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488話 若干名

「ごっそさん」

「おそまつさまでした」

「ジョー呼んで来るか?」

「呼ばなくて良いわよ」

「そうなのか?」

「お腹が空いたら放っといても来るわよ」

「それもそうか。んじゃ、行って来るわ」


お腹が膨れれば怒りも収まるかと思ったけど、ビリーさんはまだご立腹な様だ。


「俺とジョーさんが出てから、ビリーさんは何してました?」

「トム君にここの事色々教えて貰ってたんだけど・・・ここって本当に79階なの?」

「あぁ、本当ですよ」

「どういう事なの?だって、隠し扉みたいのから入って直ぐだったじゃない?」

「えっと、ダンジョンマスターに会ったんですよ」

「う、うん・・・」

「それで、ユーダリルで行った事がある階層ならいつでも行ける扉を召喚出来る腕輪を貸してくれたですよ」

「うん。やっぱり良く分からない・・・」

「ええっ、今言った通りですよ?」

「うん。トム君からもそう聞いたけど、やっぱり意味が分からないわね・・・」

「あー・・・俺も意味は分からないですけど・・・まぁ、何かそんな感じになってます」

「うん。ナギト君が関わる事は細かい事気にしたら負けって事ね」

「そうかもですね・・・」


まぁ、俺自身なんでこんな事になってるか良く分からないし。

周りからしたらもっと理解出来ないのは分かる。

それもこれも元凶はあのチャラ神様だよなぁ。


今更だけど、やっぱり・・・もっと分かりやすいチート欲しかったなぁ。


地形が変わるぐらいの極大魔法とか・・・は、ダンジョンで使えないから要らないか。

100メートルを1秒掛からずに走れるぐらいのスピード・・・も、ダンジョンでそんな速度出したら壁に衝突するから要らないか・・・。


うん・・・これと言って浮かばないけど、もっと分かりやすいのが欲しかったっ。

それで、チート無双からのハーレム。チーレム!


まぁ・・・欲は言いだしたらキリが無いか。


それに、お金にも困ってないし衣食住は万全。

信頼出来る仲間にも恵まれ・・・てる・・・かな?

ま、まぁ・・・ダンジョンの攻略に関しては問題無いか。

日常で要らない事ばっかするのが若干2名程居るぐらいで・・・。



「ごちそうさま。それじゃ、次は2人が食べて」

「はーい。あ、そうだ。ビリーさんの荷物どうします?」

「あ、取って来てくれたのよね。ありがと」

「いえいえ。やってくれたのはジョーさんなんで。俺は下で待ってただけです」

「そっか。それじゃあ・・・後でお願い」

「今でも良いですよ?」

「ほら?今、出されると中身が気になっちゃうでしょ?」

「あー、そうですね。それじゃあ、食べ終わってから出しますね」

「うん」


メニューはいつも通りスープとパンと肉。

そこまで米が好きって訳じゃないから全然大丈夫かとも思ったけど。

流石に日本食が恋しくなってきた。


米と醤油。

この2つへの欲求がかなり強い。


温かい白ご飯と納豆。そこに味噌汁があればもう無敵。

正に無双モードだ。


米は無くても大豆は探せばありそうな気がするんだよなぁ。

でも、醤油も味噌も納豆も作れる気がしない。


更に借りを作るのは怖いけど。オレルスさんとアンさんに相談してみようかな。

もしかしたら、醤油をドロップする都合の良いモンスターが居るかもしれないしっ。


「ごちそうさまです」

「この焼き終わってるのアイテムボックスにお願~い」

「はーい」

「あの、ステーキもう1枚おかわりしても良いですか?」

「うん。良いよ。どんどん食べて」

「ありがとうござます」

「いつもより食欲旺盛だね」

「ブラッドさんにタンクやりたいならもっと体重を増やせって言われたんで」

「あー、なるほど」

「なんで、少しずつでも食べる量を増やしていこうゲフゥ・・・す、すいません・・・」

「ま、まぁ、無理はしないようにね」

「はい・・・」


日本でならトム君の体型はモテると思うけど、こっちの世界ではちょっと細すぎるのかもしれない。

ジョーさんはスピード重視のアタッカーだからかなり細身だけど、日本人的な感覚で言うとムキムキのマッチョ。


こっちの世界は日本と比べると皆2回りか3回りぐらい大きい。


その中でも群を抜いて大きいのがマグナスさん。

あの人あれでマジシャンなんだよな・・・。


「とりあえず、ビリーさんとジョーさんのベッドの上に荷物置いて来ますね」

「うん。お願い」


80階へ下り、ジョーさんとビリーさんの個人スペースへ向かうと。


「ナギト」


と、ジョーさんに声を掛けられた。


「あ、ジョーさん、お昼は良いんですか?」

「いや、腹は減ってるんだが・・・」

「ん?」

「ビリーのヤツまだ怒ってるか?」

「いやぁ、どうなんでしょう?普通にしてるんで怒ってはないと思いますけど」

「そ、そうか」



この人もしかして・・・それを聞く為に俺かトム君が来るのをずっと待ってたんじゃないだろうな・・・。


いつもお読み頂きありがとうございます。


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