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531話 壁に耳あり障子にメアリー

「う~ん。俺も受けるかは別として、行くだけは行こうかな」

「はいっ」


1人で講習受けるのが不安なのかな?

マーシナリーの講習なのに俺にも勧めてくるし。


「それじゃあ、行きましょう」

「え?早くない?」


まだ朝。と言うか、早朝と言っても良い時間だから・・・。


「お昼からだよね?」

「はい」

「さっき鐘鳴ってたから。まだ6時とかだよね?」

「はい。でも、この時間ならもうそこまで混んでないですし」

「うん?」

「それまで、稽古付けて下さいっ」


何時間やるつもりなんだ・・・。


7時から始めたとして。

お昼時・・・11時までやったとする。4時間。

そこから更にシフさんの講習を受ける。1-2時間。


5-6時間も殴り合いするとか・・・あぁ、そうか。ドMなのか。そうか、そうに違いない。


「そんな長時間やって大丈夫?」

「はい。ずっと打ち合う訳でも無いんで」


あ、そうなのね。


「型とかやったり、休憩も挟みつつだよね」

「休憩はモチロン取りますけど。型って何ですか?」

「あれ?型とかって無いの?」

「聞いた事無いです」

「なんだろ・・・俺もあんま詳しくは無いんだけど」

「はい」

「基本的な動き?とか、それを繋げる為の練習?みたいな?」

「素振りみたいな感じですか?」

「たぶん」


空手とかである型ってそんな感じだよね?やった事無いから知らないけど。


「最初は素振りからですね」

「うん」

「それから、ちょっと休憩して。そこから模擬戦をして」

「うん・・・」

「何戦かごとに話し合いをして」

「うん」

「って感じですね」


うん。ほぼ殴り合ってるねっ。


「ブラッドさんはずっと模擬戦でしたけど・・・」

「うわぁっ・・・」

「しかも、ひたすらボコボコにされるだけだったんで。何が良くて何が悪かったのかも分からなかったんですよね・・・」

「まぁ・・・それはそれで得る物はあるんだろうけど・・・キツいし、効率的じゃないよね」

「俺もそう思います」


前時代的と言うか。

倒れるまでうさぎ跳びをさせるとか部活中に水を飲むのが禁止だったり根性論全開な方法としてはスタンダードなトレーニングかもしれない。


痛みで覚えろ。的な。


「怪我したら元も子もないし。一朝一夕には強くなれないと思うから、毎日の積み重ねが大事だよね」

「はいっ」


よし、良い事言った。

一朝一夕どころか何か分からない内に一瞬でレベルが上がりまくった俺の言葉とは思えないぐらいに良い事言った。


あれは・・・絶対死んだと思った・・・。

あんな所に何の説明も無く放り込みやがって・・・次に会ったら絶対にしばくっ・・・。


「どうかしましたか?」

「あ、ううん。それからアレだよね」

「はい」

「ダラダラと長時間訓練しても効果は無くて」

「はいっ」

「短時間でも質の高い訓練をした方が効果も高いからね」

「なるほどっ。ナギトさんもそうやって強くなったんですねっ」

「あー・・・うん・・・そうかな・・・」


これは・・・持ち上げる事によって逆にイジるって高等テクニック・・・では、無いか・・・流石に。


「前から気になってたんですけど」

「うん」

「ナギトさんとブラッドさんとジョーさんの3人で誰が1番強いんですかね?」

「1:1でやりあったら?」

「はい」

「んー、状況に依るんじゃないかな?」

「どういう状況なら勝てますか?」

「んー、開始位置が離れてれば俺が1番な気はする」

「あ、マジシャンのスキルですね」

「うん。遠距離攻撃があるのは俺だけだし」

「クイック掛けて逃げながら撃っても良いですしね」

「あー、その手があったか」

「でも、それが無くても。ナギトさんは補助スキルあるから勝ちそうな気もしますけどね」

「経験の差も大きいからね。そう簡単にはいかないと思うよ」

「そうですね。俺はどうやったら勝てると思いますか?」

「俺の場合は職が違うから、得手不得手の差があるけど。トム君の場合は職も同じだしねぇ」

「そうなんですよね・・・」

「まず、ブラッドさんは無理だと思う」

「タンクだからですか?」

「うん。紛れがあるとしたら、アタッカーのジョーさんだとは思うけど」

「はい」

「ジョーさんって目立った欠点が無いよね」

「そうですね」

「スピード型になるのかな?ジョーさんって」

「スピードかバランスって感じですよね」

「うん。バランス良いから。地力を上げて、どこかで上回るしか無いんじゃないかな?」

「当分は無理って事ですね・・・」

「そうだね」

「でもっ。積み重ねですよねっ」

「うん。こう言っちゃ難だけど・・・」

「はい」

「ジョーさんもブラッドさんもCランクだからね」

「はい」

「Aランクとか、更にその上ってなってくると中々厳しいと思うんだけど」

「はい」

「中堅だからね。続けてれば追い付けると思うし。頑張れば追い越せる存在だとは思うんだよね」

「はい。頑張りますっ」



うんうん。

若いって良いね。俺とあんま変わらないけど。


そして、これこそチートだけど。

温存してるスキルポイントを振りまくれば。どんな状況でも、あの2人に100%勝てる様になるとは思う。


やらないけどね。まだ。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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