487話 ダブルチーム
そろそろジョーさんに助け舟を・・・。
と、思ったがイマイチどうすれば良いか浮かばない。
「まだ臭い・・・気がするのよね・・・」
「食ってねぇからな。臭いがすんのは気の所為だ」
「そうなの?」
「おう」
「ジョーには聞いてないわよ。ナギト君、食べてないの?」
「食べてないですね。開けただけです」
「でも、開けたって事は買ったの?」
「おい、ナギト。要らん事言うなっ」
「ええっ・・・俺は店には入ってないですけど。ジョーさんが買ったんだと思いますよ」
「何でわざわざこんな物買うのよ・・・」
「いや・・・なんつーか・・・通過儀礼的なトコがあってよ・・・」
「どうせ、ジェフさんにやられた事をナギト君にやりたかっただけでしょ?」
「うっ・・・」
「どんな風にやられたんですか?」
「思い出させんなっ・・・」
「どうせ、ダンジョンに持ち込む保存食としてシュールストレミング食べれないと冒険者としてやっていけないとか言われたんでしょ?」
「な、何で知ってんだよ・・・」
「いっつもそうじゃない。ジョーのやる事っていっつもジェフさんの影響でしょ?特に悪い事は」
「ま、まぁ・・・そうかもな・・・」
「それで、食べてないんだったら返品して来たの?」
「あ、俺のアイテムボックスに入ってます」
「え?食べる気なの?」
「いや、何か返品とか出来ないみたいで」
「そうなの?」
「はい。ジョーさん曰く、バカなガキが罰ゲームとか度胸試しで使うから。それの対策として返金はもちろん返品も受け付けてないって言ってました」
「そうね。私の目の前に居るのはいい大人のはずなのに、バカなガキがそのまま大きくなっちゃったみたいね」
「お前等が組むと、マジで精神的に追い詰めてくんな・・・」
「非道い言われ様ね」
「ですねぇ。言われる様な事する方に問題があると思うんですけどね」
「ナギト君どころか、トム君の方がまだ大人なのよね~」
「年長者2人の方が子供っぽいですよね」
「本当に参るわね・・・」
「でも、少年っぽさが母性本能を刺激したりは?」
「しないわね。呆れるだけよ?ナギト君も気を付けた方が良いわよ」
「は、はい・・・」
「そ、そろそろ昼飯にしねぇかっ?」
「そうね。ジョーはシュールストレミングで良いのよね?」
「お、おい・・・」
「あ、でも。臭いから別の階層で食べて来てね」
「ちょ・・・」
「それから、臭いが取れるまで帰って来ないで良いわよ」
「・・・お前の荷物取りに行って来たんだぞ・・・?」
「うん。ありがと」
「え?お、おうっ」
「ナギト君は食べずに済んで良かったわね」
「え、あ、はい」
「私が食べさせられた時は3-4日、ずっと自分が臭かったのよね~」
「は、はい・・・」
「今でもあの時の恨みは忘れてないわ~。ね?ジョー?」
「そ、そんな事もあったな・・・」
この人・・・ビリーさんにもやってたのか・・・。
「あー・・・ブラッドはオーギーか?ちょっと見て来るかなー」
「ん?俺がどうした?」
「くっ・・・タイミング悪すぎだろ・・・」
「ん?何がだ?」
「ブラッドはこれから昼飯か?」
「おう、流石に腹が減ってな」
「なら俺はブラッドの代わりにオーギー刈って来るわっ」
そう言うと、スキルレベル99のクイックでも掛かっているかの様な速度で階段を駆け下りていった。
「逃げましたね」
「都合悪くなるといっつもそう」
「それじゃあ、お昼ご飯にでもしましょうか」
「そうね~」
「何かリクエストあります?」
「肉っ」
「いや、ブラッドさんには聞いてないです・・・」
「何でだよっ」
「いや・・・肉かお酒しか言わないじゃないですか」
「肉で良いわよ。何かガッツリいきたい気分だし」
「それじゃあ、ついでに作り置きもしておきましょうか」
「うん?」
「トム君、竈に火をお願い」
「はいっ」
「先にブラッドさんとビリーさんに食べて貰って。俺とトム君で焼きまくります」
「あぁ、それで食べ終わったら交代して。私が焼いてくのね」
「はい」
「それにしても、ナギト君のアイテムボックス良いわよね」
「はい。便利ですよね」
「入れてたら傷まないどころか温かいままってのが良いわよね」
「ですねぇ」
「私も料理するのは嫌いじゃないけど。毎日、毎回全員の分ってなると大変だったのよ?」
「でしょうね。特にジョーさんとブラッドさんは量も食べますし」
「そうなのよ~。だから、作り置き出来るのはありがたいわね」
「同じ物なら、少し作るのも大量に作るのも手間にそこまで差は無いですしね」
「そうね。それに分担すればもっと楽よね」
「ですね」
「ジョーもブラッドも手伝ってくれないし。スティーブンも言わないと動いてくれなかったのよね」
「あぁー、っぽいですね」
「ナギト君もトム君も言わなくてもやってくれるから助かるわ~」
これは・・・言われる前に動けよ。って、言われてるんだろうか・・・。
いつもお読み頂きありがとうございます。
2月のアクセス数は1月を超えれないっぽいです。
まぁ、2日少ないんで仕方無いんですが_(┐「ε:)_




