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541話 呼び出し

名目上の1番の目的であるジョーさんとブラッドさんの扱いについて・・・は、きっとアンさんにとって1番どうでも良かったんじゃないかと思う。

そして、ご主人様であるオレルスさんのもそれに負けないぐらいどうでも良かったんじゃないかと思う。


って、ぐらいにバスケットが埋まった瞬間に帰っていった。



それから、歯を磨いたり顔を洗い直したりしてから朝食の準備を始める。


「おはようございます」

「おはよー」

「ご飯の準備してるから」

「はいっ」

「先に顔とか洗っといで」

「あ、はいっ」



朝は簡単にパンとスープだけで済ませる。

相変わらずトム君は朝から肉をご所望の様だったので提供するが、俺はそれだけで良い。


うん。温かい物をお腹に入れるとホッとすると言うか人心地がつくと言うか。

金の稲穂亭のスープも良いんだけど、やっぱり日本人としては朝は白ご飯に納豆と味噌汁。


良いよね。そんなTHE 日本の朝食。

まぁ、実家の朝食は基本的にトーストだったから、そんな朝食を食べた記憶なんて無いんだけど。



「ごちそうさまです」

「おそまつさまでした」

「今日は何かするんですか?」

「特に決めては無いんだけど。トム君とペアでダンジョンに行くか採集に行くか。っての考えてるんだけど」

「ホントですかっ?」

「うん」

「だったらダンジョン行きたいですっ」

「あ、でも。期待させて悪いんだけど」

「はい・・・」

「ラッシュブルとボアファングを狩ろうかな。って」

「肉ですか」

「うん。それに日帰りの予定だしね」

「なるほど」

「って事で、準備して向かおっか」

「はい」



準備と言っても何と言う事は無く。

使った食器類は全てアイテムボックスに放り込むだけ。

それだけで洗う必要も無いのだから最強の食洗機だと思う。


チートだね。チート。

主婦からすれば確実にチート。


そして、着替えを済ませれば準備は万端。


「装備してから行きませんか?」

「うん、良いけど。どうしたの?」

「低階層ですし。着いて直ぐに装備するならここからでも一緒かな?と」

「あー、そうだね」

「それと、門番の人にも怪しまれずに済みますし」

「あー、なるほど。そうだね」


と言う訳で、防具を身に着けていく。

が、やっぱりトム君の方が先に装備し終える。


トム君の方が重装備なのにっ・・・。



ユーダリルダンジョンではひたすらに3階層を巡回する。

ここはラッシュブルとボアファングしか出ないので肉集めには最適な階層だ。


「よーし、トム君頑張れー」

「はいっ」


トム君ももうこの階層は余裕みたいで、俺は補助スキルを掛けて後ろから着いて行くだけの簡単なお仕事。


「そろそろ一旦休憩にしよっか」

「はい」


2-3時間は狩り続けていたと思う。


「どう?」

「ここぐらいだとやっぱり余裕ですね」

「それじゃあ、休憩終わったらどんどん狩っていこー」

「あ、はい・・・」

「ん?あー、流石に疲れた?」

「いや、まだ全然だいじょうぶです。でも・・・」

「でも?」

「折角だから、もっと下に行きたいなー。って」

「あー、レベル上げにもならないしね」

「そうなんですっ」

「でもー。肉の消費が激しい人が多いからね。トム君を含めて」

「は、はい・・・」

「肉がたまーにしか食べられなくても良いなら下の階層に行っても良いけど・・・」

「ぐぬぬぬぬ・・・・」

「今日は帰るつもりだから、大して潜れないんだよね」

「あっ、そうでした・・・」

「ご休憩中失礼致します」

「「!?」」

「お時間がおありでしたら館の方までお越し頂けないでしょうか?」

「アンさん・・・」

「はい。ナギト様のアンにございます」

「いや、あの・・・まぁ、はい・・・。えっと、オレルスさんからの呼び出しですか?」

「いえ」

「リッグさんは帰ったんですよね?」

「はい」

「え?じゃあ・・・アンさんの用事ですか?」

「いえ」

「え?」

「お越し頂ければ」


なぜか理由を教えてくれないっ・・・。


「お、俺は狩りしてますね」

「なんでっ。トム君も一緒に行こうよっ」

「いや、ほら・・・自分で食べる分は自分で確保しないとじゃないですか・・・」

「でも、俺が居ないと補助出来ないし」

「ここなら支援スキル無くても大丈夫だと思います」

「ドロップもアイテムボックスに収納しないとだし」

「そこまで量は出ないと思いますよ?リュックもありますし」

「くっ・・・でも、アイテムボックスじゃないと傷まない?」

「そんな時間掛かるんですか?」


たしかにっ・・・。


「そこまで時間は掛からないかと思われます」

「ほらっ。俺は狩りしながら待ってますからっ」

「う、うん・・・」

「では」



トム君に見捨てられた俺はアンさんに続いて扉をくぐった。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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