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441話 ハネムーン症候群

「お昼ご飯はどうします?」

「うん。俺らは向こうで済ませよっか」

「はい」


79階へ上がり、ジョーさんとブラッドさんの分のお昼ご飯の準備をする。


「悪いんだけど、お昼の準備出来たって伝えて来てくれる?」

「はい」


ずっと起きてたからトム君とジョーさんの狩りが終わってるのも知ってたし。

ジョーさんとブラッドさんが既に狩りに行ってるのも知ってる。


さっき着けたばっかの防具を外すのも面倒臭いだろうから、簡単に食べられそうな肉入りのマッシュポテトパンを3つずつで良いかな。


それにしても眠い・・・。



「ナギトさん、ナギトさん」

「え?ん?あれ?トム君どうしたの?」

「いや、ナギトさんの方こそ大丈夫ですか?」

「え?」

「テーブルに突っ伏してましたよ?」

「え?あー、そっか寝てたか・・・」

「また倒れてるのかと思いましたよ・・・」

「いや、実は昨日寝れなくてね」

「えっ、そうなんですか?」

「うん。で、さっきから眠くて待ってる間に座った所までは覚えてるんだけど。寝ちゃったみたいだね」

「だったら、街に行くのは止めて寝ます?」

「いや、大丈夫。昨日は、昼寝とかしたから寝過ぎて夜寝れなかっただけだしね」

「本当に大丈夫なんですか?」

「大丈夫、大丈夫。それで、2人は?」

「今、良い所らしくて。もうちょっと狩ってから食べるそうです」

「そっか。まぁ、用意したのも冷めても大丈夫なやつだったから丁度良いかな」

「ブラッドさんはゴネてましたけど」

「あ、やっぱり?」

「はい」

「ジョーさんが、やりだしたばっかなのにメシ休憩なんてしてたら意味無ぇだろ。とか言って、続行になった感じでしょ?」

「はい。本当にそんな感じでした」

「だろうね」



一瞬寝落ちした程度では眠気がどこかにいくはずもなく。


たぶん、歩きながら寝てたんだろう。

気付いたら東門を抜けた後だった。


「ナギトさん、そろそろ起きて下さい」

「あ、うん・・・」

「今日はどこに行くんですか?」

「えっと・・・まずはモーリス親方の工房に行ってベッドとかの進捗を聞いて。ビリーさんの準備の進捗もか。それと、保存食も買いたいかな。あー、リチャードさんとも会った方が良いかも」

「それじゃあ、まずはホームに行きましょう」

「うん」


そして、気付くとロックスのホームのリビングに居てソファに横になっていた。


「行ってきますんで、ナギトさんは寝てて下さい」

「うん、ありがとー」



細切れの記憶をなんとか手繰り寄せ、必死に自分が置かれている状態を理解しようと試みるが一向に考えが纏まらない。


最初から思い出そう。

昨夜、寝付きが悪くて眠れなかった。

そして、アスガードに出発する直前から眠くなってきた。

覚束ない足取りでアスガードまで辿り着き、ロックスのホームに来た。

そして、ソファで仮眠を取る事になった。


そこまでは問題無い。

問題は次の記憶・・・。


目が覚めると知らない天井だった。

まぁ、知ってると言えば知ってる。

ロックスのホームだ。

でも、リビングじゃない。スティーブンさんが使ってた部屋で今は誰も使ってない部屋だ。


まぁ、そこまでは良い。

良くは無いけど、問題は無い。


しっかり寝る為に寝惚けながら自力でここに寝に来たのかもしれないし。

覚えてないだけで、トム君が付き添ってくれて連れて来てくれたのかもしれない。


問題は・・・。


「なんでここにアンさんが居るんですか?」

「もう起きてしまわれましたか」

「アンさんがこの部屋に連れて来たんですか?」

「はい」

「なんで・・・」

「ソファなどで寝てしまわれますと、身体に障ります」

「まぁ、はい」

「それに、質の良い睡眠は健康を維持するに当たっても大切ですので」

「まぁ、それで・・・本音は?」

「ここらで既成事実を作ろうかと思いまして」

「きせっ・・・想像の斜め上でした・・・」

「それは良かったです」

「いや、良くは無いですよ・・・。起きた時の俺の反応を見たかったとかだと思ったんですけどね・・・」

「それはオマケですね」

「オマケ・・・。まぁ、それは置いといて・・・」

「はい」

「そろそろ退()いて貰えません?」

「申し訳ございません」

「ん?あれ?退いてくれないんですか?」

「はい」

「えっと・・・手が痺れてるんですけど・・・」

「申し訳ございません」

「いや、謝らなくて良いんで退いて下さい・・・」

「もう少しこのままで居させて下さい」

「ええっ・・・」


そう。

アンさんを腕枕した状態で目が覚めたのだ。


この至近距離でめちゃくちゃ美人のアンさんにそんな事言われたら・・・。


「既成事実を作るのが今回の最大の目的ですので。目撃者が必要です」

「ガチじゃんっ!」

「ああっ・・・」



突っ込んだ勢いに任せて同時に右腕を引き抜いた。

右手の感覚が全然無いんだけど・・・俺どんだけ寝てたの・・・?


いつもお読み頂きありがとうございます。


びっくりするぐらい筆が進まないです。

まぁ、筆でなんて書いてないですけど(´ε` )


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