがとうございますっ。いやー、これでアシストかー嬉しいなー」
「んじゃ、これで合格だね。おめでとさん」
「はい、ありがとうございます」
「それじゃあ、これがアシストの合格証明証だから、これ持って教会に行きな」
「え?あ、はい」
「ナギト行くわよ」
「う、うん。ありがとうございました、失礼します」
警戒してたのが嘘みたいにアッサリ終わってしまった。トリーネに引っ張られながら冒険者ギルドを出たが。
「ねぇ、トリーネ。教会って何しに行くの?」
「あぁ、教会で洗礼をして貰うの。それで転職も完了よ」
「へー、そんな感じなんだ」
どこにあるかも知らないのでトリーネに着いて行くが結構遠い。
商業ギルドよりもだいぶ南西の方にあるっぽいが現在地がどの辺りなのかも把握してない。と言うかこの街の全貌を全く知らなかったりする。
もうちょっと散歩するなりして行動範囲を広げないとな。
「もしかして、あの白い建物?」
「うん、ナギトの所でも教会ってこんな感じなの?」
「うーん、教会って行った事ないから詳しくは分からないけど似たような感じかな」
「へ~、信仰心の薄い国なのね」
「俺の居た所は薄いかも。でも、お寺と神社とかはいっぱいあって地域に根付いてる感じかな」
「ふ~ん。オテラとかジンジャって言うのも教会みたいな感じなの?」
「見た目は全然違うけど、神様を祀ってたりするから役割は似たような感じだと思うよ」
「へ~。そんなに色んな宗教があって戦争にならないの?」
「他の国だとあったりするみたいだけど、俺の居た所は色んな神様が入り乱れてる感じなんだよね。800万人も神様が。あ、800万柱か、神様が居るらしいから」
「なるほどね~。それだけ神様に愛されてる国の出身だから、加護を貰えるほど神様に気に入られてるのかもね」
「どうなんだろ。何か違う気もするけどね」
トリーネと話ながら教会に着き、これでようやく放浪者ではなくなり1次職のアシストに転職出来る。
やっと真っ当な冒険者としての活動が出来ると期待を胸に教会の重く大きな扉を開いた。
あっさり転職試験終了٩( ᐛ )و




